はじめての「税務調査」1.初期対応のポイント

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はじめての「税務調査」1.初期対応のポイント

「税務署です。10月6日に調査に行きたいのですが」

税務調査は、こんな風に突然来ます。
何の準備もなく、こんな電話を受けたら、何を話せばいいのか分からなくなるのも無理はありません。
この記事では、税務署と最初に接触する際、どのように対応すればいいのかを解説します。

税務署との最初の接触はこうしてクリア

税務調査とは、行政機関が納税者の申告内容を帳簿などで確認し、誤りがあれば是正を求める一連の調査を指します。
税務調査は2種類あり、強制調査は抜き打ちですが、一般的な任意調査は税務署から事前連絡があります。
この連絡が突然やって来ます。

ここで大事なことは、税務署から「税務調査に入る」と電話がかかってきても「分かりました」と即答しないことです。
そして、以下の内容を必ず聞いてください。

  • 税務調査官の名前、所属部署
    (所属部署によって調査の意味合いが異なるケースがある)
  • 税務調査の日時、日程
    (税務調査の日程により、どの程度調べられるのか推測できる)
  • 調査理由
    (理由を明示してもらえれば、事前対策ができる)
  • 調査の対象事業年度
    (通常は3事業年度。それよりも長い場合は理由がある可能性がある)
  • 用意すべきもの
    (通常は決算書、元帳、証憑類、通帳、給与台帳等となっている。
     これら以外のものを指定してきたときは要注意)

これらを確認したら「顧問税理士に確認して、折り返し連絡します」といったん電話を切ります。
ここが重要です。

税務署から電話がかかってきても、決して慌てないでください。
落ち着いて一つひとつ着実に確認すれば、恐れる必要はありません。
心配ならば、この記事を電話のそばに置いておきましょう。

顧問税理士に連絡すると、余裕を持って税務調査の日程を設定してくれます。
その間で準備とリハーサルを行いましょう。

調査当日までの準備としては、帳簿、請求書、領収書、契約書、預金通帳などをそろえ、調査官から提示を求められてもすぐに取り出せる状態にしておきましょう。
もし、提示を求められてから書類を取りに行くと、調査官も一緒についてくる可能性があるので要注意。

調査対象は、基本的に申告済みの前期以前3期分。
不備があれば、当日までに補完しておきましょう。
もし調査上都合の悪いことがある場合、顧問税理士に話しておくことをおすすめします。

無予告調査が来たときに取るべき5つの行動

飲食店や美容院、理髪店など、現金商売をしている事業主に対しては、一般の任意調査でも事前通知なしで税務調査官がいきなりやって来るケースがあります。

この場合、社長さんは直ちに税務調査を拒むわけにはいきません。
次の5つの行動を取ってください。

  1. まず、社長さん自身が落ち着くこと
  2. 税務調査官の身分証明書を確認し、税務調査の理由を聞く
  3. 周囲に従業員等がいる場合には、税務調査官を社長室や応接室に通す
  4. 速やかに顧問税理士に連絡する
  5. 顧問税理士が会社に来るまで、税務調査の開始を待ってもらうよう税務調査官に伝える

特に顧問税理士への連絡は非常に重要。
顧問税理士が来るまで、税務調査官が作成した念書や始末書等にサインや捺印は絶対にしないでください。

「今年は来るかも?」不安な場合は相談を

事前通知の有無を問わず、突然の税務調査は不安で仕方ありません。
身に覚えがある方もない方も、どうしても心配な場合は、顧問税理士に相談してみましょう。

社長さんにとって税務調査は非日常的なイベントです。
一方、税理士は多くの顧問先の税務調査に立ち会うので、調査には慣れています。

顧問税理士には税務調査のリハーサルをお願いしましょう。
一度、疑似体験しておけば、落ち着いた気持ちで調査に臨めるからです。

どんな人でも税務調査は不安で、当日は緊張してしまいます。
極度にあがってしまい、落ち着かない態度を取ると、税務調査官から誤解や指摘を受ける可能性があります。
不用意な一言が命取りにもなりかねないので、顧問税理士から指導を受けておきましょう。


調査件数は減少しても追徴税額は前年並み!

平成24事務年度(平成24年7月~25年6月)の税務調査の件数は、10万件を割り込み、前年と比較して27.4%も減少しています。

件数減少の原因は、平成25年の国税通則法改正で税務調査の手続きが複雑になり、税務調査を実施する側が不利になったことが挙げられます。

法人税の実地調査の状況

一方、調査による追徴税額は前年比96.4%とさほど減っていません。調査1件当たりの追徴税額は前年比132.9%と大幅に増加しているのです。
つまり、調査件数が減った代わりに1件当たりの調査を厳しくして追徴税額を確保しようとしています。

平成24年度の調査件数減少を受け、今年は夏に入ってから早々に税務署が動いているとの情報が入っています。
もし税務調査の連絡が入ったら、万全な対応が求められるでしょう。

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