税理士がいるだけで、ビジネスは変わるその3

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税理士がいるだけで、ビジネスは変わるその3起業を考えていて、個人か法人かで迷っている場合には、税法上、どちらの納税額が安いかで決めるのも1つの方法です。
一般的には、年収が700万円、または年商が1000万円を超えたあたりが判断基準と言われます。

 

役員給与や経費の見直しでさらに納税額を軽減

税法上の規定を活用する

たとえば個人事業として独立し、初年度の年収は300万円、2年目は少し向上し600万円、3年目は売上に弾みがついて1000万円以上に伸びそうだというときには、株式会社などに法人化すると「役員給与」を変更することによってある程度の対応ができます

2年目は年収600万円ですから月給は50万円です。この50万円という金額を、役員給与や経費の見直しでさらに納税額を軽減580万円、90万円と設定すれば、増えた分の役員給与を経費として計上することができ、節税できるのです。税理士と相談し、適切な月額給与を設定してみてください。

ただし現在は、利益調整目的での期中の役員給与の変更は、事業年度の開始後3カ月以内であると定められました。逆をいえば、期首から3カ月以内に、売上が大きく増加していたり、今後数カ月以内に大きな取引が発生することが決まっていれば、その時点で、1度だけ、変更が許されるのです。

これを活用しない手はないでしょう。

「一度決めた役員給与を変更できるとは知らなかった」

そんな人は、期首から3カ月目、たとえば4月はじまりの会社であれば6月末の時点で、顧問税理士と役員給与についての相談を行うと決めるのです。

小さな努力を積み上げることにより、税額は大きく変わるはずです

福利厚生費も意外な節税ポイント

ご参考までに、もう1つの節税策をご紹介しておきましょう。
それは、福利厚生費の節税です。

経営者が公共交通機関ではなく、自転車や自動車で通勤していたとしても、経費計上することが認められています。自分は自転車で通勤しているから交通費は発生しない──そのように決めつけるのではなく、今後は、通勤専用の自転車を購入するなどして、その分は経費として認めてもらうようにしましょう。

最後にもう1つ、交通費関係で大きな節税が期待できる項目があります。

出張手当です。小さな会社の社長の場合、取引先との商談、打ち合わせはすべて、自分で訪問する人がほとんどでしょう。そのとき、電車やタクシーなどの交通費、先方との会食代のほかに、日当を支給することができます。

ただし、日当の支給にあたっては、出張旅費規程を作成しておかねばなりません。
社員が出張した場合にも支給せねばなりませんし、一般常識外の離れたような金額も認められません。

小さな会社なら5000円~2万円までの金額が妥当です。それでも日当が1万円で月に10回出張に行く社長なら、10万円が経費として認められ、節税できるわけです。

ほかにも、会社だから認められる経費はたくさんあります。
ぜひ税理士に相談してみてください。

資金繰りの解決策を提示してくれる

融資の相談にも頼れる味方

起業直後から2~3年目までで、経営者が困ることはなんでしょうか。

それは資金繰りです。

一般的には、半年から2年ほど売上があがらなくても会社が運営できる資金をもって開業すべきだと言われます。ですが、そのアドバイスにしたがって開業しても、さまざまな出費があって、結局は「運転資金が足らない」と悩む人がほとんどです。

これは、実際に起業をした人にしか、わかりません。なぜなら外部の人は単純に

①金融機関にお金を借りにいく
②親兄弟、親戚に頼みにいく

このうちのどちらかで解決できると考えるからです。

ところがどっこい。この2つの資金繰り策は、うまくいかないケースが大半です。
なぜなら、①の場合、ほとんどの金融機関は相手にしてくれません。起業して間もない会社はつぶれる確率が非常に高い。とくに起業直後1年間は貸さない──
そのように内規が決まっている金融機関が多いのです。

