起業家が知っておきたい社会保険の加入義務と意外と多い負担額

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あなたが起業・会社設立したばかりの経営者だとしたら、社会保険をしっかりと理解していますか?詳細を理解する必要はありません。しかし、社会保険は思ったよりも起業家にとって負担が大きいものです。例えば、給与30万円の社員を雇った場合、給与支給の翌月に社会保険料として約85,000円(約28%)の納付書が届く事になるのです。

そう、キャッシュフローに与える影響は非常に大きいのです。

そこで、今回は起業家にとっての「社会保険」について解説します。まずは、社会保険の基礎的な知識と加入義務についてしっかりと把握することからスタートしましょう。そして、どの程度の負担が発生するのかを理解するために、社員を雇用した場合の社会保険料率を試算しました。ぜひ、参考にしてください。

社会保険とは

社会保険とは、主に以下の4種類を言います。

  1. 健康保険:健康保険は、健康保険法に基づき、主に民間企業の従業員に適用される公的医療保険です。健康保険法の規定上は厚生労働大臣が幅広い権限を有していますが、実際の事務は日本年金機構、地方厚生局長又は地方厚生支局長に委任・委託されています。
  2. 厚生年金:厚生年金は、厚生年金保険法等に基づいて、主として日本の民間企業の労働者が加入する公的年金制度です。「厚生年金保険は、政府が、管掌する」と定められており、厚生労働大臣がその責任者となっています。実際の運営事務のほとんどは日本年金機構に委任・委託されています。
  3. 雇用保険:雇用保険は雇用保険法に基づき、国が主体となって運営する保険です。雇用保険は、労働者の生活及び雇用の安定を図るために、失業給付を行ったり、雇用安定事業や能力開発事業を行うことを目的としています。
  4. 労災保険労働者災害補償保険法に基づき、国が主体となって運営する保険です。労災保険は事業所単位で適用されます。原則として労働者を一人でも使用する事業は強制適用事業とされています。

社会保険の加入義務はどのようになっているか

会社を設立すると、社会保険の加入は義務づけられています。

社会保険の加入義務について:法人及び、5人以上の従業員がいる個人事業主は、一部の例外を除き、原則として社会保険に加入する義務があります。

基本的には、法人として加入するという形になるため、社員ごとに入る入らないという選択ではありません。また、それぞれの社会保険で加入の要件が少しづつ違いますので、注意が必要です。

  1. 健康保険:社員は原則加入義務あり。パートでも常用的な雇用なら加入が義務づけられます。
  2. 年金保険:社員は原則加入義務あり。パートでも常用的な雇用なら加入が義務づけられます。
  3. 雇用保険:社員は原則加入義務あり。法人の代表者は加入出来ない。  
  4. 労災保険:従業員を雇用した時点で必ず加入しなければならない。(労災保険は他の社会保険と違い、被保険者という概念が無く、従業員を雇った会社は全従業員を包括的に加入させなければならない)

社会保険の加入義務に関してはこちらのサイトが参考になりますので、詳細を知りたい方は参照してください。

社会保険に加入する従業員の範囲とは?

社会保険料は社員14%、会社14.6%で合計28%を超える負担になる

社会保険料は一体どれくらいになるのでしょうか?試算をしてみましょう。2013年9月現在、サービス業を経営する会社で39歳以下の従業員を採用した場合、以下の社会保険料率になります。

社会保険料率

  • 社員負担は14.045%です。これは給与明細で給与から天引きします。
  • 会社負担は14.695%です。会社の負担は非常に大きいですね。約15%が給与以外に必要になると覚えておきましょう。
  • 合計で、社会保険料は28.74%です。凄いパーセンテージですね。社員負担と会社負担合わせて、大まかには28%を納付すると覚えておきましょう。

例えば、給与30万円の社員を雇用した場合の会社負担は年間約52万円

同じ条件で(39歳以下の一般事業でサービス業の場合の社会保険料)、その社員に30万円の給与を支払った場合、以下の保険料が発生します。 

社会保険料の会社負担と社員負担

  • 社会保険料の社員負担の合計は42,135円となります。
  • 社会保険料の会社負担の合計は44,085円となります。これを年額にすると年間529,020円ですね。
  • 労災保険は年1回の徴収ですが、それ以外は毎月納付書が届きます。(約85,320円の納付書になります。)

 税金よりもある意味では高い社会保険料

会社を設立したばかりの起業家は、社会保険料をしっかりと意識しなければなりません。なぜなら、所得税や住民税などの税金よりも、健康保険や厚生年金などの社会保険料の方がキャッシュフローに与える影響が大きいのです。どの程度のキャッシュが出て行くのかを把握したうえで採用の意思決定を行うようにしましょう。

  • 社員一人当たり給与の約15%が会社負担としてかかることになる
  • 社員一人あたり年間約50万円の会社負担がかかることになる

 社会保険加入のメリットを理解しておきましょう

  • 厚生年金の方が国民年金よりも年金額が高くなる:もらえるか、もらえないかという議論を抜きにすれば、国民年金よりも厚生年金の方がもらえる年金額が高くなります。
  • 従業員の採用:社会保険の加入メリットの最も大きなものは採用です。身内や知合い以外を採用する場合は最低条件とも言えます。

社会保険加入のデメリットを理解しておきましょう

  • 会社の事務負担の増加:社員が入社した時の社会保険手続きなど、会社の事務負担は増加します。
  • 保険料負担:社員一人当たりの保険料の会社負担、キャッシュフローに与える影響は思ったよりも大きいものです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。思ったよりも負担が大きい社会保険について解説しました。会社を設立する時には、「社会保険をどうするか」を考えなければなりません。現状では加入をしていない会社も数多く存在するのも事実ですが、ビジネスを大きくするには雇用が必要ですし、社会保険も必要になってきます。まずは基礎知識と負担を理解し、どのようなタイミングで意思決定をするのかを決める参考にしてください。

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今回の試算の計算根拠

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