青色申告の専従者給与|家族への給与で節税効果を上げる3つの基礎知識

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フリーランスとして出発される方で、よくあるご質問のうちの一つがこの「専従者給与」に関するものです。

「妻にサポートしてもらう際、給与で気をつけなければならないことは?」 「子供に手伝ってもらうと、どれくらい経費に落とせるのでしょうか?」

あなたはこのような疑問を持っていませんか? あなたがこの記事を読んで活用できれば、年間数百万円単位で経費として計上し、節税効果を高めることができます。

それでは、専従者に関する疑問が解消されるよう、一つ一つ解説してゆきます。

1.青色申告の専従者給与とは?

妻や子供に仕事を手伝ってもらって、その報酬に支払った給与を経費として計上することができる制度です。
お手続きの期間や条件に制限がありますので、まずはそちらから確認しましょう。

1-1  手続きの方法は?

「青色事業専従者給与に関する届出書」という書類を納税地の税務署へ提出しなければなりません。
提出期限は、専従者(家族)に給与を支払う年の3月15日までとなります。
(3月15日が土日祝祭日の場合、休み明けの翌営業日が提出期限)

ただし次の場合に限って2ヵ月以内に提出が必要です。
・1月16日以降に開業した方
・新たに専従者が増えた方

この届け出書は国税庁のホームページからダウンロードできます。
国税局 青色事業専従者給与に関する届出手続
国税局 青色事業専従者給与に関する届出・変更届出書(PDFファイル/191KB)

1-2 青色事業専従者になれる条件とは?

「専従者給与」は家族であれば誰でも受けられる、という訳ではありません。

次の条件に該当していれば、青色事業専従者になれます。
(1)青色申告者と生計を一にする配偶者その他の親族であること
(2)年齢が15歳以上であること(その年の12月31日現在)※
(3)原則、年間6ヵ月(つまり2日に1日以上)を超えて、青色申告者の事業に専念していること
 ※15歳以上であっても学業に専念する大学生・高校生は、原則として専従者にはなれません。

2.青色申告の専従者給与の決め方

節税効果を高めるために、専従者給与の決め方がポイントになります。
基本的な料金の決め方として、以下の2つのポイントに注意しましょう。

2-1 同業種の時給や給与を参考にする

しっかり仕事をしてもらうなら、目安となるのは同業種の時給や給与です。
家族を特別扱いせずにパートやアルバイトスタッフを雇うときと同じように考えることが大切です。
求人誌などの仕事内容や勤務日数・時間など、比較材料として使うことことをおすすめします。

インターネットの下記、アルバイト情報サイトも活用いただけます。
アルバイト・求人情報満載!バイト探しは【an】
タウンワーク
バイトルドットコム

2-2 給与金額を決める際に必ず注意すべきこと

例えば電話番や帳簿付けなどのちょっとしたお仕事を頼む場合、給与設定をいくらにするか悩ましい所です。
そこで給与額を10万円以内に設定しましょう。 入力から申告書作成まで、帳簿付けが簡単に
10万円以上にすると、税務署から業務内容を問われることがあるためです。

・また月給8万8,000円未満にすると源泉徴収をしなくて良くなります。
 給与所得の源泉徴収税額表(月額表)を見ると明らかなのですが、源泉徴収しなくて良いのです。
 国税庁 給与所得の源泉徴収税額表(月額表)

逆に言えば月額8万8,000円以上の金額を支払ってしまうと、所得税が発生するということです。
ここで重要なのは、青色専従者になると「配偶者控除」や「扶養控除」の対象となることができません。
そのため、奥さんを青色専従者にすると配偶者控除の38万円が受けられなくなります。
奥さんに年間で支払う額を38万円よりも上になる様に設定しないと、結果的に配偶者控除の38万円を受けていた方が得だった、ということになりかねません。

3.青色申告専従者で節税効果を高めてゆく注意点

3-1 支払う所得税とのバランスを考える

税理士から見ても「専従者給与」は節税の腕の見せ所となる制度だそうです。
奥さんの給与を事業者が決めて、それをそのまま年間数百万円単位で経費として計上できるわけです。
そして奥さんの給与が増えることで当然、旦那となる事業者の経費が増えて所得が下がります。
そのため、ここで税率を押し下げる効果が期待できるのです。

ここで節税効果を高めてゆくポイントは
・年間の給与を38万円以上にすること。
・月額114万4,000円以上支払うときは、支払う所得税を計算する。
・必要経費として計上する給与の節税効果を計算する

3-2 節税効果の計算シュミレーション

以上の点に留意して、実際にどのくらいの節税効果があるか計算してみましょう。
個人事業主として所得が1,000万円として配偶者が事業を手伝います。400万円の専従者給与を支払った場合の節税効果を計算してみました。

3-2−1 青色専従者給与を支払わない場合

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■専従者給与を支払わない場合の合計税額
 151万3,200円+93万4,000円+35万5,000円=280万2,200円(A)
 青色専従者給与を支払わない場合、1,000万円の所得では税金は280万2,200円かかります。

 

3−2−2 青色専従者給与を400万円支払った場合

(1)事業主の税金

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・事業主の合計税額
 69万6,500円+56万7,000円+15万5,000円=141万8,500円
 まず事業主の税金は141万8,500円です。

(2)配偶者の税金

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・配偶者の合計税額
 13万500円+23万3,000円=36万3,500円
 配偶者の税金は36万3,500円発生することになります。
・専従者給与を400万円支払った場合の合計税額(B)
 141万8,500円+36万3,500円=178万2,000円

3−2−3 節税効果

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なんと青色専従者給与で102万200円の節税効果が出ています。

ただこの場合、専従者給与が年間400万円ですから、単なるお手伝いというよりも、年収400万円に匹敵する仕事を配偶者にしてもらうということになります。

3-3 その他の注意点

3-3-1 青色申告専従者の奥さんは、他でアルバイトができるのか?

このような問い合わせを多くいただきます。
結論を申しますと他でアルバイトすることは原則認められていません。
「専従」という言葉を辞書で調べると「その仕事だけに従事すること」とありました。
このことからも分かるように、他で仕事をしてしまいますと青色専従者として認められません。
また、先の青色事業専従者になれる条件で記載した通り、年間6ヵ月(2日に1日以上)を超えて、事業に専念している必要があります。

どうしても旦那さんの事業とは別にお金が必要な場合は、ご両親など別の可能性を探す方が得策です。

3-3-2 届出書に記載する金額の注意点

「青色事業専従者給与に関する届出書」に記載する金額は「実際に支払う額」を示すものではありません。
ここに書く内容はあくまで「上限の支払い額」です。

たとえば給料の金額を12万円とした場合、12万円までの給与を支払う可能性がある、ということで結果的に実際の給与が9万円であっても何ら問題はありません。

3つの基礎知識まとめ

  • 青色申告の専従者給与には一定の条件を満たして、税務署への手続きをする必要がある。
  • 青色専従者にすると配偶者控除38万円が受けられなくなる。
  • 青色専従者への所得税と節税効果とのバランスを考える必要がある。

青色申告を自分で行う余裕がない方へ

これをしっかり考慮した上で「専従者給与」を活用することが大事なポイントです。

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