金融機関は、原則として、決算書3期分をみて、お金を貸せるかどうかを判断します。起業直後の会社には、その判断基準自体が存在しないので、検討の材料がなく、困ってしまうのです。

公的な助成金情報や融資先の紹介まで

②がうまくいかない理由は、起業前にすでに借入を頼みにいっていることが多いからです。

「お父さん、お母さん。じつはいい物件があって、すぐに契約しないと、ほかの借り手と交渉がはじまってしまうらしい。とりあえず保証金として、300万円が必要で、00万は手持ち資金でなんとかするので、残りを貸してくれないだろうか」
こんな頼み事を起業前にしています。

ですから、起業後資金繰りに困ると起業家の多くは「万事休す」となってしまいます。この記事をお読みの方々にも、現在、資金繰りで悩んでいる人は多くおられると推察します。
ですが、開業直後、資金繰りに困った起業家はそれだけで「万事休す」なのでしょうか。

それは違います。そのような考え方は、早計です。

周りを見渡せば、経営について相談しやすい人が絶対に見つかるはずです。
とくに、お金の問題など周囲の誰にも相談できないようなシビアなことであればあるほど、適任の人がいるはずです。

そうです。税理士です

顧問税理士に一度、相談されてみてください。
顧問税理士がいなくても、これはと思う税理士を探し、事務所を訪問してみることをおすすめします。
いい税理士なら、民間の金融機関だけではなく、業種によって活用できそうな公的な助成金情報を教えてくれますし、申請書類の取り寄せ、作成方法にも精通しているはずです。

融資の見込みがある金融機関を紹介してくれる

税理士を仲介すればメリットはたくさん

税理士はクライアントから資金繰りについて相談があったとき、自分の事務所のメインバンクもしくは、懇意にしている金融機関を真っ先に紹介してくれるはずです。

これは金融機関としても嬉しいことです。
“一見さん”の場合、金融機関が融資を行うには、会社が正しい経営を行っているかどうか調べる必要があります。資料を集めたり、会社を訪問して現場をチェックしたり、取引先の経営状況を把握したりするなど、しっかりと精査しなければいけません。
融資の確認を一からはじめるには、たくさんの時間と労力がかかってしまうのです。

しかし税理士の紹介なら、時間も労力もかかりません。すでに税理士が経営状況を示す資料を作成してあり、それを提出すれば済みます。また、税理士が社長の人となりにある程度、責任をもってくれるはずです。

金融機関別の特徴を調べる

金融機関は、起業後1年以内の会社に融資することは、ほとんどありません。

ですが、一部には「○○税理士の紹介なら……」という条件付きで検討してくれる
ところもあるのです。金融機関には、さまざまな特徴があります。たとえば

①大企業への融資が得意な金融機関
②特定の業種を重点顧客としている金融機関
③起業家への融資を積極的におこなう金融機関

などです。困ったことに、これらの金融機関は「うちは大企業が得意ですから、中小企業は相手にしませんよ」などと教えてくれません。

資金繰りに窮した起業家が①の金融機関を訪問したらどうなるか。
失敗する確率は、かぎりなく高くなることでしょう。

起業家は②か③の金融機関を訪問しなければ、まず融資は不可能なのです。
しかし各金融機関の特徴に詳しくない起業家は、何件もの金融機関を訪問し、偶然出会う確率にかけるしかありません。経営を偶然の要素に任せるなど、考えるだけで
怖くなります。
③の金融機関であれば、起業直後の法人にも理解を示してくれます。最低でも、窓口での門前払いとはならず、応接などで社長の話を聞いてくれるはずです。

いい税理士なら、自分が懇意の金融機関のなかから、比較的、起業家を優遇してくれるところを紹介してくれるでしょう。
また、たとえ、1年間の決算書がなくてもかまいません。
税理士の助けを借りて、現在までの月次決算書を作成すればOKです。
「決算書がなくて判断基準がない」という金融機関にも審査の門が開かれるでしょう。

 

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