売上の計上基準を知って節税につなげる!得する2つのケース

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商品やサービスを売ることで得られる売上は、原則として、その額が大きいほど法人税の納税額が膨らみます。しかし、売上の「計上基準」に気を配ることで、売上の計上タイミングが適切になり、節税につながることがあります。

この特集では、売上の「計上時期」をもとにした5種類の計上基準について解説するとともに、会社の取引事情にマッチする計上基準にすることで、当期の売上計上が適正になるケースを紹介していきます。

主な「売上の計上基準」となる5種類とは?

売上を計上する時期とは「お金をもらったとき」と考えがちですが、基本的に、税務署は入金時に売上計上することを認めていません。
この、いつの時点で売上を認識するかということを「売上の計上基準」といいます。
計上基準は一つだけではなく、合理的で自分の会社の取引事情に合った基準を採用することができるのです。
主な基準は次の通りです。

1.出荷基準

自社が商品を出荷した時点で売上を計上する基準です。
商品を倉庫から出したとき、トラックに積み込んだとき、得意先の指定した場所に搬入したときなどで計上します。
これを「出荷基準」と呼びます。
物販業など、商品を売買する業種で多く使われています。

2.検収基準

取引先が納品した商品の品質・規格・数量などを検収し、その確認通知を受け取った時点で売上を計上する基準です。
これを「検収基準」と呼びます。
主に製造業等の業種で多く採用されています。

3.使用収益開始基準

商品等を販売した際、販売先においてその商品の使用が可能となった時点で売上を計上する基準です。
これを「使用収益開始基準」と呼びます。
主に土地・建物等の不動産販売の場合に使われます。

4.検針日基準

電気・ガス・水道等の販売の際に採用されます。
取引先において電気・ガス・水道等のメーターを検針し、販売を確認した時点で売上を計上する基準です。
これを「検針日基準」と呼びます。

5.工事進行基準

工事の期間中において、目的物が完成に近づくにつれて徐々に収益が発生するとみなし、工事の進み具合に応じて売上と原価を計上し、各会計期間に分配する基準です。
これを「工事進行基準」と呼びます。
主に建設業で使われます。

売上計上基準を使って節税できる2つのケース

これらの計上基準を検討することで、節税につながる具体的な事例を2つ紹介します。

(1)売上を翌期に繰り延べたい場合

1.の「出荷基準」を採用すれば当期の売上になり、3.の「使用収益開始基準」を採用すれば翌期の売上となるような場合は、「使用収益開始基準」を採用することによって、売上を翌期に繰り延べることができます。
当期の資金繰りに困っており、納税を翌期に先延ばししたい場合に検討できます。

(2)商品が得意先の検収を受ける業種で、返品がある程度発生する場合

1.の「出荷基準」を採用しているなら、2.の「検収基準」に変更することで節税につながります。
出荷基準の場合、決算前に商品を販売して、決算後に返品を受けるケースがあります。その場合、決算では売上をいったん計上しなければいけません。そのため、お金を受け取っていないにもかかわらず、その分の売上高が計上されます。
検収基準を選べば、得意先の検収確認の受領に時間がかかるため、出荷基準を採用するよりも売上の計上を先送りできます。
また、機械などの試運転を必要とする場合には、試運転の後に売上として認識することもできます。

売上計上基準は一度決めると変更が難しい

なお税法上、売上の計上基準は原則として一度採用した基準を継続適用しなければなりません。
計上基準を変更するにあたっては、変更に妥当性があり、租税回避(税金逃れ)でないことを説明できる理由が必要となります。
どの計上基準を適用するか、いま一度慎重に検討してみてはいかがでしょう。

まとめ

売上を計上する時期は、いつの時点で売上を認識するかで判断します。
まず会社のビジネスの状況に合わせて基準を決めましょう。

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