得意分野に精通した 心強い味方の見極め方 ~税理士と社労士~

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得意分野に精通した、 心強い味方の見極め方~税理士と社労士~専門家は、対象となる専門分野があまりにも広いため、すべての業務に精通しているわけではありません。
たとえば税理士は「節税に強い」「不動産分野に強い」「相続税・贈与税に強い」など、一人ひとりに得意分野があります
豊富な経験と知識があるため、得意分野に関しては個々の状況に応じた的確なアドバイスをしてくれるでしょう。

しかし、得意分野以外に関しては、いわゆる「マニュアル的な対応」になりがちです。

税理士にも「得意」「不得意」がある

人によっては「国家試験に合格するほどの知識を持っているはずなのに、どうして得手不得手があるのか?」と疑問に思うでしょう。
その理由は、国家試験制度にあります。
税理士の国家試験は11科目で構成されていますが、じつは必修科目は「簿記論」と「財務諸表論」の2科目だけ。それ以外は選択必修科目、選択科目となっていて、それぞれから1~2科目を選択して国家試験を受けるのです。
つまり税理士を目指す人は、最初からオールマイティーの税理士を目標にしているわけではありません。

「相続税・贈与税専門の税理士になる」
「不動産分野で活躍する税理士になる」
など、あらかじめ専門分野を決めて国家試験の勉強を始めているのです。
そのため税理士に相談をするときは、まず経営者側が「何について相談をしたいのか」「どのような答えが欲しいのか」を明確にしたうえで、その分野を専門とする税理士を探す必要があります。
社労士には「○○に強い社労士」を紹介するネットワークがある

社労士の業務範囲も、非常に広いものです。
主に次の3つに分かれています。

【1号業務】労働、社会保険諸法令に基づく書類の作成、提出代行
【2号業務】労働、社会保険諸法令に基づく帳簿書類の作成
【3号業務】人事や労務に関するコンサルティング

この3種類の業務を一人で担える社労士は、少ないと考えてください。
税理士と同様、「助成金申請に強い」「人材育成や就業規則作成に強い」「年金相談に強い」など、社労士もそれぞれ得意分野を持っています。
そして得意分野以外の依頼が入ってきたときは、所属する社労士会のネットワークを活用して、その分野を得意とする別の社労士を紹介します。
一般的に知られていませんが、自分の事務所に来た「顧客」を、ほかの社労士紹介することは、社労士の世界ではけっしてめずらしくはありません。
そのため資金調達の相談をするときは「○○の助成金を申請したいのですが、得意ですか?」と、率直に尋ねましょう。
「下手なことを言って、機嫌を損ねたら協力してくれなくなってしまう」と不安がる人がいますが、社労士に対して、そのような危惧は不要です。
得意分野でなければ、すぐに最適な人物を紹介してくれますし、社労士にとってそれは「常識」であるため、素直に感謝を伝えれば問題ありません。

 認定支援機関登録は資金調達のプロの証

それでは「資金調達を得意分野とする専門家」とは、どのような人物でしょうか。
ここでお勧めしたいのは「認定支援機関の登録を受けている専門家」です。
認定支援機関とは、中小企業の経営相談等に対応できる税務・金融・企業財務等の専門知識や、実務経験が一定レベル以上の個人・法人・団体等に対し、国が認定する公的な支援機関です。

補助金のなかには認定支援機関が事業計画の実効性を確認することが申請の条件になっているものもあり、資金調達を得意とする専門家であれば、「認定支援機関」の登録を受けているはずです。
認定支援機関の登録を受けるには一定レベルの実務経験が必要ですが、税理士は申請書を書いて提出するだけで登録が完了します。
税理士に資金調達の相談をする場合は、認定支援機関登録を受けているかどうか確認しましょう。
認定支援機関の登録を受けている専門家は、中小企業や小規模事業者が抱える経営課題について正しく理解し、的確な解決策を見出す能力があります。事業計画を策定することで、それまで認識できていなかった課題や解決方法が見えてくるようになります。
さらに「融資の審査に通る事業計画書づくりも得意です。
融資の審査は減点方式で行われます。
このことを知っている専門家であれば、募集要項を熟読し、審査対象となる項目をピックアップして、すべての項目が盛り込まれた事業計画書を作成します。
だからこそ減点数が少なく、合格水準に届くことができるのです。
また、認定支援機関の支援を受けた企業は、事業計画の実行と進捗の報告を行うことを前提に、信用保証協会の保証料が減額(マイナス0.2%)されるというメリットもあります。
そのため、認定支援機関に登録された専門家は、助成金や補助金の申請、銀行融資の申し込みなど、資金調達に関する経験が豊富です。
専門家の資金調達成功率は、経験が多いほど高くなる傾向にあります。
助成金や補助金は各制度によって必要な書類や手続き、要件などが異なりますが、およその段取り、書類作成方法、書類提出のタイミング、役所との交渉などは、申請代行を10件ほど経験すれば、感覚として身につくものです。

銀行融資を成功させるには「効果的な事業計画書と資金繰り表の作成能力」をはじめ、「会社をアピールする力」「融資の必要性を説明する力」「顧客にふさわしい取引銀行の選択」「銀行との良好な付き合い」などとさまざまですが、これらは経験によって培われるものです。

専門知識があること。
資金調達業務の経験が豊富であること。
他業種を含めた豊富な人脈を持っていること。
そして何よりも、経営者の理念を理解し、会社が発展するために力を貸してくれるビジネスパートナーであること

そのような専門家と出会うことができたなら、どのような時代が来ても創立後20年以上生き延びる「1%未満」の会社になれるでしょう。

 

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