新人経営者が知っておきたい減価償却の意味と3つの活用法

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減価償却ってそもそも何だっけ?という起業家の方も多いかと思います。実際に私達が会社設立のサポートをする際に、減価償却の意味を理解している方は非常に少ないです。やはり、起業家の多くは、技術や営業業は出来るけど会計は苦手という方が圧倒的に多いのではないでしょうか。

そこで、今回は特に分かりにくい減価償却について、非常にシンプルに解説したいと思います。

減価償却とは「一度に費用にしないで、数年に分けて費用にしよう」ということ

減価償却とは何なのでしょうか?分かりやすく言えば、減価償却とは買ったときに一度に費用にしないで、毎年少しずつ費用に分けるということです。 

例えば、1億円の収益ビルを買ったとします。

その年の決算で1億円を全部費用に計上したらどうなりますか?その年は大赤字になってしまいます。そして、その次の年はビルの維持費以外何もないので、大きな利益が出てしまいます。これは、常識的に考えておかしいですよねという話です。

そのため、ビルの購入費用を毎年少しづつ費用に計上しようということです。これを減価償却と言います。

しかし、一体何年に分けて費用計上すればよいのでしょうか? 

減価償却の耐用年数は法律で決まっている

ここで、いわゆる減価償却を何年に渡り分割するかという事が問題になってきます。これを耐用年数と言います。実は、税法上では一律に耐用年数が決まってるのです。例えば、一般の自動車の耐用年数は6年と決まっています。自動車は丁寧に使えば10年くらいは持つような気がしますが、6年間で費用分割しなさいというようになっています。

なぜ、このように耐用年数が決まっているのかというと、勝手に耐用年数を決めてしまうことが出来ると、自由に節税が出来てしまうからなのです。利益が大きく出そうな年に、自動車を買って費用計上すれば節税が出来てしまいます。

 この耐用年数ですが、新品と中古では耐用年数が違います。よく中小企業の経営者が4年落ちの中古車を買う理由は、この耐用年数が短くなっているため初年度である程度の費用計上ができ、節税ができるからです。

何となく、減価償却について分かってきましたか?さて、次に問題になってくるのが費用計上されていない部分がどういった処理になるのかということです。

 減価償却できていない部分ってどういう処理がされるの?

減価償却は、1年目は全部ではなく一部が費用計上されるのですが、費用計上されなかった残りはどのような取扱いになるのでしょうか。これは実は、資産(財産)ということになります。決算の際には、金額に評価して財産簿(貸借対照表の左側)に載せなくてはなりません。では、その資産は金額にするといくらになるのでしょうか。これは、単純に費用に計上した分だけ減額した金額、ということになります。つまりビルの資産としての評価額は毎年、減価償却費の分だけ減るのです。

これが減価償却の仕組みです。

次に、減価償却と経営はどのように関連してくるのかを見ていきましょう。

 減価償却の存在によって現実の経営とはどうしてもギャップが生まれてしまう

実は、この減価償却は現実の経営とギャップがあるケースがあります。

まず、一つ目のギャップはキャッシュです。当たり前の話ですが、500万円の自動車を買った場合、キャッシュ(現金)は買った時に出ていきます。そして、1年目の損益計算書の費用には減価償却の額だけが計上されるので、現預金の残高と損益計算書における利益が一致しないという現象が起きるのです。要は、黒字なのに現金が無いという現象が起きたりするのです。

そして、もう一つのギャップが耐用年数です。例えば、パソコンの耐用年数は4年です。しかし、IT業界など、パソコンを駆使する業界では、2、3年で買い替えるという企業もあります。その場合も、4年で償却しなければならないのです。実際の現場で使える期間より税法上の償却期間が長ければ、法人税を余分に支払わなければなりません。この企業の場合は、パソコンを買うたびにキャッシュが出ていくのに、費用計上できる額が少ないため、税金の支払いも増えるということになってしまいます。

こうしてみてみると減価償却は経営にとって非常に“悪いもの“として捉えがちですが、必ずしもそうした側面ばかりではありません。 

減価償却の良い面を積極的に経営に活用する

減価償却を積極的に活用できる場面を知っておく事が経営にとっては非常に重要です。
主に以下のパターンがありますので理解しておきましょう。そうすることで、経営に良い影響を与えることができます。 

  • あえて減価償却を選択することによって黒字の決算

減価償却は複数年に渡って費用計上するものです。そのため、1年単位では費用計上を少なくするという側面があります。どうしても黒字で決算したい場合は減価償却をあえて活用するというケースがあります。しかし、それは実態ではなく、あくまで減価償却の結果ですから、社内外に対してどうしてもそういった形を作りたい時は効果的と言えます。 

  • 中古の設備購入

例えば銀行借入をして中古の設備を購入したとします。新品に比べて安く購入できた設備で上手く事業をまわす事が出来れば、費用が少ないわけですからこれだけで充分に効果的です。
さらに、節税効果や場合によってはキャッシュフローも良くなるなどの効果も出てくる場合があります。

  • 定率法、定額法を上手に選択する

ここでは詳細な説明は省きますが、減価償却には2つの計算方法があります。それが定率法と定額法です。
この定率法と定額法を上手に選択することで、費用計上する額が変わってきます。状況によってこれらを使い分けることで、そうしなかった場合よりも有利な状況を得られます。

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 まとめ

いかがでしたでしょうか?

会計について理解を深めることでより効果的な経営を行うことができます。少しでも会計を理解するきっかけにして頂けたらと思います。また、今回の記事は分かりやすさを重視しているため、実際の判断には税理士や会計士などの専門家に意見を聞く事をお勧めします。

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