国民年金基金の節税効果と5つのメリット

LINEで送る
Pocket

個人事業主の方は、老後の年金として国民年金(20歳から60歳の全ての国民が加入する国民の義務です。)を自分で納めなければなりません。しかしそれだけではサラリーマンの厚生年金に相当する部分が有りません。定年が無く、長く働けるとはいえ、個人事業主はサラリーマンと比較するとこのままでは将来受け取る年金額に大きな差が生じます。そこで、その部分を埋めるために設立された国の年金制度が「国民年金基金」です。この年金は掛け金が全額経費になります。その為、老後の生活の安定にもなり、節税になりますので、検討してみてはいかがでしょうか。

国民年金基金とは

個人事業主などの第1号被保険者の為に国が作った、サラリーマン・公務員との年金額の差を解消するために国民年金に上乗せする2階部分の年金です。

国民年金のみ加入している自営業者などの国民年金の第1号被保険者と比べると、サラリーマン・公務員などの給与所得者は自動的に「国民年金」と「厚生年金」又は「共済年金」の両方に加入していますので、将来受け取る年金の額に大きな差が生じます。この年金額の差を解消するための自営業者など国民年金の第1号被保険者の上乗せ年金が「国民年金基金」の制度です。これによって自営業者などの国の年金はサラリーマン・公務員等と同じく「二階建て」となりました。またこの「国民年金基金」は、「国民年金」の様に強制加入では無く任意での加入です。

ご参考URL:国民年金基金 各種パンフレット

日本の年金制度

National pension fund3

メリット

1.税制上の優遇処置が有る

  • 年金を掛ける時は、掛金の全額は社会保険料控除で経費となり、その分所得税、住民税が軽減されます。
  • 年金を受け取る時も、公的年金等控除が適用されます。
  • 遺族の方が受け取る一時金は、非課税となります。

2.加入口数や給付タイプは選択可能
加入時に、給付タイプや加入口数を自由に選べます。

3.加入口数を増減可能
状況の変化に合わせ、加入口数を変更できます。

4.遺族一時金が有る
保証期限付きで、早期死亡のときもご家族が遺族一時金を受け取ることができます。(保証期限のないB型を除きます。)

5.加入時に年金額が確定する
掛け金の額は、選択した給付の型、加入口数、加入時の年齢、性別によって決まります。(但し途中で資格を失効せず完納した場合。)掛金額は、増口・減口又は資格喪失した場合を除き、払い込み終了期間まで一定です。

国民年金基金の種類

「地域型」と「職能型」の二つがあります。地域型は各都道府県毎(47)に、職能型は職種毎(25)にあります。二つの基金の事業内容は同じです。なお、加入する場合は一つの基金しか加入できませんので、どちらか選択しなければなりません。

給付のタイプ
給付のタイプは、終身年金2種と確定年金5種の計7種です。

・終身年金
A型・・・65歳支給開始(15年保証付)
B型・・・65歳支給開始(保証期間なし)

・確定年金
I型・・・65歳~80歳支給(15年保証付)
Ⅱ型・・・65歳~75歳支給(10年保証付)
Ⅲ型・・・60歳~75歳支給(15年保証付)
Ⅳ型・・・60歳~70歳支給(10年保証付)
Ⅴ型・・・60歳~65歳支給(5年保証付)

最初の1口目は終身年金A,B型のどちらかを選び、2口目以降は終身年金と確定年金の中から、確定年金の金額が1口目を含めた終身年金を上回らない範囲で選べます。
終身年金:死ぬまで年金が貰える制度。
確定年金:決まった期間の間、年金が貰える制度。
保証付の場合:保証期間中に亡くなった場合、残りの年金を支給する為の年金原資が遺族に一時金として支給されます。

例:
終身年金A型で65歳に支給開始し70歳で亡くなった場合、残り10年分の年金原資が遺族一時金として支払われます。終身年金B型で70歳で亡くなった場合、遺族一時金は支払われません(実際は1万円支払われます。)
また、終身年金A型で保険料納付期間中に亡くなった場合にも、遺族一時金は支払われます(B型は実際1万円支払われます。)

