個人事業主が所得控除のために忘れず申告しておくべき14のポイント

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個人事業主の場合、2月中旬から3月中旬にかけて確定申告を行って所得を確定させ、所得税を納めなければなりませんが、納める所得税は出来るだけ安くしたいものです。そこで、課税所得(税金の計算の基となる所得)を抑える為に活用したいのが所得控除です。所得控除と言うと、複雑で面倒だと思う方も多いと思います。

ここでは、所得控除の各項目についてご説明しますので、この機会に所得控除について見直して見てはいかがでしょうか。 

所得税額とは

実際の所得税額の計算は、下記の計算式になります。

収入ー必要経費 = 所得

所得ー所得控除 = 課税所得 

課税所得x税率 = 所得税額

所得税額ー税額控除 = 納税額

所得税額を抑える為には、課税所得を抑えなければならず、その為には「必要経費」と「所得控除」を大きくする必要が有ります。ここでは、「所得控除」の項目について説明していきますので、ぜひ確定申告の時に忘れずに申告してください。

基礎控除

全ての納税者が所得から差し引く事が出来るものです。

金額は、38万円固定です。

ご参考URL:基礎控除

雑損控除

※雑損控除は他の所得控除に先だって控除することとなっています。

災害又は盗難、横領によって、資産(住宅、家財等)に損害を受けた場合等に、一定の金額を所得から差し引くこと(所得控除)が出来るものです。

【対象者】

  • 納税者
  • 納税者と生計を一にする配偶者(妻や夫)やその他の親族

【対象資産】

その年の総所得金額等が38万円以下の人が所有する生活に通常必要な住宅、家具、衣類等。(事業用の資産や別荘、書画、骨とう、貴金属等で1個又は1組の価額が30万円を超えるものなどは該当しません。)

【控除額】

金額は、下記のうち多い方の金額です。

  1. (差引損失額)-(総所得金額等)×10%
  2. (差引損失額のうち災害関連支出の金額)-5万円

注意:損失額が大きく、その年の所得金額から控除しきれない場合は、翌年以降3年に渡り繰り越して所得金額から控除することが可能です。 

差引損失額 = 損害金額+詐害関連支出の金額ー保険金等の補填金額

ご参考URL:雑損控除

医療費控除

納税者本人又は生計を一にする配偶者やその他の親族のために医療費を支払った場合に、 一定の金額を所得から差し引く事が出来るものです。

下記の式で計算されます。

「実際に支払った医療費」 -「 保険金などで補填される金額(注1)」 -(10万円(注2)) = 「医療費控除の対象となる金額」(最高で200万円です。)

注1:例として、生命保険契約などの入院費給付金、健康保険の高額療養費・家族療養費・出産育児一時金などです。注意事項として、保険金などで補てんされる金額は、給付の目的となった医療費の金額を限度として差し引きます。引ききれない金額が生じた場合であっても、他の医療費からは差し引きません。 

注2:その年の総所得金額等が200万円未満の人は、総所得金額等の5%の金額になります。 

また、医療に関わる費用も医療費に含まれます。

  • 通院の為のタクシー代は、領収書を保管しましょう。電車、バス代は、日時、金額の記録を取っておきましょう。
  • 薬局で買った風邪薬等は、領収書を保管しておきましょう。
  • 治療上必要な差額ベット代は、医師にその旨文書で提出してもらいましょう。

ご参考URL:医療費控除(国税庁)

ご参考URL:医療費控除についてこちらのページで詳しく書かれています。

社会保険料控除

納税者本人又は生計を一にする配偶者やその他の親族の負担すべき社会保険料を支払った場合、又は給与から控除される場合などに所得から差し引く事が出来るものです。控除の金額は、その年に実際に支払った金額又は給与や公的年金から差し引かれた金額の全額です。 

社会保険料控除の対象となる社会保険の例

  • 国民健康保険
  • 国民年金
  • 健康保険
  • 厚生年金

金額は、支払った社会保険料全額です。

ご参考URL:社会保険料控除 

小規模企業共済等掛金控除

納税者が小規模企業共済法に規定する共済契約の掛金、確定拠出年金法に規定する個人型年金の加入者掛金及び心身障害者扶養共済制度の掛金を支払った場合に所得から差し引く事が出来るものです。

金額は、その年に支払った掛け金の全額です。

個人事業主の公的年金には、加入が義務づけられているもの以外に、「国民年金基金」「確定拠出金」がありますので、 検討してみる価値が大きいです。

ご参考URL:小規模企業共済等掛金控除

生命保険料控除

納税者が一定の生命保険料、介護医療保険料及び個人年金保険料を支払った場合には、一定の金額を所得から差し引く事が出来るものです。平成24年1月1日以後に締結した保険料と平成23年12月31日以前に締結した保険料では、生命保険料控除の取扱いが異なります。なお、保険期間が5年未満の生命保険などの中には、控除の対象とならないものもあります。

金額は、最大12万円です。

ご参考URL:生命保険料控除(国税庁)

