社長の仕事は「任せること」アウトソーシングの活用が成功のカギ

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社長の仕事は「任せること」
社長業を始めた直後は、人の協力を得るということに対して、躊躇してしまう場合があります。

起業直後というのは、何かと出費が多いものです。
だからといって、自分の時給以下の作業に精を出してしまうのは明らかな間違いです。

たとえば、美容室で起業した社長がいるとします。
1日10 時間ほどの営業時間が終わったあと、くたくたになりながら「その日のうちに帳簿をつけなければいけない」と思い、2時間ほどかけて、社長自ら帳簿をつけ、翌日にまでその疲れが残っているような人がいます。

これは明らかに間違いです。
自分の人件費の正しいコストが把握できていません。

社長の時給は最低でも3,000円はありますから、これ以下の生産性しか出ない作業は時給が低い部下に任せるか、外注に出すべきです
社長が時給1,000円の人でもできる単純作業に従事してしまうと、1時間あたり3,000円−1,000円=2,000円の損失が発生していると考えねばならないのです。

社長というのは「何でも自分でやろう」としてはいけません。
仕事のひとつひとつを「自分でなければできない仕事」「自分以外の人でもできる仕事」に分けて、「自分でなければできない仕事」以外のものはすべて部下や、外注、専門家に任せるようにしましょう。

そのほうが本来の「社長業」に集中できるはずです。

「任せる」とは「活かす」こと

本来の「社長業」というのは「他人に仕事を任せる」ことであり、その結果「他人を活かす」ことです。
会社が大きくなればなるほど、さまざまな人材が集まってきます。

そうなったときに、いつまでも「プレイングマネージャー」をやっていてはいけません。
部下が仕事をもらえなかった営業先に社長自ら赴いてプレゼンをして「ほら、オレが行ったら、仕事をとれただろう」と部下に自慢していては、あなたはいつまで経っても「お山の大将」のままです。

部下が社長と同じ力を発揮できるよう、その指導や教育に全力投球すべきであり、部下に自発的に「社長のようになりたい」「社長に協力したい」と思わせないといけません。

余談ですが、この10年で国内の老舗といわれたホテルの多くが外資に吸収されました。
なぜだと思いますか?
老舗ホテルは正社員が多く、賃金の高い彼らが、本来やらなくてもいい単純労働までやっていたからです。
正社員は頭脳だけを使うべきであって、肉体を動かすのはすべて派遣か外注に任せる。
外資は皆、このような役割分担ができ、コスト管理ができています。
いわんや社長がやらなくていい単純労働まで自らやると、あなたの会社は確実に潰れます。

アウトソーシンクがを活用して外部に任せよう

経営にとって一番大切なこと、それはお金です。
お金があれば、たとえ赤字でも会社は倒産しません。
売上が上がり、黒字になっても、お金がなければ倒産します。
会社とは、そういうものだと知っておいてください。

社長である皆様は「お金の流れ」を把握しなければいけません。
まずは、会計の基本的なことを知り、慣れ親しんだ上で「会社に入ってくるお金」「出ていくお金」これら両方の流れを大まかにつかめるようになりましょう。
そして、お金を得たならば、その効果的な使途を考えてください。
実は、お金は得るよりも、使い方のほうが大切で、また難しいといえます。

例を挙げて説明しましょう。
たとえば、皆様の会社が儲かってきて売上1億円、社員10名ほどの会社に成長してきたとします。
経理作業が繁雑になってきて「簿記の資格を持つ経理担当者を雇おう」ということになったとします。

これは正しいお金の使い方といえるでしょうか。
これはよく中小企業の経営者が陥ってしまうミスのひとつです。
経理担当者を自社で雇ってしまうと「固定費」になってしまうからです。

固定費とは何か。
それは売上が増加しても、減少しても、必ずかかる固定的な経費のことをいいます。
反対に、仕入れる原材料費や製品の加工賃などは、売上の増減とともに変化しますから、「変動費」と呼ばれています。

経理担当者の給料は、売上の増減とはまったく関係ありませんから、固定費となります。

あのアップルもほとんどアウトソーシング

現代の経営学では、固定費はできるだけ減らしておくのが常識です。
ファブレス企業というのをご存じでしょうか。
メーカーでありながら、工場を持たない企業のことです。
工場にかかる経費はすべて、固定費となるからです。

たとえば、iPhoneを製造するアップルなどは、代表的なファブレス企業です。
スティーブ・ジョブズ氏が社長だった頃、元々は自社の工場設備を持つ会社でした。
自社で製造販売したほうが、儲かるからです。

そのような企業でも、ライバルに追随を許さないために、また少しでも安く販売してシェアを増やすために、多少の利益を犠牲にしてでも、固定費を削減しようとしているのです。

ましてや、設立後間もない会社は規模が小さいです。
そのような会社がひとりの正社員を雇い月20万円ほどの固定費を抱えてしまうのは、大きなリスクだと言わざるを得ません。
ちなみに、税理士事務所に「領収書、請求書の記帳をすべて丸投げ」して完全外注化するとしても、会社の規模にもよりますが月5~15万円程度で済みます。
金額的には同程度かそれ以下です。

このようにおすすめすると
「今の顧問税理士には月5万円も支払っている。その上、月15万円を支払う気にはなれない」
と答える社長さんは大勢いると思います。

ですが、よく考えてみてください。
たとえうわべの金額は同じに見えても、月15万円の給料とは別に、健康保険や年金の支払などもありますから、実質的にはもっと高くなります。
それに、小さな会社の経理であれば、3年もすればおおよその仕事内容は覚えてしまえるはずです。

また、ある程度の年功序列給が発生しますから、この社員が10年間在籍したとすると、月給は25万円以上にはなってきます。
不用意に人を雇うと、仕事の内容は変わらないのに、月給だけが増えてしまうというジレンマに社長は悩まされてしまうでしょう。

ひとつの基準としては、会社の粗利益が1億円以下、社員数が30人以下であれば、経理部門は持たず、完全外注化したほうがコスト的には有利です。

外注化は、経理だけに限った話ではありません。

「配達のトラックが1台が必要になったから、ドライバーを1名雇おう」
「訪問客が多いから、受付の女性を1名雇おう」
「商品パッケージのデザインのため、デザイナーを1名雇おう」

社長ひとりで創業した場合、無意識のうちにさびしさを感じ、人を増やしたい思いにかられる時期があるかもしれません。
ですが、そんなときほど「固定費が増える」と自分に言い聞かせ、正社員でなく外注、外注で無理なら派遣かアルバイト、それでもダメなら正社員、ぐらいの感覚でいいかと思います。

会社がスリム化していれば、売上が減ったときにも、倒産しません。
会社のお金というのは、儲けるよりも使うほうが難しい、という意味がおわかりいただけたでしょうか。

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