経営者が抑えておくべき白色申告と青色申告の経費の扱いの12の違い

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初めて税務申告をされる方は、よく「経費」について判断を迷います。

所得税の納付手続きにあたっては、事業を営む上で必要な経費を、税額計算のベースになる課税所得から省くことができます。

以下では、どのような支出が必要経費に当てはまるのか、また「青色申告」「白色申告」という二つの申告方式では経費の計算方法にどのような違いがあるのか、説明していきます。

どのようなものが経費になるのか?

1.自動車税

事業用自動車(自動車検査証に「事業用」と記載されたもの)については、自動車税・自動車取得税・自動車重量税の租税公課分が経費になります。それ以外の家庭用自動車については、上記のは経費になりません。

2.商品の発送に使った運送費や梱包品

商品の荷造りに使うガムテープや段ボール箱、ひも、梱包材などの購入費、および商品発送時の郵便小包や宅配便の配送料は経費になります。

3.業務に必要な旅費、ガソリン代、公共交通機関

事業主の通勤費や、電車・バス・タクシーなど公共交通機関の運賃、有料道路の通行料、駐車料金、宿泊代、従業員への出張手当は経費になります。

ただし、事業主が出張した場合は、実費を除く部分の出張手当が経費になりません。

4.インターネット関連費用、切手代、携帯電話料金

事業で必要なインターネットの利用料や切手代・はがき代・商品発送以外の郵便料金、また宅配便やバイク便等の配送料、私書箱使用料は経費になります。

ただし、家庭用の電話料金、郵便料金、宅配便配送料は経費になりません。

5.取引先との接待費

取引先を相手とする飲食費や中元・歳暮、慶弔見舞金、ゴルフコンペ等への参加費、パーティーの開催費は経費になります。事業と無関係の飲食費や贈答品、慶弔見舞金、また個人的に参加したゴルフコンペの参加費は経費になりません。

6.事業に関わる保険料(自動車保険、自賠責保険など)

商品や店舗等を対象とする損害保険料、事業用の自動車保険料は経費になります。

ただ、事業主自身の生命保険料は経費として認められません。また、損害保険料・自動車保険料のうち、事業で使用していない部分は経費になりません。

7.器具備品の修理費用など

店舗・乗用車・機械設備・器具備品等の修理代は経費になります。また、オフィスの賃貸借契約の終了に伴いふすまや壁紙などを修復する原状回復費用も、経費に算入できます。

8.文房具やPCソフトウェア、プリンター関連など

文房具等の事務用品、パソコン用備品、机・イス・棚等のオフィス家具、等の少額備品は消耗品費として経費になります。

9.家賃、事業用車両の月極駐車場代

事務所・店舗・倉庫を借りたときの家賃や管理費・共益費、および事業用の駐車場代、事業用に土地を借りた場合の地代は、経費と認められます。また、不動産の礼金と更新料は、それぞれ20万円未満まで経費となります。

ただし、不動産の敷金や、生計を一にする親族に支払った家賃、持家の場合に自分自身へ支払った家賃は経費になりません。

10.銀行の振込手数料など

金融機関からの借入利息、住宅ローンの金利、受取手形の割引手数料は経費になります。なお、金融機関からの借入金の元金や、住宅ローンの元本は経費になりません。

11.事業用に使う自動車に関わる費用

事業用の自動車保険料は、経費に含めることができます。
ただし、自動車保険料のうち、事業で使用していない部分は経費になりません。

12.事業に関連する書籍や新聞の購読費用

書籍の購入や新聞の購読に使った費用は、事業に関連すると説明することができれば経費に算入することができます。

「白色」と「青色」経費に関してどこが違うのか?

所得税の計算・申告の方式は、

  • 青色申告承認申請書の税務署への提出と複式簿記での記帳が条件となる「青色申告」
  • それ以外の人に適用される「白色申告」

の2種類があります。

売上や経費に関して、

を決算書として作成し、毎年3月15日までに税務署へ提出する必要があります。

損益計算書では、製造原価や貸倒引当金繰入額の計算を行うなど、収支内訳書に比べて記入する項目が多くなるほか、収支内訳書と異なり月ごとの売上の明細を報告しなければなりません。

一方、青色申告の場合は、経費に関して次のようなメリットが発生します。

生計を一にする家族を従業員として雇用した場合、全額を経費に算入できます。

(白色申告の場合は、配偶者は86万円、その他の親族は一人につき50万円に限り算入できます)

30万円未満の減価償却資産を取得した場合、取得した事業年度において全額を経費に算入できます。

(白色申告の場合は、10万円未満の減価償却資産に関し算入できます)

「必要経費」を証明するために必要なもの

青色申告では、必要経費を証明するため、受け取った領収書やレシートなどを7年間保存する義務が発生します。

また、白色申告では従来、事業所得・不動産所得・山林所得の合計が300万円を超える事業主に限り上記の義務が発生していましたが、2014年1月1日からは、事業所得等のあるすべての事業主に義務付けられることになりました。

領収書・レシートの代わりとして、クレジットカードの利用明細書や、ネットショッピングの購入履歴を印刷した紙を使うことができます。

領収書がもらえない場合は、使った金額・日付・使用先を出金伝票としてメモすれば、領収書・レシートの代わりとすることができます。

まとめ

種類が多く取り扱いに悩むことも多い「経費」の計算。白色申告は帳簿に記入する手間がかからない一方、青色申告に特有のメリットも存在します。

経理担当者の有無や事業の内容も考慮に入れつつ、二つの方式を比較検討してみる必要があるといえます。

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