社長が知らないと損する決算対策!忘れがちな経費計上4つのポイント

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会社が支払う税金の額がおおむね分かるのは、やはり業績が確定する「決算」の時期です。
仕入や外注費などの未払金(買掛金)は金額も大きいので、どの会社も当然経費に計上していることでしょう。

しかし、それ以外の小さな費目についても「ちりも積もれば…」で、処理の仕方によっては納税額が変わってくるものがあります。それでは、詳しく解説していきます。

1.未払費用の計上

「未払費用」は、会計上は「未払金」と区別されていますが、税務上は特に区別されていません。経費として認められるためには「債務が確定していること」が条件となります。

債務が確定しているかどうかは、次の3つの要件に照らして判断します。

(1)期末までに支払義務が確定していること
(2)実際に期末までに発生している費用であること
(3)金額を合理的に算定できること

上記3つの要件をすべて満たしていれば、経費に計上することができます。

例えば、従業員の給与や運賃、広告宣伝費などの諸費用で未払のものがこれに当たります。また、社会保険料のうち会社負担分を計上することも可能です。
多くの会社では、社会保険料は支払ったときに費用として計上する処理がなされていますが、決算期末では翌期支払分のうち会社負担分を未払費用に計上しましょう。

2.前払費用の計上

未払費用だけでなく、前払費用も、下のような要件を満たせば経費に計上することができます。

具体的には、

(1)一定の契約に基づき、継続して役務の提供を受けるために支出した費用であること
(2)費用を支払った日から1年以内に提供を受ける役務であること
(3)毎期継続して「支払ったときに経費処理」すること

という基準です。

例えば、保険料、リース料、地代家賃、各種会費などが該当します。

本来、会社の費用は「その発生した期間に計上すること」が原則となっており、前払費用を計上することはできません。しかし、上記の基準を満たす費用については、例外として支払時に全額を経費計上できます。

3.不良債権の貸倒処理

期末時点で回収不可能な売掛金や貸付金などのうち、経費に計上できるものを「貸倒損失」と呼びます。
貸倒損失として認められるケースは次の通りです。

(1)会社更生法・民事再生法などの法律により、債権が消滅して回収不可能になった場合
(2)債務者の資産状況や支払能力などから、債権の全額が回収不可能と認められる場合
(3)売掛債権について、取引停止から1年以上経過するなど一定の事実が生じた場合

では、(1)~(3)の条件に当てはまらないものを貸倒処理するにはどうすればよいでしょうか。
この場合には、内容証明郵便を送付するなどしてその債権を放棄してしまえば、貸倒損失として経費計上することができます。
思い切って債権を放棄することにより、「どうせ回収できない債権なので、税金の減額分で債権の一部を回収する」という発想の転換です。
具体的には、「会社が倒産したわけではないけれど、いくら催促してもなかなか入金してもらえないような売掛金」といった、現実的に回収が不可能と見込まれるケースに適用してみてはいかがでしょうか。

4.決算賞与

期末に利益が出ていても、資金繰りなどの関係で決算日までに決算賞与の支給ができない場合、次の3つの要件をすべて満たせば経費計上が認められます。

(1)すべての使用人に対し、賞与の支給額を各人別に通知していること
(2)通知した金額を翌期の期首から1ヵ月以内に支給していること
(3)金額を通知した事業年度において経費計上していること

ここで注意すべきなのは、必ず各自に通知した金額を支給することです。
通知した金額を支給した金額が違っていた場合、その差額だけでなく、未払賞与の全額が経費と認められなくなってしまいます。

また、決算賞与は、税務上の効果だけでなく従業員の勤労意欲を向上させるというメリットもあるので、その点も考慮に入れて実施しましょう。

まとめ

決算時において、費用が経費計上できるかどうかの判断では、取引が行われた時点の状況を詳細に把握することが重要となります。今期の費用と税金について考えるだけでなく、翌年度の帳簿付けのあり方についても、いま一度ご検討なさってはいかがでしょうか。

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