青色申告で消費税課税業者がおさらいしておくべき6つのポイント

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「税制面で有利だから」との理由で青色申告の手続きをされている、また手続きを検討されている個人事業主の皆さん。納税に関して今、最大の関心事は、「消費税の8%への引き上げ」なのではないでしょうか。

本記事では、「どのような事業者が、いつからいつまで消費税の課税対象になるのか」を改めて確認し、その上で税額計算や税務署への届け出の方法を詳しく解説していきます。

1. 課税業者の条件

消費税は、その事業者の年間(個人の場合は1月1日~12月31日、法人の場合は事業年度)の売上金額によって、納税義務が発生するか、免除されるかが変わります。
具体的には、前々年分の課税売上が1000万円を超えていれば納税義務が免除されず、その年の課税事業者となります。

また、2011年6月に施行された「消費税の事業者免税点制度の見直し」により、2013年1月1日、またはそれ以降に始まる法人の事業年度から、年前半の売上が1000万円を超えた場合、その翌年から納税義務が発生することになりました。

なお、課税を免除された事業者である相続人が、相続によって被相続人の事業を承継した場合、相続人の納税義務は次の通りとなります。

相続があった年

・相続があった年(法人の場合は事業年度、以下同じ)における被相続人の売上高が1,000万円を超える場合は、相続があった日の翌日からその年の12月31日までの間の納税義務は免除されません。

・相続があった年の被相続人の売上高が1,000万円以下である場合は、相続があった年の納税義務が免除されます。ただし、相続人が課税事業者を選択しているときは、納税義務は免除されません。

相続があった年の翌年または翌々年

・相続があった年の翌年または翌々年における被相続人の課税売上高と相続人の課税売上高との合計額が1,000万円を超える場合は、相続があった年の翌年又は翌々年の納税義務は免除されません。

・相続があった年の翌年又は翌々年における被相続人の課税売上高と相続人の課税売上高との合計額が1,000万円以下である場合は、相続があった年の翌年又は翌々年の上記の納税義務が免除されます。ただし、相続人が課税事業者を選択しているときは、納税義務は免除されません。

2.「課税事業者届出書」を税務署に提出しよう

課税事業者となった場合、速やかに税務署へ課税事業者届出書を提出する必要があります。
(基準期間における課税売上高が1,000万円を超えたことにより課税事業者となる場合の手続き)
届出書は国税庁ホームページからダウンロードできます。

3. 消費税の計算方法

年間、または事業年度の間において消費税の納税額を計算する方法には、「一般課税」と「簡易課税」の2種類があります。
簡易課税の適用を受けられるのは、課税売上高が5,000万円以下の事業者に限られます。この場合、適用を受けようとする年または事業年度の初日の前日までに、「消費税簡易課税制度選択届出書」を税務署に提出する必要があります。
届出書は国税庁のホームページからダウンロードできます。

ただし、調整対象固定資産(建物、構築物、機械及び装置、船舶、航空機、車両及び運搬具、工具、器具及び備品、鉱業権その他の資産)の仕入れを行った日の属する年または事業年度の初日から3年間は、この届出書を提出できません。

2つの方法を適用した場合の納税額の計算式は、それぞれ以下の通りとなります。

一般課税

消費税の納付税額=(課税売上高×消費税率)-(課税仕入高×消費税率)

簡易課税

消費税の納付税額=(課税売上高×消費税率)-(課税売上高×消費税率×みなし仕入率)

※みなし仕入率とは、「仕入時に支払った消費税は、仕入額のうちこれくらいだろう」という割合を業種別に推定したもので、以下の5つの区分が存在しています。
複数の事業を営んでいる事業主の場合は、事業区分ごとに税額を計算することが必要になります。

  • 第一種事業(卸売業):90%
  • 第二種事業(小売業):80%
  • 第三種事業(製造業など):70%
  • 第四種事業(その他の事業。飲食業、金融業など):60%
  • 第五種事業(サービス業等):50%

4. キモとなる帳簿

消費税課税の際、上記の(課税仕入高×消費税率)の部分を納付税額から差し引くことを「課税仕入控除」といいます。

課税仕入控除の適用を受けるには、取引を記録した帳簿、および取引の事実を証明する書類(請求書、納品書、領収書など)の両方を保存する必要があります。

保存期間は、帳簿を閉じる日が属する年または事業年度の末日の翌日から2ヵ月を経過した日を起点とし、7年間と定められています。

簡易課税の場合、複数の事業区分に分かれている事業をしていれば、事業区分ごとの課税売上高を帳簿に記載することが必要になります。詳細は、税務署備え付けの「消費税の届け出と申告の準備はお済みですか?」をご参照ください。

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5. 価格の表示について

消費税の課税事業者は、値札やチラシなどで消費者に価格を表示する際、税込の価格を表示することが義務付けられています。これを「総額表示」といいます。
総額表示は、最終消費者に対して価格表示を行う場合にのみ義務付けられ、事業者間での取引は総額表示の対象になりません。

なお、消費税率改正に際し、値札の貼り替え等による事業者の事務負担を軽減する観点から、2013年10月1日から2017年3月31日までの3年半、総額表示義務の適用を停止する特例が設けられています。

この要件として、消費者が実際の税込み価格であると誤認することを防ぐため、

  • 個々の値札などにおいて税抜き価格であることを明示する
  • 店内における掲示などで税抜き価格であることを一括して明示する

などの誤認防止措置を講じることが必要と定められています。

6. 平成25年分の消費税等の申告と納税はいつか?

消費税の申告および納税は、

  • 個人事業者の場合は翌年3月31日まで
  • 法人の場合は事業年度終了日の翌日から2ヵ月以内(土日祝日の場合は、その翌日)

までに行う必要があります。
上記の期限を過ぎて申告したり、申告しないために税務署の側から所得金額の決定を受けたりすると、納めるべき税額の15%または20%の無申告加算税がかかります。

なお税務調査を受ける前に自主的に期限後申告した場合には、この無申告加算税が5%に軽減されます。
申告と納税は必ず期限までに行いましょう。

申告期限に間に合うかどうか心配な方へ

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