管理業務をスリムにする

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管理業務をスリムにする経理をはじめとした管理部門は利益を生み出さない部門です。
経営者なら「管理部門は、コストアップ部門」というぐらいの意識をもたなければなりません。

管理部門のコストカットができない経営者はリーダーとして失格です。

私たちが労働により得た報酬は、そのなかから税金が払われ、国に納められます。
役所に勤める官僚は管理部門の人間です。
国会議員などもそうでしょう。
この管理部門が肥大化しすぎると、ギリシャなどのように国自体が破産してしまいます。
国の管理部門のスリム化を手掛けるのは、当事者である官僚や国会議員です。
そのためなかなか進みません。

一方、中小の会社の経営者は管理部門ではなく、自ら利益を生み出す存在です。
管理部門の当事者ではありませんから、そこに障壁はありません。

とはいえ、管理部門のスリム化というと、端から無理だと思う経営者が多いのも事実です。
ですが、コツさえ覚えれば簡単です。
一番簡単な方法をひとつお教えしましょう。

「思い込みを排除する」
だけでいいのです。
経理部門は、他の部門に比べて「~ねばならない」という言葉がひじょうに多い、部門でもあります。

・小口現金の数字がたとえ1円でも合わなかったら何時間かかってでも、原因を見つけ出して確認せ「ねばならない」
・すべての帳簿を管理せ「ねばならない」
・書類はネットではなく、紙で管理せ「ねばならない」

この「ねばならない」という思い込みを明らかにして排除していくことが、スリム化の最大のコツとなります。

帳簿を減らしてスリムにする

最近では、こうした会社は少なくなりましたが、一人の経理担当者が、仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳、当座預金出納帳、小口現金出納帳、売上帳、仕入帳の管理を担当しているとしましょう。
単純にこの数を減らせば、業務時間を大きく減らすことができます。

もし、あなたの会社のベテラン経理マンがいまでも「紙の伝票」「手書き」にこだわっているとすると、大幅にスリム化する余地があるということです。
総勘定元帳をつくるのに、とんでもない時間がかかっている可能性があるからです。
総勘定元帳をつくる手順は以下の通りです。

❶仕訳をする
❷仕訳帳に記入する
❸総勘定元帳にその仕訳を転記していく

確認をしておくと、仕訳帳とは、会社のすべての取引を日付順にした帳簿のことです。
総勘定元帳とは、すべての取引を勘定科目ごとに記していく帳簿を指します。
❶❷については、一枚一枚の領収書や請求書が、それぞれどの「勘定科目」に該当するかを正確に仕訳して、それを仕訳帳に移していく作業です。
これは、請求書や領収書をそのままアウトソーシング会社に渡せば、自動的に処理してくれるので無駄な作業です。
❸の仕訳帳から総勘定元帳をつくるには、その仕訳帳を広げながら、それを項目別にもう一度転記することになります。
こちらも、アウトソーシング会社に頼めば安価でやってくれますし、パソコンソフト、クラウド会計などを導入すれば、あっというまに完成します。

現金管理をスリムにする

皆様の会社には、日々のちょっとした支出のための小口現金が用意してあると思います。
この小口現金の管理で必要以上に時間をさいている経理担当者は少なくありません。

たとえば、一日が終わった時点で10円、計算が合わなかったとします。
すると、この担当者は、すべての領収書の値段を何度も何度も確認します。
それらの領収書を提出した営業マン全員に内容を尋ねるため、社内をかけずり回ったりします。

その結果、平気で2時間分の残業代をもらったりしているのです。
これが変えるべき「古い経理部門」の平均的な姿だと言えます。
もちろん、10円でも計算が合わなければ、徹底的に追及する、という姿勢は、社内の不正防止に一定の抑止効果は期待できるはずです。
ですが、その抑止効果以上に、その10円のために2時間分の残業代数千円の負担が会社に新たに生じているというムダに、この経理担当者が気づいていないことが問題です。
それであれば、小口現金だけでなく、いっそのこと会社内をキャッシュレスにしてしまおう、というのが提案です。

具体例としては、営業マン一人ひとりに、交通系ICカードのようなものをもたせます。
その1カ月の合計金額が2万円だとすると「交通費2万円」で仕訳を完了させてしまうのです。
内訳をプリントアウトし、添付しておけば、税務署も認めてくれる方法です。

また、営業マン個人が立て替えた取引先との交際費などは、その都度、経理担当者に精算させる日常業務とするのではなく、期間を月単位とし、給与明細に立て替え経費欄を設定、1度の振り込みにしてまとめるようにしましょう。

営業マンに法人のクレジットカードなどをもたせておけば、明細も簡単にインターネットから取り込めますし、仕訳もパソコンが自動的に行ってくれます。
また、立替金(仮払金)をやめると、その補助簿をつける必要もなくなり、管理すべき帳簿をひとつ減らすことにもつながります。

現金管理をなくすと、経理の人的コストを大幅に圧縮することができるのです。

書類管理をクラウドに一元化してスリムにする

書類の管理に頭を悩ませている会社は多いと思います。
経理関連の書類だと、節税面を考慮すると長い場合は9年間の保管が必要なケースもあります。
そのため、会社のオフィスの大切なスペースが単なる書類の保管場所になっていることがあります。
これを賃料に換算してみれば、何の役にも立たない書類を高額なお金を払って、大切に保持していることになり、このムダに気づいていない社長さんも意外と多くいらっしゃいます。

過去の資料の一括スキャンや、データ化ルールを決めていけば無理なくペーパーレスは実現しますが、問題はそのデータをどこに保管するかです。

仕事にとりかかりやすいからと、経理担当者のパソコンに置いてしまっているケースもありますが、この状態では、経理担当者がいなければ、その書類(データ)を見ることができません。
また、経理担当者のパソコンが壊れてしまったら、書類自体を読み出せなくなってしまいます。

そこでお勧めなのがクラウドによる書類管理です。

クラウドとは、簡単にいえば、外部のサーバにデータを保存しておくことです。
外部サーバにアクセスできる環境にあれば、誰でもそのデータを確認、使用することができます。

つまり、社長さんが「3年前の貸借対照表」を見たくなったとき、経理の社員に声をかけることなくオフィスでも、出張中でもどこからでもアクセスして確認することができるのです。

また、データは個々のパソコンや社内で管理しているサーバーに保存されておらず、外部のシステム会社が責任をもって保管してくれているので、一般的には個々の会社のセキュリティシステムよりは強固なものになっています。
バックアップもとられているので、紛失といった被害はほぼ避けられます。

クラウドサービスの活用により、保管場所の賃料や、管理者の設置など、無駄なコスト負担を減らすことができるはずです。

 

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