社員を雇用するための源泉所得税の手続き6つのポイント

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社員を雇用したら、支払う給与から所得税を源泉徴収(天引き)する義務が有ります。それが源泉所得税です。

いくら所得税を天引きすればいいのか、いつどのように手続きし、支払えばいいのか、最初は分からない方も多いと思います。

今回は所得税を源泉徴収する為の手続きについてご紹介いたします。

1.所得税の源泉徴収義務とは

サラリーマン経験の有る方はご存知かと思いますが、給与明細には所得税の項目が有り、毎月の給与から天引きされています。それが自分が事業を行って人を雇う立場になると、社員に対し同じことをしなければならなくなります。源泉徴収義務者になるということです。
所得税法は、雇用主が給与を支払う場合は、所得税を源泉徴収しなければならないことになっています。

また別件ですが、源泉徴収義務は社員への給与だけでなく、社員への賞与、退職金、税理士・司法書士・弁護士等への報酬、外部業者への原稿料や写真代など、さまざまな項目に適用されます。

ご参考URL:国税庁 源泉徴収義務者とは

2.天引きすべき税金を天引きしなかった場合

税務署は、天引きすべき税金の納税義務を会社に負わせています。そのため、会社が源泉徴収のことを知らずに給料を払い続けると、その分会社が税金を肩代わりすることなります。給与の支払いをする時は、税額を忘れずに天引きしなければなりません。

3.社員を初めて雇ったら「給与支払事務所」を開設する必要があります

社員に対し給与等の支払いをするには、「給与支払事務所」を開設する必要があります。そして所定の帳簿を備え、源泉徴収した税額の管理と納付をしなければなりません。個人事業主の方で青色事業専従者を雇う場合も必要です。
会社設立等で社員を雇うことが前提であれば、設立時に開設手続きをするのが良いかと思います。

その為には、「給与支払事務所の開設届出書」を提出します。ファイルは下記に有ります。
国税庁 与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書(PDF)
ご参考URL:国税庁 給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出

事務所等を移転又は廃止した場合にも届出が必要です。

給与の支払者が、国内において給与等の支払事務を取り扱う事務所等を開設、移転又は廃止した場合に、その旨を所轄税務署長に対して届け出る手続です。
個人が、事務所等を設けた場合、移転した場合、又は事業を行う事務所等を廃止した場合には、「個人事業の開業・廃業等届出書」を所轄税務署長に提出することになっていますので、この「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」を提出する必要はありません。

提出時期

開設、移転又は廃止の事実があった日から1か月以内に提出してください。

提出方法

届出書を1部作成の上、下記の提出先に持参又は送付してください。

提出先
給与支払事務所等の所在地(移転の場合には、移転前及び移転後)の所轄税務署へ提出してください。

手数料

不要です。

添付書類・部数

添付書類は有りません。部数は1部です。
ただし、移転の場合には、移転前及び移転後のそれぞれの所轄税務署へ提出してください。

4.必要な帳簿類は

必要な帳簿は、下記になります。

・扶養控除等申告
・源泉徴簿

また、社員を雇った場合は、その他にも下記の帳簿を会社に備えなければなりません。
法定帳簿として、「賃金台帳」、「労働者名簿」、「出勤簿(タイムカード等)」。
社員を雇用した日からタイムカード、休暇・早退・遅刻届などで「出勤簿」を作成し、「労働者名簿」、「賃金台帳」も作成して社員が退職してから3年間は保存しなければなりません。これらは役所より提出を求められる場合があります。

「労働者名簿」、「賃金台帳」については、下記をご参照下さい。(ページの下方に有ります。)
ご参考URL:厚生労働省 労働基準 主要様式ダウンロードコーナー

社員を雇用した時の社会保険の手続き5つのポイント

5.所得税の源泉徴収税額の決め方

下記のURLに有ります税額表に基づいて、所得税を決めます。また、給与計算ソフトを使用すると便利です。
「給与所得者の扶養控除等申告書」が提出されている場合には、源泉徴収額「甲欄」、提出がない場合には「乙欄」で税額を求めます。
「丙欄」は「日額表」だけにあり、日雇いの人や短期間雇い入れるアルバイトなどに一定の給与を支払う場合に使います。

ご参考URL:国税庁 税額表の種類と使い方
ご参考URL:国税庁 平成25年分 源泉徴収税額表
ご参考URL:国税庁 平成26年分 源泉徴収税額表

6.納税の時期は

会社が徴収した源泉徴収税額は、月末で締めて、翌月10日までに税務署に納付することになっています。手続きは税務署に用意されている「徴収高計算書」に、支給した給与等の額、源泉徴収した徴収税額等を記入して、税務署から送付されて来る伝票に記入し、金融機関で納付します 。「徴収高計算書」は、給与計算ソフト等で自動出力すると便利です。

これを1 日でも過ぎると不納付加算税」と「延滞税」が掛かります

ご参考URL:国税庁 源泉徴収義務者とは

納期の特例が有ります

社員が10人未満の小規模事業所は、税務署に「源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書」の届出をすれば、1 月から6 月までの上半期分をまとめて7月10日まで、7月から12月までの下半期分をまとめて翌年1月20日までに納付することが可能な特例があります。

ご参考URL:国税庁 源泉所得税及び復興特別所得税の納付期限と納期の特例

まとめ

いかがでしたでしょうか。社員を雇い入れた時の所得税の源泉徴収についてご紹介ました。ぜひ社員を雇う時に手続きの参考にしてみてください。

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