掛金及び年金受給金額について

加入時の年齢によって、受け取る年金の額は異なります。
掛金の額は、選択した給付の型、加入口数に、加入時の年齢、性別によって決まります。

ご参考URL:国民年金基金 民年金基金パンフレット (P16~19)掛金月額表
ご参考URL:国民年金基金 民年金基金年金シュミレーション あなたの年金額はどのくらい

掛金の上限について

掛金の上限は月額68,000円×12=年額816,000円です。これは個人型確定拠出年金(日本版401K)と合計の掛金の額になります。
国民年金の保険料を免除(一部免除・学生納付特例・若年者納付猶予を含む)されていた人が免除期間分の保険料をすべて追納した場合、その期間のうち最長5年間、掛金の上限が月102,000円になる特例があります。

掛け金の納付方法

国民年金基金は口座振替のみです。
1年分の前納をすると0.1ヶ月分の保険料の割引があります。

加入条件は

20歳以上60歳未満の自営業者、自由業、学生などの国民年金の第1号被保険者および日本国内に居住している60歳以上65歳未満の国民年金の任意加入被保険者の方です。

加入出来ない条件は

1.厚生年金保険や共済組合に加入のサラリーマン(国民年金の第2号被保険者)
2.厚生年金保険や共済組合に加入の被扶養配偶者(国民年金の第3号被保険者)
3.海外住居者や60歳未満又は65歳以上で国民年金に「任意加入」の場合
4.また、国民年金の第1号被保険者でも、次の方は加入できません。
 ・国民年金の保険料を免除(一部免除・学生納付特例・若年者納付猶予を含む)の方
 ・農業者年金の被保険者の方

デメリット

1.物価スライド制ではない
国民年金とは異なり、物価の上昇・下落が起こった場合でも、最初に決めた金額を年金として給付します。

2.途中脱退は基本的に出来ない
一旦加入すると途中での脱退は基本的に出来ません。途中脱退出来る場合は以下の場合です。また、脱退の際に掛金は返金されず、将来年金として支給します。

  • 60歳になったとき
  • 65歳になったとき(60歳以上で加入した場合)
  • サラリーマンになったなど国民年金の第1号被保険者でなくなったとき(海外に転居したときを含む)
  • 国民年金の任意加入被保険者でなくなったとき(60歳以上で加入した場合)
  • 他の都道府県に転居したとき(地域型基金の場合)
  • 該当する事業または業務に従事しなくなったとき(職能型基金の場合)
  • 国民年金の保険料を免除(一部免除・学生納付特例・若年者納付猶予を含む)されたとき
  • 農業者年金の被保険者になったとき
  • 加入者本人が死亡したとき

他の都道府県に転居の場合(地域型基金)、該当する事業または業務に従事しなくなったとき(職能型基金)で加入資格を失った場合、加入資格のある国民年金基金に、以前の掛金で引き続き加入出来る特例があります。(3ヶ月以内の手続きが必要です。)

3.支給額の減額の可能性がある
予定利率を実際の運用利率が下回ると積立不足が生じます。それが多くなると支給額の減額の可能性が無いとは言えません。また基金が解散した場合は国民年金法に基づき、基金の解散時点での残余財産額を加入者及び受給者等で分配することになっており、これまで支払われた掛金総額を下回ることがあります。

ご参考URL:国民年金基金 基金の継続が困難になり基金が解散した場合の取り扱い

また、基金の財政状況は決算書に記載されていますので、随時閲覧できます。

ご参考URL:国民年金基金 事業・財政状況 年金財政の推移(PDF)

ご参考URL:国民年金基金 資産運用状況 平成24年度資産運用状況 (PDF)

加入手続きについて

加入手続きについては、下記へお問い合わせ下さい。
地域型の場合:国民年金基金 地域型国民年金基金 
職能型の場合:国民年金基金 職能型国民年金基金

下記に、加入申出書の記入例があります。
国民年金基金 加入申出書記入例

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は「国民年金基金」についてご紹介して来ました。掛け金が全額経費又は損金扱いになり節税にもなります。今回ご紹介した内容を十分に吟味し、ご加入を検討してみてはいかがでしょう。

LINEで送る
Pocket