「うちはまだ必要ない」は本当か その1

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「うちはまだ必要ない」は本当か その1「税理士なんていらないよ」
そんな経営者の方によくお会いします。

ですが、その判断は果たして正しいと言えるのでしょうか?
ここでは、「税理士は本当にいらないのか」について、さまざまな角度から検証してみたいと思います。

 

税理士なんていらないは、大間違い

契約の先延ばしはデメリットだらけ

これから起業する人、起業直後の人、事業規模が小さい人に
「顧問税理士さんは決まっていますか?」
と、お聞きすると多くの場合、つぎのように答えられます。
「まだ仕事をはじめたばかりだから……」
「いまは新規のお客様の獲得に奔走して、それどころではない」

これらは至極、最もなことです。

ですが、事業の規模や、いま忙しいことを理由に税理士との契約を先延ばしにしていると大変な目に合うことがあります。

アパレル関係の事業をスタートさせたAさんは、友人から
「起業したばかりで大変だろうけど、顧問税理士を探しておいたほうがいいよ」
とアドバイスを受けました。それにもかかわらず
「いまはそれどころではない」 と、決算がくるまで経理関係の一切に手をつけずにいました。3月の決算期になり、さすがに不安になりあわてて売上の帳面をつけ、つじつまを合わせて乗り切ったつも
りでいましたが、数カ月後、税務署から電話があり、突然の訪問を受けることに……。
「この領収書は、友人との飲み食いですよね。会議費として認められません」
「10万円を超える物品の購入は、一度に経費として認められません。減価償却をしてもらうことになります。このような基本的なこともご存じないのですか」
と数々の不備を指摘され、予想外に多くの税金を支払うはめになってしまいました。

いつか必ず税務署はやってくる

このAさんの事例は人ごとではありません。
しているわけではありませんが、税務署はいつ訪問してくるか、予想することはできないのです。

会社をはじめて1年後かもしれないし、3年後、もっと後かもしれません。
「設立から6年目だけど、税務署はまだ一度も来ていない。さすがに大丈夫だろう」
という人も安心はできません。ある社長さんが、
「飲食業をはじめて6年間、税務署がやってこない」、
と喜んでいました。しかし、その矢先、7年目に税務署が突然訪れ、過去7年間の税務申告の間違いを指摘されてしまったのです。

こうなっては後の祭り。

7年分のさまざまな売上計上漏れ、経費の使い方を否認され、計500万円ほどの修正申告を余儀なくされてしまったのです。思わぬ支出により、今期に予定していた投資計画は大幅にくるってしまいました。

このように税務署は確実にやってきます。予想外の税金の支払いにおびえるよりも、早く税理士をみつけ、いらぬ不安をぬぐい去っておくほうがいいでしょう。

「規模が小さいから……」はただの言い訳

売上目標の達成こそ税理士が必要

税理士の必要性を感じていない人は
「まだ会社の規模が小さいから、税理士を雇うほどではない」
というのが一般的です。しかし、そのような人に
「では、どのぐらいの規模になったら、税理士を雇うのですか」
とお聞きすると明確な答えが返ってきたためしがありません。

ただなんとなく、延ばし延ばしにしているだけではないでしょうか。

規模がどうであれ、会社経営に重要なのは、将来の計画です。

多くの人は、
「現在の売上は、2000万円。3年後には1億円。10年後には5億円にしたい」
と数年後までの売上目標をもっているはず。

これは素晴らしいことです。

ただし、会社経営とは、売上目標だけをもてばそれでよいわけではありません。必要経費をしっかりと確保し、売上から経費を差し引いた利益目標をもたねば、その成長はただの絵に描いた餅に終わってしまうでしょう。

たとえば、ある飲食店が新メニューを考えたとします。売上目標を上回るため、毎日500食の注文を目標に設定しました。ところが素材にこだわりすぎたため、材料の仕入値が高くなり、メニューを提供し続けることができなくなってしまいました。

もうおわかりですね。

生産目標という類のものは掲げやすいのですが、「経費の適切な管理は苦手」という人が圧倒的に多く、会社経営を傾かせる要因になっている場合が多いのです。

適切な会計管理がない会社ほど不安定

このようにしっかりとした組織は、攻めと守りのバランスがとれています。攻めばかり考えて、守りの発想ができないと、そのプロジェクトは長続きできないのです。

この記事の対象は、会社や個人事業として起業する人、起業した直後の方々です。売上、利益などは大・中規模の企業に比べて低いケースが少なくないと考えられます。

そのような会社は、経営の基盤が不安定なため、ほんの少しの景気の変動や、外部環境の変化に左右されやすいのが特徴です。たとえば「円高になった」「店のすぐ近くに競合店ができた」などの理由ですぐに経営不振に陥ってしまいます。

大きな会社は、多少の景気の変動を乗り切るだけの体力がありますし、顧問税理士を何人も抱えています。

小さな会社だからこそ、優秀な税理士を雇い、しっかりとした会計管理を行い、利益目標をたて、将来への備えを万全にしていくべきではないでしょうか。
「規模が小さいから」というのは、言い訳にならないのです。

 

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