採用前に知っておきたい雇用契約の基本 その2

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採用前に知っておきたい雇用契約の基本 その2採用面接の際、経営者が従業員に対して伝えておくべき代表的な事項はつぎの通りです。

①人件費の「総額」(月給・年収)
②自社の将来の事業展開と方向性
③採用する従業員にまかせる予定の仕事内容

これらを最低限確認することで、無駄な労使トラブルの種ができるのを避けられ、会社も従業員も幸せになる土台をつくり出すことができます。

知っておくべき 10 の法律とは

人を雇うという行為は、どのような形態であれ、法律問題を横に置いたまますすめることはできません。

あなたが人を雇う前に知っておいたほうがいい法律を10 本挙げます。

①労働基準法
②雇用保険法
③労働者災害補償保険法
④労働安全衛生法
⑤育児・介護休業法
⑥パートタイム労働法
⑦男女雇用機会均等法
⑧最低賃金法   
⑨高年齢者雇用安定法
⑩職業安定法

皆さんもよくご存じの労働基準法は、労使問題についての基礎的かつ重要な法律ですが、そのほかの法律もある程度知っておかないと、ときに無意識のうちに、法律にふれてしまうことがあります。
あなたの会社が「法律に違反する会社」として、社会に認知されてしまいますので、まずはそれぞれの法律の大枠を理解しておきましょう。

①労働基準法
労働基準法は、昭和 22 年に労働三法(労働基準法、労働組合法、労働関係調整法) の1つとして制定され、賃金、労働時間、休日、有給休暇など労働条件の最低基準を定めた法律です。雇われる側が、過剰な労働条件により、経営者に酷使されることがないよう、労働者を守ろうという意図で制定されました。なおこの法律上では、「業務委託」以外を「労働者」とし、労働者の保護義務を負う立場にある人のことを「使用者」と定義しています。

②雇用保険法
雇用保険法は、労働者の生活及び雇用の安定を図るために、失業給付を行ったり、雇用安定事業や能力開発事業を行うことを目的としています。端的に言うと「失業保険」のことについて明記された法律です。社員を雇った場合は、雇用保険の適用事業所となります。

③労働者災害補償保険法
一般に労災保険と呼ばれています。通勤途中や仕事中にケガをしたとき、会社が労働者にどのように対処しなければならないかを示した法律です。ケガや病気、障害、死亡時に、所定の保険給付が行われます。雇用保険同様、社員を雇った場合は、適用事業所となります。

④労働安全衛生法
会社は従業員の健康に気をつけなければいけません。会社は従業員を1人でも雇うと個人事業や中小企業など、会社の規模の大小に関係なく健康診断を受診させなければなりません。義務を怠ると罰金を科せられます。反対に従業員にとっては、会社が実施する健康診断を「受けなければならない義務」が発生します。安全で快適な職場環境下で従業員を労働させなければならない安全配慮義務を果たすための会社施設・機械設備・社内組織などについても定められています。この法律に違反すると、書類送検されるなど会社にとって不利益なことが起こります。

⑤育児・介護休業法
働きながら、育児や介護に携わる従業員に対して、子育て環境の整備・会社への職場復帰・職業生活がスムーズに行えるように定められた法律です。育児や介護が原因でやむを得ず退職した場合の、再就職支援まで含まれます。

⑥パートタイム労働法
正確には「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律」といいます。パートタイム労働者が正社員などに比べ低い扱いを受けないように、福利厚生の改善、新しい技術を身につける機会の設置、労働条件の確立などについて述べられた法律です。社員よりも規制が多く、会社がすべき義務に注意が必要です。

⑦男女雇用機会均等法
採用、給与額や各種手当、昇進、職種の変更などにおいて男女間で差をもうけることを禁じている法律です。妊娠や出産を理由に退職を強要したり、不当な配置換えを行うこともできません。昇進などのキャリアアップの場面において、転勤を条件にすることも、女性への間接差別にあたるとして禁止されています。なお、セクシャルハラスメント防止についての規定もあります。

