借金して創業した企業の業績が伸びる理由とは?

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これから起業しようとしている方に質問します。

自力で100万円貯めて、起業したA社。
金融機関から1,000万円借入して、起業したB社。

この2つの会社が同じ業種であった場合、どちらが先に成長するでしょうか。

なぜ借金があると成長できるのか?

たとえば小売業で利益率が20%の場合、それぞれの利益は次のようになります。

A社は100万円分の商品を販売して、20万円の利益を得る。
B社は1,000万円分の商品を販売して、200万円の利益を得る。
※A社とB社は資金のすべてを仕入に使えるわけではありませんが、ここでは分かりやすくするため、
資金=現金仕入とします。

A社が扱える商品の量・種類は、B社よりも限られています。
利益も少ないため、真面目にコツコツがんばっても事業規模を拡大できるのは数年後でしょう。
一方B社は最初から大量の商品を仕入れることができ、利益はA社の10倍です。
その中から返済をしていかなければなりませんが、無理のない返済計画を立てていれば、経営を圧迫することなく順調に利益を増やしていけるので、早期に事業拡大を図ることができるでしょう。

つまり、
「金融機関から1,000万円借入して起業したB社の方が、無借金で起業したA社よりも、先に成長する」
これが答えです。

「利息」は「保険料」

「起業して成功したいけれど、銀行からお金を借りるのはやっぱり嫌だ」
そう考える人の多くは、おそらく「借りた金額分だけじゃなくて、利息を払わなければいけないから、損になる」と感じているのでしょう。
しかし資金がなければ、必ず、利息分以上の損をすることになります。
なぜなら、まだ誰も見つけていないニーズを発見したとしても、資金がなければそのニーズに十分応えられる商品開発やサービスが実現できないからです。
そしてよほどニッチな業種でなければ、そのニーズはいずれ同業他社が見つけて先に事業を開始してしまい、自分が狙っていた顧客層はすべてライバルに取られてしまいます。

資金を調達する方法は金融機関からの借入ばかりではありません。
主に、次のような方法が考えられるでしょう。

  1. 自分で貯める
  2. 家族や友人から借りる
  3. 株式を発行する
  4. 助成金・補助金を受ける
  5. 金融機関から融資を受ける
  6. クラウドファンディングなど投資を受ける

この中でのおすすめは、「4.助成金・補助金を受ける」「5.金融機関から融資を受ける」です。
1,2,3,6をおすすめしない理由は以下に記載します。

1.自分で貯める

自力で貯めたお金は返済義務がなく、自分の意思で自由に使えるため、最も「安心」な資金になるでしょう。
しかし生活しながら貯金をすると、通常、目標金額が貯まるまでに年単位で時間がかかります。
それがたとえ2,3年であっても、社会はその間に変化してしまいます。
あなたが「これはビジネスチャンスだ」と感じたことを、2年後の社会は求めていないかもしれません。
社会的ニーズがなければ、会社を作っても成功しないでしょう。

2.家族や友人から借りる

家族や友人に頭を下げてお金を借りるという方法もあります。
自分で稼いで貯めるよりは短期間でお金が集まり、返済期限に融通が利くため、金融機関から借りるよりもストレ
スは少ないでしょう。
しかし事業が成功してお金を返すまでには、わずかなキッカケで人間関係が悪化したり、大きなトラブルにつながる危険があります。
さらに個人が出せるお金には限界があるため、目標金額が集まるという保証はありません。
そうなれば結局、金融機関から借りるか、自分で稼いで穴埋めすることになります。
また、親などから借りたお金が「贈与」とみなされないための対策も必要なため、容易な方法とは言えません。

3.株式を発行する

会社設立後に雇用する従業員が決まっていれば、従業員持株会を設立することができます。
経営に参画できることで従業員のモチベーションが上がるというメリットはありますが、規約が必須で運営が難しく、株を持っている従業員が退職したときは、その株式を現金で買い取らなければなりません。
ベンチャーキャピタルに自社株を買ってもらうという方法もありますが、株式公開が狙えるほどの優れた技術やサービスを持っていることが前提であり、ハードルはかなり高いと言えます。

6.クラウドファンディングなど投資を受ける

クラウドファンディングは最近広まってきている、Web上で資金を募る方法です。
志に共鳴してくれる人からお金を集められるというメリットはありますが、ある程度の金額にするためにはそれなりにインターネットやSNS に精通している必要があり、またネット上のことなので知らない人との間にトラブルが発生したりといったこともよくあります。
有効活用している人は出てきていますが、誰もが気軽にできるものとは言い難いのが現状です。

 

以上の理由から、お勧めします。

もちろん、助成金や補助金を受けることも、金融機関から融資を受けることも、決して簡単ではありません。
中小企業の資金調達環境は、この数年で大きく変化しました。
バブル好景気の時代は、不動産等の担保があれば、銀行は積極的に融資をしてくれました。
しかし不動産の担保価値はバブル崩壊とともに下がってしまい、2002年に「金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)」が公表されたことで、中小企業への融資は担保の有無ではなく信用、つまり決算書による格付けがメインになりました。
このため判断のもとになる決算書がない創業前または創業間もない企業が金融機関から融資を受けることは、非常に困難であると言われています。

しかし、創業時に特化した制度融資というものがあります。
これをうまく活用すれば、実績として銀行に評価されるため、その後の融資が受けやすくなります。
会社が潰れる原因が借金によるものだと誤解している方がいますが、借金ではなく、必要な資金が不足することが原因なのです。
会社にとって必要な資金を、いついかなるときでも調達できるようにしておくこと。
それが社長にとって、最も重要な仕事なのです。

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