65万円の特別控除を受けるための記帳方法とは?

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65万円の特別控除を受けるための記帳方法とは?
青色申告制度を活用して、65万円の特別控除を受けるためには、「正規の簿記の原則」で記帳をしなければなりません。

正規の簿記の原則とは、資産、負債及び資本に影響を及ぼす一切の取引をきちんと記録できて、最終的に貸借対照表損益計算書を作成することができる記帳方法で記帳することです。
貸借対照表と損益計算書をつくることができる記帳方法は、一般的には「複式簿記」とされています。

複式簿記では、すべての取引を仕訳帳という帳面に記帳して、仕訳し、総勘定元帳に記帳しなければなりません。
しかし、一冊の仕訳帳で会社のすべての取引を仕訳していたら、とても非効率ですし、管理も煩雑になります。

そこで、それぞれの部門ごとに伝票を起票して、最終的にその会社の会計部門がまとめて、総勘定元帳に伝票に書かれた仕訳を記帳する、という制度が許されているのです。
このように、仕訳帳の代わりに伝票を用いるしくみを「伝票会計」といいます。

伝票会計では、1つの取引を1つの紙(伝票)に記入します。
伝票は、主に「入金伝票」「出金伝票」「振替伝票」の「3伝票制度」が用いられています。
現金を受け取ったときには「入金伝票」、現金を支払ったときは「出金伝票」を起票します。
現金以外での取引を行った場合に「振替伝票」を用いて記入します。

掛取引や信用取引が多い会社では、掛けで仕入れた場合は「仕入伝票」と掛けで売った場合は「売上伝票」を使います。
これを「5伝票制度」といいます。

もちろん、会計ソフトを利用すれば、伝票による仕訳そのものが必要なくなるので、手間を省けて記帳することができます。

複式簿記を利用しない記帳方法

一般的な複式簿記を利用せずに、簡易帳簿を活用して記帳する方法もあります。
前述したように、正規の簿記の原則は、貸借対照表と損益計算書が作成できる簿記の仕組みのことですから、現金出納帳や売掛帳、買掛帳、経費帳などの簡易帳簿を利用した記帳方法でも、最終的に貸借対照表と損益計算書を作成することができれば、そうした簿記制度でも認められるのです。

簡易帳簿とは、事業によっても異なりますが、大きく分けて5つの帳簿が必要だとされています。

1.現金出納帳
 これまで紹介しているように、事業用の現金の入出金を取引された順番で記帳する帳簿です。現金売上や現金収入があった場合もこの帳簿に記帳されます。
2.売掛帳
 掛売りや売掛金の回収の管理状況を記帳する帳簿です。商品を家事用に消費した場合や商品を事業用に使用した場合、空箱の売却代などの雑収入もこちらの帳簿に記入していきます。
3.買掛帳
 商品の買掛金の支払いの管理状況を記帳する帳簿です。貸倒引当金や退職給与引当金などもこちらの帳簿に記帳します。
4.経費帳
 仕入以外の事業用の費用、たとえば、水道光熱費や旅費交通費、租税公課などの費用を記帳する帳簿です。
5.固定資産台帳
 事業用の機械などの減価償却資産や繰延資産などについて、記帳する帳簿になります。

ただし、これら5つの簡易帳簿の記帳だけでは、10万円の青色申告特別控除しか受けることができません。
最高65万円の特別控除を受けるためには、これら5つの簡易帳簿に加えて、「債権債務等記入帳」を備え付ける必要があるのです。
なお、「債権債務等記入帳」とは、預金出納帳、受取手形記入帳、支払手形記入帳などがあります。

記帳する場合は、摘要欄に相手方の勘定科目を記入し、現金、売掛金、買掛金、預金、受取手形、支払手形などの期末残高を試算表に直接記入していきます。
各々の帳簿に仕訳帳と総勘定元帳の役割を持たせることで、正規の簿記とし、65万円の特別控除を受けることができます。

このように複式簿記を利用しない方法でも、最高額の特別控除を受けるためには、複数の簡易帳簿を用意して、さらに正確に記帳しなければならないのです。
それぞれの帳簿をきちんと管理しなければなりませんし、記載漏れがあってはいけません。
こうした帳簿の管理も会計ソフトを活用すれば、簡単に行うことができます。

帳簿や関係書類は保存期間がある

帳簿や取引で使用した請求書や受領書、領収書などの関係書類は、一定の期間保存することが義務づけられています。
青色申告の帳簿書類の保存期間は、次のようになります。

現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳、固定資産台帳、仕訳帳、総勘定元帳などの帳簿、貸借対照表、損益計算書、棚卸表などの決算関係書類は7年間の保存期間が義務づけられています。

領収書、小切手控、預金通帳、借用書など現金預金取引などの関係書類に関しては7年間の保存期間が義務づけられています。
ただし、前々年分の所得が300万円以下の場合は5年になります。

その他、請求書、見積書、契約書、納品書、送り状など取引において作成し、または受領した上記以外の書類に関しては5年の保存期間が義務づけられているのです。
事業年度が終わったからといって、勝手に帳簿や取引の関係書類を捨ててしまってはいけません。
気をつけましょう。

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