⑧最低賃金法
その名の通り、労働者の最低限の賃金について定められた法律です。たとえば、経営者と労働者が合意したからといって、時給換算で300円で労働者を働かせることはできません。「都道府県単位の地域」「職種」によって最低賃金の額が決められてい
ます。会社の所在地の最低賃金を調べたうえで、給与額を設定するのは経営者の義務とされています。

⑨高年齢者雇用安定法
正式には「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」と呼ばれています。高齢化社会の到来に伴い、高齢者の雇用機会の増大や安定を目的とした法律です。年齢による採用時の差別などをなくすことが定められています。そのため求人広告に「 45 歳以下 を希望」などという記載はできません。また、従業員が 60 歳を超える際には、継続雇 用か定年の引き上げ、または廃止が必要となることがあります。

⑩職業安定法
職業安定法(職安法)は、労働者の募集・職業紹介・労働者供給の基本的な枠組みについて定めた法律です。従業員の募集方法ならびに職業紹介機関について、労働者が不当な条件で雇われないように定められています。

これらの法律は主に「労働者の保護」を目的としてつくられています。
ですが、経営者が基本的なことを学んでおくだけで、自分が労働者に対して「許されること、許されないこと」の基準がわかり、無駄な労使トラブルを避けることができます。

訴えられるケースが増えている、経営者の責任とは

人を雇うと、経営者にさまざまな責任が発生することは、ご存じでしょう。
「給料を“期日通り”支払う」
「残業を無理強いさせない」
「従業員の健康や安全に配慮する」
など、いろいろありますが、のちのち裁判沙汰などに発展しないよう、事前に経営者が知っておくべき責任についてお伝えします。
大きく分けて4つあります。
3つの損害賠償責任と、1つの使用者責任です。

3つの損害賠償責任
①使用者の安全配慮義務違反による損害賠償責任
②労災民事訴訟による損害賠償責任
③労働者のプライバシー侵害による損害賠償責任
1つの使用者責任
④使用者責任

使用者の安全配慮義務違反による損害賠償責任
これは、従業員の身体が危険な状態にさらされないように、つねに安全に配慮する責任が会社にはある、ということです。
たとえば、車で営業をする従業員が、事故をしてケガをしたとします。
事故をしたこと自体は、従業員の不注意かもしれませんが、もし事故後の検証などで、車に整備不良が見つかり、その整備不良が間接的な原因となり、事故が引き起こされたとなれば、「使用者が安全配慮に欠けていた」として責任を追及される立場に認定されてしまうのです。

労災民事訴訟による損害賠償責任
会社は業務上のケガや病気に対して、一定の配慮を行う義務が発生します。
そこで、会社は労災保険に加入して、まさかの時のそなえとするのですが、たとえば、過重労働により従業員が自殺した場合、経営者が責任を追及される可能性があります。
いま、労災死亡者の 20 人に1人が精神疾患による自殺といわれています。過去には年収 350万円の 30 代男性(妻・子2人)が死亡して、逸失利益と慰謝料合わせて7000万 円が会社に請求された例があります。

労働者のプライバシー侵害による損害賠償責任
経営者は、従業員のプライバシー保護に配慮することを求められています。
なぜなら、会社は従業員を雇う前に、履歴書の提出や、面接などによって、彼らの個人情報を知り得る立場にあるからです。その知り得た情報を元に、労務遂行にかかわりのない私的領域に干渉したり、私生活にかかわる情報をみだりに第三者に話すと損害賠償責任が生じるということです。
たとえば、自社の取引先である家主と、貸借人である自社の従業員の間に、トラブルが生じ、上司が従業員に対して、家主と和解するように勧告したことが、裁判で違法と認定されたことがあります。

使用者責任
従業員が運転中に、仕事と関係のないほかの車とトラブルを起こし、そのドライバー(第三者)を殴ってケガをさせたとします。それを「従業員が個人的に行ったことだ」と会社は逃げることができない、ということです。運転をしているという行為自体が、会社の業務と関係があるとみなされれば、使用者責任を問われます。

 

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