個人事業主が知っておくべき国民健康保険税の仕組み

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前回は、「個人事業税」、「住民税」をご紹介しました。今回は、個人事業主が加入を義務づけられている「 国民健康保険税(料)」についてご紹介します。
国民健康保険税(料) も、前回同様に所得税の確定申告を行うとそれを基に行政で計算され、納付書が送付されて来て納税するものです。その為、自分で計算する必要は有りませんが、どのように計算されるかは、経営者の視点から知っておくべきだと思います。

国民健康保険とは

個人事業主が加入を義務づけられています。病気やケガのとき「保険」によって治療が受けられるように必ず何らかの医療保険に加入しなければなりません(国民皆保険制度)。
自営業の方や会社を退職された方などが加入しています。

国民健康保険税と国民健康保険料の違い

国民健康保険には、国民健康保険法に基づく保険料と地方税法に基づく保険税があります。保険料と保険税のどちらにするかは各区市町村が決めます。東京都内では特別区、立川市及び西東京市が保険料を採用し、その他の市町村は保険税を採用しています。

全額、社会保険控除として所得控除の対象になります。

保険料の計算方法

国民健康保険は各区市町村で運営している為、地域によって同じ課税所得でも掛け金が異なります。詳細は各区市町村のホームページ等で確認する必要が有ります。

以下の説明は、東京都の例です。

実際の計算式は、下記の通りです。
【40歳未満】
 保険料(税)=医療分+後期高齢者支援金分
【40歳以上65歳未満】
 保険料(税)=医療分+後期高齢者支援金分+介護分
【65歳以上75歳未満】
 保険料(税)=医療分+後期高齢者支援金分
(介護保険料は別途、区市町村の介護保険担当の部署から通知されます。)

医療分、後期高齢者支援金分、介護分に対して、下記の4つの数値を合計した金額になります。

【所得割】+【資産割】+【均等割】+【平等割】 = 保険料(年額)

【所得割】:前年の所得に応じて計算されます。(所得額×料(税)率)
【資産割】:資産に応じて計算されます。(固定資産税額×料(税)率)
【均等割】:人数に応じて計算されます。(加入者数×均等割額)
【平等割】:一世帯あたりいくらと計算されます。

ご参考URL:東京都福祉保健局 国民健康保険 保険料額について

税率

所得割等それぞれの税率、上限値は、下記をご参照下さい。

保険料率(PDF)
ご参考URL:東京都福祉保健局 国民健康保険 保険料額について

上限値

「医療分」、「後期高齢者支援金分」、「介護分」それぞれに上限値が設けられています。
下記をご参照下さい。

保険料率(PDF)
ご参考URL:東京都福祉保健局 国民健康保険 保険料額について

軽減措置

国民健康保険の保険税(料)には、次のような軽減処置があります。

  • 所得が一定の基準以下の方

  • 75歳到達により被用者保険から後期高齢者医療制度に移行した方の被扶養者(65歳以上75歳未満)であった方が、国民健康保険に加入する場合

  • 非自発的失業者に対する場合(失業時点で65歳未満)
  • 
同一の世帯に所属する者が後期高齢者医療制度へ移行することで、国民健康保険単身世帯となる場合
  • 軽減を受けている世帯について、後期高齢者医療制度へ移行することで、世帯内の国民健康保険被保険者の数が減少しても、従前と同様の軽減を受けられる制度
  • 特別区の住民税非課税者の減額措置(平成25年度、26年度のみ)
  • 災害等特例による場合

ご参考URL:東京都福祉保健局 国民健康保険 保険料額について

給付について

申請する事によって、給付(お金がもらえる)される制度があります。

高額療養費
同じ月内の医療費の自己負担額が自己負担限度額を超えたときに、お住まいの区市町村に請求をすることで、その額を超えた額があとから払い戻されます。

高額介護合算療養費
毎年8月1日から翌年7月31日までの1年間の医療保険と介護保険の自己負担を合算した額が、自己負担限度額を超えた場合、お住まいの区市町村に申請をすることで、限度額を超えた分が支給されます。

出産育児一時金
加入者が、妊娠4ヶ月以上で出産(流産・死産を含む)をしたときは、世帯主の方に、出産育児一時金が支給されます。

葬祭費
加入者が亡くなったとき、葬祭を行った人に支給されます。

ご参考URL:東京都福祉保健局 国民健康保険あらまし

納付時期と方法

各区市町村より送付される納付書で毎月納付します。各金融機関、コンビニ等で納付出来ます。また、口座からの自動引き落としも可能な場合が有ります。(詳細はお住まいの各区市町村にお問い合わせ下さい。)

その他

サラリーマンの場合加入しているのは、会社の健康保険組合等です。保険料は会社が半分負担していますので、サラリーマン本人が払うのは実際の保険料の半額です。サラリーマンを辞めて国民健康保険に加入した場合、計算方法は異なりますが、会社負担の半額が無くなりますので、本人負担は2倍位になる可能性があります。結構な金額です。
健康保険組合によっては「任意継続」という、退職した後も引き続き健康保険を使用可能な制度が有りますが、これも会社負担が無くなります。任意継続と国民健康保険でどっちにするかは、実際に計算して決めます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は国民健康保険税(料)の計算方法についてご紹介しました。自分で計算する必要は有りませんが、その計算の内容については、ぜひ頭に入れておいて下さい。

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