3年以内の開業者が青色申告をして赤字リスクを回避する方法

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個人事業を始めて1~2年程度は、固定資産購入や広告宣伝などに多くの予算を投資する必要があり、将来的に収益が見込める事業であっても赤字になるケースが多いものです。
そんな時、いくつかの書類を提出し、帳簿への記入の方式を変えるだけで、課される所得税の負担を減らすことができる方法があります。それが「青色申告」です。

今回は仮に赤字になった場合、青色申告にするとどのようなメリットがあるのでしょうか?
その仕組みをわかりやすく解説します。

1.青色申告とは?

青色申告とは、税務署の承認を受け、所定の方式により毎日の取引を正確に帳簿へ記録し、それに基づいて所得を申告する制度です。
青色申告を行うには、以下の2点が必要となります。

1-1.申請書の提出

開業後2ヵ月以内(1月1日~1月15日に開業した場合は、その年の3月15日まで)に、「所得税の青色申告承認申請書」を税務署へ提出する必要があります。

1-2.複式簿記での記帳

通帳への入出金等の記載を複式簿記で行い、決算書として3月15日までに提出する必要があります。
その帳簿や受け取った請求書・領収書などを5年間または7年間保存する義務が発生します。

2.開業1~2年が赤字というケースは多い

日本政策金融公庫の「2012年新規開業実態調査」では、開業後から黒字基調になるまでの期間は平均で7.2ヵ月という結果が出ました。また、開業後3ヵ月以内で黒字基調に転換した事業者の割合は31.2%にとどまる一方、12ヵ月以内には87.3%の事業者が黒字基調となっています。
つまり、開業後数ヶ月間は赤字を経験するものの、その後十数ヵ月かけて投資を回収し黒字となる企業が多いことがわかります。

このような場合、青色申告にすることで、所得税額を少なくすることができるというメリットがあります。その理由と具体的にどのような手続きが必要なのかを解説してゆきます。

3.3年間に儲けが出た年があっても、赤字分を差し引ける

3-1.「損失申告」で赤字を翌年に繰り越し

青色申告では、毎年2~3月に行う確定申告で、前年に出た赤字を本年以降に繰り越すと申告することができます。これを「損失申告」といいます。
損失申告をすれば、開業後3年以内に黒字転換した場合、黒字になった年の税額計算のベースになる課税所得から、それ以前の赤字額を差し引くことができます。

例えば、2011年に開業し、
・2011年 500万円の赤字
・2012年 300万円の赤字
・2013年 100万円の赤字
・2014年 1000万円の黒字
となった場合、2014年の課税所得は
1000-(500+300+100)=100万円となります。

 また、前年度も青色申告をしている場合で、本年度に赤字が出た場合は、
(前年の課税所得金額-本年度の赤字額)を還付してもらうことも可能です。

3-2.損失申告の必要書類を入手するには

損失を翌年に繰り越す場合、確定申告の際には「申告書第四表(損失申告用)」という専用の書類に記入します。

申告書第四表は、税務署の窓口で申請すれば入手することができます。
また、国税庁ホームページからもダウンロードできます。

申告書第四表(損失申告用)

申告書第四表(損失申告用)の書き方

3-3.郵送でも提出可能

損失申告の書類は、確定申告のその他の書類とは別に郵送で提出することも可能です。赤字を出した際、税務署の職員に顔を見られたくない、という場合におすすめです。
提出期限は、確定申告の終了日に税務署必着となります。80円切手を貼った自分あての封筒を同封しておけば、後日、税務署から書類の控えが送付されます。

まとめ

開業当初は、赤字を出してしまわないかという不安を抱えながらの出発となりますが、そのようなリスクを少しでも軽減するという観点からも、税務申告の方法について改めて検討しておく必要があります。
また、年度が終わり、赤字が確定すると何かと落胆することもあるかと思います。赤字を次年度に繰り越す損失申告をすることで、損失分を翌年に必ず取り返そうという事業への意欲を取り戻すきっかけにもなります。
こうした側面からも、いま一度「青色申告」のメリットをご理解いただければ幸いです

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