確定拠出年金とは|年金の2階建てのメリットデメリット

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個人事業主の方に向けて老後の年金として1階部分の国民年金の他に、サラリーマンの厚生年金保険の代わりとなる、2階部分の「国民年金基金」についてご紹介しましたが、実はもう一つ2階部分の年金で「確定拠出年金」が有ります。これは今までの国民年金等とは異なり、もらえる年金額が確定していません。今回はそんな「確定拠出年金」についてご紹介いたします。

確定拠出年金とは

簡単に言うと、掛金を運用する商品を自分で選んで、運用がうまく行った場合は年金を多く受け取れ、うまく行かなかった場合は掛金より年金が少なくなってしまう、従来の年金とは異なるリスクのある年金です。

現役時代に自分の掛金を確定して納め、自分の責任で年金資産を運用する商品を選び、資金を運用して掛金とその運用収益との合計額で老後の年金給付額が決定される年金制度です。従来の日本の厚生年金基金や適格退職年金等の企業年金制度等は、前もって老後の受給額(もらえる額)が確定しています。しかしこれは掛金は確定していますが、将来の受給額は未確定であるという年金です。

また、2つのタイプが有り、「企業型」と「個人型」が有ります。会社が企業年金制度の一部として導入するのが企業型で、会社が掛金を負担します。もうひとつは個人型で、自営業者等の国民年金保険料を納めている人、会社員で企業年金のない人が利用できます。今回ご説明するのは「個人型」です。

ご参考URL:個人型確定拠出年金、 加入者・運用指図者の手引き

日本の年金制度

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3つの優遇税制が有り節税になります。

1.掛金は全額所得控除
個人事業主の場合、「掛金全額「が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)の対象とされ、所得税、住民税が軽減されます。
サラリーマンの場合も掛金全額、所得控除の対象となり、一部が年末調整で還付されます。

2.運用益は非課税
一般の金融商品は、利息などに税金(源泉分離課税)がかかりますが、確定拠出年金制度では、運用益は非課税です。税金で差引かれるはずの金額も運用に回せますので複利効果は絶大です。

3.受け取る時も優遇税制あり
年金としても、一時金としても受取ることが可能です。その際どちらも優遇税制が受けられます。
年金として受取る場合:他の公的年金と合算して「公的年金等控除」が受けられます。
一時金として受取る場合:退職金などと合算して「退職所得控除」が受けられます。

メリット

1.運用がうまく行った場合は、年金額が増えます。
2.加入者個人が運用の方法を決めることができます。
3.一定の要件を満たせば、離転職に際して年金資産の持ち運びが可能。
4.拠出限度額の範囲で掛金が税控除される。
5.老齢給付金は原則60歳から年金または一時金で受取ることができます。
6.障害給付金の場合は本人が年金または一時金で、死亡一時金の場合は遺族が一時金で受取れます。
7.年金資産が加入者ごとに管理されるので、各加入者が常に残高を把握できます。
8.企業にとっては、掛金の追加負担が生じないので、将来の掛金負担の予測が容易。

デメリット

最大のデメリットは、何と言っても運用にうまく行かないと、年金額が掛金より少なくなることでしょうか。
1.運用が不調であれば年金額が減ります。
2.老後に受け取る年金額が事前に確定しない。
3.投資リスクを各加入者が負うことになります。
4.事務費などの手数料は加入者負担です。初回の掛金から2,700円、毎月の掛金から100円、その他に、運営管理機関、事務委託先金融機関の手数料があります。
5.運用するために一定の知識が必要。
6.原則60歳までに途中引き出しができない。(退職金の代わりにはならない)
7.勤続期間が3年未満の場合には、資産の持ち運びができない可能性がある。

加入条件と掛金

自営業の方と企業年金の無いサラリーマンを対象とします。

1.自営業の方
「国民年金」に加入していて、「専業主婦(国民年金の第3号被保険者)」、「国民年金保険料が免除されている(障害年金受給者を除く)」「農業者年金基金に加入」に該当しない場合。

・「国民年金基金」に加入している場合は、「確定拠出年金」との掛金の合計で限度額が決まり、月額68,000円までです。

・「国民年金基金」に加入していない場合で、「国民年金の付加保険(400円)」を払っている場合、掛金の限度額は月額67000円。「国民年金の付加保険(400円)」を払っていない場合、68000円までです。

2.サラリーマンの方:
「厚生年金」に加入しており、「企業型確定拠出年金」、「厚生年金基金」、「確定給付企業年金」、「石炭鉱業年金基金」に加入していない場合。掛金の月額限度額は、23000円までです。

3.公務員の方
 加入出来ません。

ご参考URL:個人型確定拠出年金 加入資格及び掛金額(早見表)

月額掛金の設定

掛金額は、最低5,000円から限度額まで1,000円きざみで設定することができます。掛金拠出の中断や再開はいつでもできます。掛金の金額変更は、年1回(4月から翌年3月までの間)行うことができます。

加入手続きについて

申し込み手続きは金融機関を窓口にして行い、金融機関経由で連合会に申し出ます。
加入等に必要な書類は、各受付金融機関にあります。

運営管理機関を選定のうえ、当該機関にお申込みください。
年金資産の運用は、それぞれの運営管理機関が提示する運用商品の中から選択します。
具体的な運営管理機関の選定、運用商品の選定にあたっては、あらかじめ十分な説明をうけてよく検討の上、選定をする必要があります。

ご参考URL:個人型確定拠出年金 運営管理機関一覧

企業の従業員が加入する場合は、加入申出書とあわせて、事業所登録の申請と企業年金等の加入者でないことについての事業主の証明書(「事業所登録申請書兼第2号加入者に係る事業主の証明書」として一体となっています)の提出が必要です。

  1. 掛金を納付する方法には、給与天引きにより、事業主の預金口座からと本人名義の口座からのいずれかの口座振替により掛金を納付する方法があります。
  2. 勤務する事業所において既に事業所登録番号を保有している場合は、その登録番号を加入申出書に記載してください。

従業員が加入する場合に事業主が行うことについて

  1. 加入を希望する従業員がいる場合には、事業所登録を行うことが必要です(既に事業所登録番号を保有している場合は不要。)。加入時の企業型年金、企業年金等の加入者でないことについての証明書と同時に申請してください。
  2. 加入時と毎年1回、企業型年金、企業年金等の加入者でないことについての証明書を作成、提出することが必要です。
  3. 事業主の預金口座から口座振替により掛金を納付する場合は、掛金の取りまとめが必要です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は「確定拠出年金」についてご紹介して来ました。これも掛け金が全額経費になり節税にもなります。また従来の年金とは異なり、 自分で年金を運用する商品を選んで、運用が不調であれば掛金より年金額が減るリスクの有るものです。今回ご紹介した、メリット、デメリットを十分に考慮し、あくまで数有る年金のうちの一つとして、ご加入を検討してみてはいかがでしょう。

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