シーン別に理解するべき税務調査の対応方法

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シーン別に理解するべき税務調査の対応方法

税務調査には「電話対応」「事前準備」「調査当日」という流れがあることがわかりました。

では、具体的にはやらなければいけないことを見ていきます。

 

 

電話対応 電話で聞いておくべき4つの項目

任意調査は納税者の日程が優先されます。
ですので、税務署から「〇日に税務調査をします」と連絡があっても、すぐに「わかりました」と返答してはいけません。
準備期間を確保するために、「税理士に相談します」「その日は営業日なので他の日にしてください」と調査官に伝え、電話を一度切るようにしましょう。

また調査官は、電話で次の4つのことを伝えてきます。
聞き逃さずメモを取ることで、事前準備が行いやすくなります。

  1. 調査の目的
  2. 調査対象の税科目
  3. 調査官のフルネームと所属部署
  4. 調査の対象事業年度

 

調査官は、「法人税」や「消費税」など、調べる内容を事前に決めて調査に入ります。
調査内容や調査官の情報を聞いておくこおとで、対策が練りやすくなります。

調査の対象事業年度は、基本過去3年分であることが多いです。
ただ例外もあるので、決算書や元帳を準備するために調査期間を聞いておきましょう。

事前準備 書類と調査場所を用意する

調査には、帳簿類・請求書・領収書・契約書・預金通帳が必要です。
各書類は、電話で聞いた対象事業年度分を用意しましょう。

業種によっては、他にも準備しなければならない書類があります。
たとえば飲食・美容業などの店舗経営者は、客数を把握するために予約表が必要となります。
準備する書類がわからない場合は、税理士に相談してください。

書類は必要なものだけ準備するようにしましょう。
調査と関係ない書類を置いておくと、調査時間が無駄に伸びてしまいます。
また書類を整理しておけば、「きちんとしている人だから、経理もきちんとしているだろう」という印象を調査官に与えることもできます。

書類の準備が完了したら、調査を行う部屋を確保しましょう。
調査は多い日で3日間行われます。その期間使用できる部屋が必要となります。
調査中は書類を並べなければいけないので、大きめの机があると便利です。

会社の一室を利用して、調査に対応してもいいのですが、経営の根幹にかかわる話をすることになるので、職員に話が聞こえない部屋を選んだ方がいいでしょう。
社内で部屋を確保できない場合は、近くの貸し会議室や施設を借りるのも一つの手です。

次に事務所の整理を行いましょう。
これは調査官にいい印象を与える効果があります。
「書類が整理されている会社の社長」と「書類が山のようにある会社の社長」だと、どちらの社長が調査しやすと感じますか?
後者の方が経理に無頓着で、税金を取りやすいイメージを持ちますよね。
これは調査官にとっても同じなのです。
また事務所を整理するときは、銀行先や取引先からもらったカレンダーなどの贈呈品を確認してください。
調査官は取引先がわかるものがあればチェックします。
普段取引していない銀行のカレンダーを調査官が見つけときは、「売上を隠している通帳があるのではないか」と疑われるので、外すようにしてください。

調査前に修正申告を出す

書類の準備と部屋の確保が終われば、税理士と一緒に調査に向けた対策を考えましょう。

書類を見返しながら、質問されそうな内容を書き出し、調査当日を再現したロープレを行うといいでしょう。
ロープレ中は余計なことを言わないように意識しましょう。

また申告内容の間違いを見つけた場合は、調査官が来る前に修正申告を出してください。
調査前に修正することで、納税額を下げることができます。

調査当日 協力する姿勢を見せ余計なことを言わない

調査時の対応で重要なことは2つあります。
それは、「調査官との信頼関係を築くこと」と「余計な話をしないこと」です。
この2つは相反する内容ですが、税務調査を進める上で重要な要素となります。
ですので、2つのバランスを考えた対応を心がけましょう。

調査に協力する姿勢を見せるために、調査1日目の午前中は必ず社長自らが立ち合い、調査官の質問に答えるようにしてください。
ここでの質問内容は、業界の動向や会社の状況など、税務には関係ないものです。
質問された内容を素直に答えることで、好印象を与えることができます。

ただ、このときに注意しなければならないのが、「余計な話をしない」ことです。
無言になる空間が耐えられない社長もいるかもしれませんが、聞かれていないことを自ら話してはいけません。
調査官はよく話す社長の方が、情報を引き出しやすく、調査しやすいと感じます。
質問には「はい」か「いいえ」とシンプルに答えるようにしましょう。
「はい」か「いいえ」で答えられない質問に対しては、できるだけ短い文章で返答してください。

調査官から「社長はゴルフが好きなんですか?」と聞かれ、「そうなんですよ。週2回は友人と一緒に行ってます」と社長が答えてしまったために、交際費として計上していた接待ゴルフの代金が、否認された事例もあります。
税務調査で無駄話をすることは自分の首を締める行為なのです。

「自分は話好きだ」と感じている社長は、帳簿類の調査が始まれば調査場所から退出するようにしましょう。
税理士と書類の場所を把握している経理担当者がいれば、社長が調査にすべて立ち会う必要はありません。

また、調査官の質問に必ず即答する必要はありません。
答えにくい質問や、確認しないと答えがわからない質問は「少々お待ちください」と言って、不明点を調べてから答える方がいいのです。
すぐに不明点を調べられない場合は、次の調査日に答えられるようにしてください。

もし不明確のまま、「おそらく〇〇です」と答えて、後から話した内容と違うことがわかれば、虚偽報告をしたと調査官から見られてしまいます。

調査官は下調べをして調査に臨んでいる

調査官は、調査を入る前に会社の下調べをしています。
過去の決算書を見るだけでなく、飲食業や美容業などの店舗がある会社であれば、客として事前にお店を訪れて、客数や店の雰囲気を調べている場合もあります。

調査官は調べた内容と帳尻をあわせるために質問をしてきます。
調査内容が間違っていることもあるので、身に覚えがない質問をされた場合は、素直に「わからない」と答えましょう。

「おみやげ」は逆効果になる

税務調査で何も問題を見つけることができないと、調査官は業績を残せず帰りづらいといわれています。
そうしたことから、あらかじめ帳簿上に適度な間違いをしていた方がいいという話があります。
この行為は「おみやげ」と呼ばれています。

実は、「おみやげ」はまったくの誤解です。
調査に入られた会社の4分の3以上は否認されています。
しかし残り4分の1の会社は、否認されずに調査を終えているのです。
小さい間違いがあったからといって、大きな間違いを調査官は見逃してはくれません。
「おみやげ」を準備することで、調査官に税金を取りやすい会社だと認識されてしまいます。
そうなると、コンスタントに調査に入られることとなるので、「おみやげ」を準備しないようにしましょう。

税理士と顧問契約することで税務調査がスムーズに

1人で税務調査の対応するとなると、かなりの労力と時間、専門知識が必要だということがわかったと思います。
よりスムーズに税務調査を終わらせるためには、顧問契約を税理士にお願いするのがお勧めです。
調査に入られる直前に税理士にお願いをしても、時間が足りず、しっかりとした対策を考えることができません。
定期的に帳簿を確認してくれる顧問契約をすることで、より安全で、スムーズに税務調査を終えることができるのです。

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