「助成金」「補助金」を受給する際に気をつけておくべき2つのポイント

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「助成金」「補助金」を受給する際に気をつけておくべき2つのポイント

返済が不要であるために、助成金や補助金に関わる詐欺事件は後を絶ちません。
たとえば「雇用調整助成金」は、経営不振等の理由からやむなく従業員を休業させて給料の6割を休業手当として支払う場合、その休業手当の3分の2(大企業は2分の1)を国が支給するという助成金です。
ある会社はこの助成金を申請し、4人を休業させたとして1人当たり当時上限額いっぱいの7,810円を4人分、20日にわたり受給していました。
ところが実際は休業させた従業員など存在せず、助成金を不正に受け取っていたのです。

1.助成金を受給すると調査が入る

また、社会保険労務士と社長が共謀して行った詐欺もあります。
キャリアアップ助成金(人材育成コース)を申請して、社労士が架空の従業員名簿や出勤簿、賃金台帳や職業訓練計画を作成し、訓練をしなかったのに不正に助成金を受け取っていたというものです。
このため、助成金を受け取った企業がきちんと申請通りに教育を行ったり、制度を導入したりしているか、今は必ず調査が入ります

たとえばキャリアアップ助成金(人材育成コース)を申請する際には、職業訓練計画を作成しなければなりません。
その中で訓練実施の日時について、たとえば「8月20日、13時から」と記載した場合、その日時に実際に訓練が行われているかどうか、調査が入ります。

調査に来るのは、主にハローワークの職員です。
ハローワークの職員と言うと、ずらりと並ぶ窓口にずっと座っているイメージがあると思いますが、実際は何人もの職員が交代で窓口を担当しており、窓口に座っていない職員は、助成金の書類の審査や、外回り業務などを行っています。
この外回り業務の中に、助成金を申請して支給を受けている企業が、申請通りに業務を行っているかの確認が含まれているのです。
会社に足を運び、要項に掲載された要件が1つでも整っていないことが確認されると、助成金の支給はストップし、すでに支給された助成金があれば、返還を求められます。
「うっかり要項から見落としていた」という悪意のないミスであったとしても、通用しません。

明らかに故意に条件を満たしていなかった場合はブラックリストに載り、その後3年間は助成金が受けられないというペナルティーが与えられます。
助成金は、申請が通って受給を受けてからが本番です。決して気を抜かず、返還を求められることのないよう、申請した通りに業務を遂行していきましょう。

2.助成金を申請するなら従業員を解雇してはいけない

会社都合で従業員を解雇すると、その後6ヵ月は厚生労働省の助成金を申請できなくなります。
厚生労働省の助成金の目的は、雇用の維持、労働環境の改善、従業員の人的質の向上などです。
従業員を解雇する企業は、どの助成金の要件にも当てはまらなくなります。

「退職願には自己都合と書いておいてくれ」
解雇する従業員にそう言って嘘の退職願を書かせたとしても、その後その労働者が失業保険等の手続き関係でハローワークに行くと、必ず窓口の職員に「本当に自己都合ですね?」と確認されます。
そこで元従業員が「実は社長から自己都合と書くように言われていまして…」と漏らしたら、すぐにハローワークから社長宛てに確認の電話がかかってきます。
助成金を受ける予定がある場合は、従業員の解雇は極力控えてください。

また、本人が自己都合で退職したにもかかわらず、失業保険を長く受けたいがために「解雇された」とハローワークで嘘の申告をするケースもあります。
従業員が自ら退職するときは、必ず退職願に「自己都合による退職」であることを明記して「退職理由」を詳細に書いてもらうようにしましょう。
その理由を強化できる証拠書類があればあるほどよいです。

早期に情報を確保し準備を開始して、競合より先に対策を

よく次のような質問をされることがあります。
「補助金の申請、1次募集と2次募集がありますが、1次募集の方が有利なんですか?」
答えは「必ずしもそうとは限らない」です。
たとえば去年の創業補助金は、1次から5次まで募集がありました。

受給できた申請者は、
1次:80%
2次:60%
3次:45%
4次:20%
であり、この時点で、もう5回目はないだろうと思われていました。
しかし予想に反して、5次の募集では50%が審査を通過していました。

これにはさまざまな理由が考えられます。
たとえば4次で20%という低確率を見て申請を諦めた人が続出して競争率が落ちた、すでに交付が決定した人の何人かが辞退をして枠が増えた等々。
これはなかなか予測できるものではありません。

それでも、準備も申請も、遅くなるよりは早く済ませた方が良いでしょう。
公的に発表された直後は多くの人たちの準備が整っておらず、どのようなアピールをすれば採択されるかという情報が広まっていないため、手が打ちやすいのです。
ライバルたちが傾向と対策を把握し、準備を整えたころには、競争率が大きく上がってしまいます。
たとえるなら、偏差値50でも合格できた大学が、いきなり偏差値65や70になるという感覚です。

助成金や補助金に関する詳細情報については、経済産業省のホームページで確認できます。
また、中小企業庁の「ミラサポ」にも分かりやすく掲載されていますので、参考にしてください。

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