銀行に喜ばれる決算書を作るための5つのチェックポイント

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fbfac7bbf8a031e24d6d042d7409d3de_s以前の記事で、融資を受ける際は企業の格付けが大事であるとお伝えしました。

(以前の記事はこちら → 融資を受けられる会社と受けられない会社を分ける2つのポイント

今回は、銀行に融資を申し込む際に提出する決算書の書き方について、事前にチェックすべきポイントをご紹介します。

ぜひ最後までご覧いただき、喜ばれる決算書を作成する際の参考にしていただければと思います。

まずはすぐに確認できる、最も簡単な3つの確認事項を紹介します。

確実に押さえるべき3つの確認事項

「銀行名」「支店名」が合っているか
「預金・借入残高」が合っているか

「は?」と思うかもしれませんが、ここを間違えると話になりません。
特に銀行や支店の統廃合があった場合は、必ず「銀行名」「支店名」をチェックしてください。
自社のためにお金を貸してくださいとお願いする相手の名前を間違えるなど、言語道断です。

どれだけ決算書の中身が優秀であっても、悪印象が拭えなくなります。

また「預金や借入残高の数字が合っている」は、当たり前のことです。
ごく基本的な部分にミスがあると「真面目に作っていない」と思われ、マイナス評価につながってしまいます。

 役員や株主からの借入金がある場合、役員等からの借入金を「役員長期借入金」、銀行からの借入金を「長期借入金」と、別々に記載しているか

金融庁は銀行に対して、短期間で返済する必要がない役員や株主からの借入について、 「資本」とみなすよう指導しています。

借入金は負債ですが、「役員長期借入金」という別項目にするだけで、銀行はこれを「資本(=返済不要の資金)」と判断し、評価を上げてくれます。

「利益」に関する確認事項

次に、最重要ポイントである「利益」関連の項目をチェックしていきます。

 損益計算書の「当期純利益」、貸借対照表の「純資産の部」がプラスの数字になっているか

この2つがプラスであるということは、利益がきちんと出ており、債務超過に陥っていないということです。
特に当期純利益が大きくプラスになっていれば、かなり融資を受けやすくなります。

利益について、もう少し細かく見ていきましょう。
そもそも銀行が融資を決める「十分な利益」とは、具体的にどの項目が、どれくらいの数字になっていれば良いのでしょうか。
銀行が見ているのは、損益計算書の「経常利益」です。

 経常利益が黒字か

経常利益の算出方法について、簡単に説明します。
まず、商品を仕入れて販売することで得た利益、つまり売上高から仕入れ値を差し引いた額を「売上総利益」と言います。

この状態ではまだ人件費や広告費、光熱費などの費用が引かれていないため「売上総利益」から「販売費および一般管理費」を差し引きます。
その結果が「営業利益」です。

この「営業利益」に受取利息などを加え、借入金の支払利息を差し引いた額が「経常利益」です。
そして「経常利益」から特別利益・特別損失(固定資産の売却損益等)を加算・減算し、法人税などを控除したものが「当期純利益」になります。

経常利益が黒字ということは、銀行にとって「利息を払っても利益がプラスのままである」ということであり、高評価を得ることができるのです。

次に、具体的にどれだけの経常利益を出せば良いのか。
借入額や業種、これまでの返済履歴、役員報酬など多数の要因によりますが、一般的に銀行からの借入限度額の目安は、

  • 経常利益の10~20倍
  • 年商の2分の1~3分の1

どちらか低いほうの金額であるといわれています。

実際の例に合わせて見てみましょう。

例1
◎年商1億円、経常利益500万円のサービス業の場合
サービス業は特に仕入れが必要ないので、支店オープンなど理由がない場合は厳しくなります。
経常利益の10倍で5,000万円、年商の3分の1で3,000万円。低いほうで3,000万円となります。

例2
◎年商2億円、経常利益400万円の卸売業の場合
仕入れが多い卸売業は運転資金が多額に必要になります。
経常利益の20倍で8,000万円、年商の2分の1で1億円。低いほうで8,000万円となります。

特に中小企業においては節税の観点から役員報酬を過大にし、経常利益がマイナスに陥ってしまうケースが珍しくありません。
役員が会社に貸し付けてお金を戻している場合は、経常利益がマイナスでもカバーできますが、税理士に相談し、融資のことを考えながら役員報酬を設定する必要があります。

利益の他に、次の勘定科目もチェックしておきましょう。
これに当てはまると、いわゆる「融資担当者が嫌う決算書」になります。

貸付金が増加している
仮払金が増加している
売掛金が増加している
棚卸資産が増加している
開発費が計上されている

もしこれらの科目が増加している場合は、改善するために何をしたらいいか、税理士に相談をしてみてください。

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