ご参考URL:生命保険料控除について詳しく書かれています。

地震保険料控除

納税者が特定の損害保険契約等に係る地震等損害部分の保険料や掛金を支払った場合には、 一定の金額を所得から差し引く事が出来るものです。

金額は、地震保険で最大5万円、長期損害保険で1.5万円です。合計金額は最大5万円です。

ご参考URL:地震保険料控除

寄付金控除

納税者が国や地方公共団体、特定公益増進法人などに対し、「特定寄附金」を支出した場合に、 一定の金額を所得から差し引く事が出来るものです。なお、政治活動に関する寄附金、認定NPO法人等に対する寄附金及び公益社団法人等に対する寄附金のうち一定ものは、「所得控除」の代わりに、「税額控除」を選択することができ、いずれか有利な方を選択出来ます。

金額は下記の式です。

寄付金控除額(所得控除)

次の1、2のいずれか低い金額ー2千円 = 「寄付金控除額」

  1. その年に支出した寄付金の合計額
  2. その年の総所得金額等の40%の相当額(所得の最大40%が限度です。) 

又は、政党等寄附金特別控除(税額控除)

(その年に支払った政党に対する寄附金の合計額ー2千円)x30% = 政党寄付金特別控除額(100円未満の端数切り捨て)

※「政党に対する寄付金」は、総所得金額等の40%が限度です。

※特別控除額は、所得税額の25%が限度です。 

政党等寄附金の他に、認定NPO法人等及び公益社団法人等に対する寄付金のうち一定のものは、「税額控除」を選択する事が出来ます。詳細は、下記のURLをご参照下さい。

ご参考URL:寄附金控除

ご参考URL:政党等寄附金特別控除制度

ご参考URL:認定NPO法人に寄附をしたとき

ご参考URL:公益社団法人等に寄附をしたとき

寡婦(夫)控除

納税者が所得税法上の寡婦(夫)に当てはまる場合に、一定の金額を所得から差し引く事が出来るものです。簡単に言うと、配偶者と離婚や死別した場合です。

寡婦が控除できる金額は27万円、特定の寡婦に該当する場合には35万円です。寡夫が控除できる金額は27万円です。

ご参考URL:寡婦控除

ご参考URL:寡夫控除

勤労学生控除

納税者が所得税法上の勤労学生の場合に、一定の金額を所得から差し引く事が出来るものです。勤労による給与所得が有り合計所得金額が65万円以下で、勤労に基づく所得以外の所得が10万円以下である場合。例えば、給与所得だけの人の場合は、給与の「収入金額」が130万円以下であれば「給与所得控除」65万円を差し引くと「所得金額」が65万円以下となります。

金額は、27万円です。

ご参考URL:勤労学生控除

障害者控除

納税者自身又は控除対象配偶者や扶養親族が所得税法上の障害者に当てはまる場合に、 一定の金額を所得から差し引く事が出来るものです。金額は、障害者一人について27万円。特別障害者に該当する場合は40万円。同居の特別障害者の場合は75万円です。なお、障害者控除は、扶養控除の適用がない16歳未満の扶養親族がある場合にも適用されます。

ご参考URL:障害者控除

配偶者控除

納税者に所得税法上の控除対象配偶者(夫、妻)がいる場合に、 一定の金額を所得から差し引く事が出来るものです。年間の合計所得金額が38万円以下であること。また、年間収入と合計所得金額は一致しません。例えば、年間パート収入が103万円の場合、給与所得控除が65万円ありますので、103万円ー65万円=38万円になり配偶者控除の対象です。

金額は、

一般の控除対象配偶者は、控除額38万円

老人控除対象配偶者(その年の12月31日で70歳以上)は、48万円

 ご参考URL:配偶者控除

配偶者特別控除

配偶者に38万円を超える「所得」があるため「配偶者控除」が受けられないときでも、配偶者の所得金額に応じて、 一定の金額を所得から差し引く事が出来るものです。なお、配偶者特別控除は夫婦の間で互いに受けることはできません。当然、「配偶者控除」と「配偶者特別控除」を同時に受けることは出来ません。例えば、配偶者の年間パート収入が103万円以上で、141万円未満の場合に対象です。

金額は、最大38万円です。

ご参考URL:配偶者特別控除

扶養控除

納税者に所得税法上の控除対象扶養親族となる人がいる場合に、 一定の金額を所得から差し引く事が出来るものです。控除対象扶養親族とは、扶養親族のうち、その年12月31日現在の年齢が16歳以上の人をいいます。生計を一にしている配偶者以外の親族が、合計所得38万円以下の場合に受けられます。

例えば、田舎の両親に毎月生活費を送金している場合は、生計を一にしている為、年金受給額の関係も有りますが、扶養親族になる可能性があります。

金額は、38~63万円です。

ご参考URL:扶養控除

その他 青色申告特別控除

白色申告から青色申告へ変更するだけで、課税所得から最大10万円の控除が受けられます。さらに、手間が掛かりますが複式簿記での記帳、確定申告時に貸借対照表と損益計算書を税務署に提出すれば、最大65万円の控除が受けられます。また、その事業の専従者(青色事業専従者)を雇うことができ、その給料を経費にすることができます。その分課税所得を低くすることができ節税になります。 

青色申告を自分でやるのは大変、という方へ

ご参考URL:個人事業主が節税するための基礎知識と絶対に抑えておきたいポイント

ご参考URL:専従者給与と専従者控除

まとめ

いかがでしたでしょうか。
個人事業主の所得控除は、以外に多くの種類があると思われたのではないでしょうか。
この機会に所得控除について見直し、自分が該当するものは忘れずしっかり申告して、少しでも税金を安くしましょう。

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