会社の経費にかかる税金で中小事業主が知っておくべき11のポイント

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接待や贈答のために支出する交際費や、従業員への給与・賞与や福利厚生費の取り扱いは、会社の費用を使った節税のポイントになります。
以下では、それらの費目を使って、ちょっとした工夫で税金の額を減らすことができる11の方法を紹介します。

「接待費」についてのアドバイス

(1)交際費枠を廃止し、その相当額を給与に加算して支給

接待費や機密費などの交際費は、会社の資本金の額に応じて、支出した金額の一部または全部が経費に計上できません。

例えば、資本金3,000万円の中小企業が資本金を1,000万円支出したとき、800万円までは経費に算入することができますが、残る200万円については算入できません。

交際費をある程度使う業種であれば、営業マンなどに支給する交際費枠を廃止し、その相当額を給与に加算して支給することで、交際費のうち経費に算入できない部分についても経費にすることができます。

【交際費の損金算入限度額】
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(2)打ち合わせ費用を会議費に計上

打ち合わせ費用は、1人につき5,000円までは「会議費」として全額経費に計上することができます。社外の人との打ち合わせについても同様です。

ただし、日付、相手先の会社、氏名、人数、金額を記した書類を作成し、管理する必要があります。

「給与・賞与」についてのアドバイス

(3)締め日以降の給与を未払計上に

雇用契約に基づいて従業員の労働の対価として支払う給与は、会社の締め日が月末でない場合、締め日より後の給与や、社会保険料の会社負担分は、未払計上とすることができます。
例えば、20日締めの会社の場合、21日から末日までの給与や社会保険料を期内のすることができます。

(4)期末日の翌日から1ヵ月以内に決算賞与を支給

会社に利益が出た場合の特別賞与である決算賞与を出す予定があれば、その支給額を期末日までに従業員に知らせて、期末日の翌日から1ヵ月以内に支給すれば、未払計上にすることができます。

(5)役員に従業員としての退職金を支給

従業員から役員に昇格する人がいる場合、従業員としての退職金を支払えば、これを経費として計上することができます。

(6)雇用契約から請負契約への切り替え

従業員の納得を得られるのであれば、雇用契約から請負契約に切り替え、人件費の扱いを「給与」から「外注費」にすることで、大きな節税効果が期待できます。
給与は、消費税の仕入税額控除(課税売上高の一定割合から課税仕入額の一定割合を差し引くこと)の対象になりませんが、外注費については、相手が消費税の免税事業者であるかどうかにかかわらず、仕入税額控除の対象となります。

ただし、消費税率引き上げに伴う経過措置など注意点も多いので、税理士などと相談しながら進めるとよいでしょう。

「福利厚生費」についてのアドバイス

(7)社員旅行を福利厚生費に計上

会社に利益が出ている場合、福利厚生費を使って社員旅行に行くという節税法があります。

  • 1.全社員の半数が参加
  • 2.4泊5日以内である(海外旅行の場合は、海外での滞在日数が4泊5日以内である)
  • 3.1人当たりの旅行費用(会社負担額)が10万円以内である

という3つの条件を満たせば、旅行費用を福利厚生費として経費に計上することができます。

ただ、参加しなかった従業員に費用相当分を現金で渡すと、不参加者だけでなく従業員全員について賞与または給与とみなされ、経費に計上できないため、注意が必要です。

(8)記念品の贈呈や表彰、慶弔見舞金の支給

永年勤続者に対する記念品の贈呈や招待旅行などの表彰、慶弔見舞金の支給も、(6)と同様に福利厚生費とみなされ、経費に計上できます。

その際、社内規定をきちんと作成し、それに基づいて実施することが大切です。

「福利厚生費」についてのアドバイス

(9)債務が確定している経費を未払計上に

営業経費についても、人件費と同様、債務が確定していれば、期末までに支払いが済んでいなくても未払計上にすることができます。

なお、「債務が確定している」とは、次の3つの条件を満たしていることを指します。

  • 1.その費用について法律上支払う契約があり、期末までに支払義務が確定していること
  • 2.期末までに、その債務の具体的な給付原因となる事実が発生していること
  • 3.期末までに合理的に金額の見積もりができること

未払費用に計上できるものを、漏れなく拾い出してみましょう。

(10)前払費用を今期の費用として計上

契約に基づいて継続的に支払っている経費(地代家賃、リース料、保険料など)があれば、翌期に対応する前払費用を今期中に支払うことで、今期の費用として計上できます。

ただし、契約を交わしていることと、来期以降も継続適用することが条件です。

「広告宣伝費」についてのアドバイス

(11)広告宣伝費は不特定多数を対象にしていることがポイント

「広告宣伝費」とは、税法上、会社や商品・サービスを「不特定多数の一般消費者」に知らしめ、宣伝効果を期待する費用を指します。特定できる大口消費者を対象とした販促活動に用いるものは広告宣伝費とみなされず、経費に計上できませんので、注意が必要です。

また、宣伝のためのイベントを行った場合、かかった費用のすべてが広告宣伝費となるわけではありません。イベントのために購入した資産の購入価額が10万円以上で、かつ1年以上使用できるものは、広告宣伝費ではなく資産として計上します。ただし、イベントが終わると同時に壊してしまうものであれば、10万円以上でも広告宣伝費となります。

まとめ

接待や賞与、福利厚生は、社員のモチベーションアップにつながるだけでなく、経費計上の仕方によっては税金の節約にもつながります。
また、営業経費や広告宣伝費は販売促進に欠かせない支出ですが、細かい条件によって財務諸表上のどの項目に当てはまるかが変わってきます。

ただし、(6)でも触れた消費税率引き上げのほか、平成25年度税制改正において経費算入が可能な交際費の限度額が引き上げられるなど、近年、この分野では税制の変更がたびたび行われており、それへの対応が欠かせません。

税理士などにも相談しながら社内の仕組み作りを進め、従業員やお客様との関係を充実したものにしていきましょう。

 

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