減価償却資産を経費化する際に気をつけるべきこととは

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c93252b32e79f7a90d88594a34cdf866_sパソコンを購入すると、1年ですぐに壊れてしまったり、10年間無事に使えたりと、その使用期間はさまざまです。

また、営業車を購入したとしても、その車に3年乗るのか、それとも10年を超えて乗るのかは、買った時点では不明です。

実際に使用した期間をもとに経費算入するというのは、事実上不可能ですから、税法上、資産を使用する平均的な期間が決められています。これを法定耐用年数といいます。

法定耐用年数が経過するまでの期間を通して購入した資産全額が経費算入できるというわけです。

経費化できる期間が決められている資産について

主なものを挙げておきます。

・建物……………50年(鉄筋鉄骨事務所用)
・事務机 ……… 15年(金属製)
・自動車 ……… 6年
・エアコン………6年
・応接セット……5年
・カメラ …………5年
・手提げ金庫…5年
・パソコン …… 4年
・看板 ………… 3年

こうした資産は、税法上、減価償却資産とよばれ経費化の方法を選択できます。

経費化する2つの方法 「定額法」と「定率法」

経費化の方法には、大きくわけて「定額法」「定率法」があります。

定額法とは、10万円のパソコンの場合、4年かけて同じ額ずつを償却していく方法です。

1年目…25,000円
2年目…25,000円
3年目…25,000円
4年目…25,000円
計………100,000円

定率法とは、資産によって決められた率をかけていく方法です。
2年目以降は未償却残高に同じ率をかけ、最終年は残り金額全部になります。

1年目…10万円×0.438=43,800円
2年目…(10万円-43,800円)×0.438=24,616円
3年目…(10万円-43,800円-24,616円)×0.438=13,834円
4年目…10万円-43,800円-24,616円-13,834円=17,750円

定額法は、計算が簡単で費用を均等に配分することができます。
なお、耐用年数が5年以上の場合は、最終年に残り金額をすべて経費にすることはできません。
さらに3年かけて経費にしていきます。

定率法は、初年度に多くの額を経費に算入できることができます。

定額法、定率法、どう使い分ける?

定額法と定率法をご紹介しましたが、起業家に適した償却方法はどちらでしょうか。

残念ながら、一概にどちらと決めることはできません。
それは皆様の経営状態や、経営方針によって異なるからです。

売上が順調に伸びているようであれば、定率法にして早めに計上して利益を抑えたほうが節税につながり、創業時に借りた借金の返済などに資金を回すことができます。
未来に禍根を残さないという意味でも経営の健全性にかないます。

いっぽう、定額法は初期の費用負担を抑えられますから、決算対策に向いています。
創業資金を借りている金融機関があるのなら、毎年決算書を見せなくてはいけませんから、たとえ数字上のことでも、赤字は許されないケースもあるでしょう。
そのような場合は定額法のほうがよいですから、一概にどちらの償却方法がよいとは言い切れないのです。

なお定額法を選択する場合は、「減価償却資産の償却方法の届出書」を一期目の申告までに提出しておかねばなりません。
提出しなければ自動的に定率法が採用されます。

新品と中古品はどう計算するか?

ところで、これまでの話は「新品」が前提でしたが「中古」の場合はどうなるのでしょうか。
その場合はつぎの計算方法を適用されることになります。

1.法定耐用年数を経過しているとき
法定耐用年数×0.2=中古資産の耐用年数

2.法定耐用年数の一部を経過しているとき
法定耐用年数-経過年数×0.8=中古資産の耐用年数

たとえば6年落ちのベンツを300万円(新車なら1,000万円)で購入したとします。

法定耐用年数は6年ですから、法定耐用年数を経過している1の計算式が適用され、6年×0.2=1.2年となり、最短年数が2年であることから、耐用年数2年で計算することになり、初年度から300万円全額が経費算入できます。

国産の300万円のクラウンを新車で買っても、1年目は125万円程度しか経費算入できませんから、やはり中古のベンツは得なのです。

輸入車は国産車に比較して中古車になっても値が落ちにくい車種が多く、もし自社の経営が悪化したとしても、すぐに中古車として売りに出し、現金化することも可能です。

いかがでしょうか。経理や税金の勉強って、意外と「楽しいもの」なのです。

なお、これらの話はこういった違いがあるという程度に理解しておくにとどめて、実際の届け出や計算は、税理士に任せるのが賢明です。

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