はじめての「税務調査」3.税務調査に関する6つの誤解

LINEで送る
Pocket

はじめての「税務調査」3.税務調査に関する6つの誤解
これまで税務調査の経験がない、あるいは1~2回しか税務調査を受けていない社長さんは、当然ながら税務調査の実態をよく知りません。

その一方でさまざまな情報が入ってきます。

ただし、その中には間違いや誤解も少なくありません。

この記事では、税務調査に対して都市伝説化している情報について解説いたします。

1.任意調査の場合、調査日程をこちらの都合に合わせて決められるから、先延ばし続けて断ることもできる

残念ながら税務調査を断ることはできません。
税務調査は法律に基づいて行われており、税法では税務署の職員に質問調査権というものを認めているからです。
いくら調査日程を自社の都合で決められるといっても、いたずらに先延ばしすることはやめましょう。

なお、下記に記したような理由がある場合には、税務調査を断ることができるといわれています。

【税務調査を断れる正当な理由】

  • 税務調査官が身分証明書等の呈示を求められて、これを呈示しない場合
  • 質問検査権のない税務調査官により税務調査が行われた場合
  • 必要性がないのに、深夜に税務調査が行われる場合
  • 税務調査を受ける者の営業活動を著しく停滞させる場合
  • 税務調査を受ける者が不在の場合
  • 税務調査を受ける者が心身喪失の状況にある場合

2.赤字の会社には税務調査が来ない。

赤字会社に対しても税務調査はしっかり実施されます。
全国の国税局・国税事務所が、平成24年7月から25年6月までの1年間に「赤字」と申告した企業約3万7,000社を税務調査したところ、約4,400社が黒字だったことが判明しました。

【平成24年事務年度無所得申告法人の実地調査の状況(法人税)】

  • 実地調査件数 37,301件
  • 非違があった件数 26,209件
  • 黒字申告に転換した件数 4,466件

出所:国税庁「平成24事務年度における法人税・法人消費税の調査事績」

赤字法人の場合は特に役員給与・賞与について指摘される可能性があります。
また、赤字で法人税と事業税がかからなくても、消費税や源泉所得税、印紙税、固定資産税等の税金は支払わなければなりません。
これら税金をチェックすると、不備が出てくるケースがあるのです。

3.税務調査では机や引き出し、かばんの中身を強制的に調査される。

任意調査では基本的に納税者の同意を得ることなく、調査官が社長や社員の机の引き出しやかばんの中身を調べることはありません。
しかし、机やかばんの中にある私的な物品や調査と無関係のものは事前に処分しておくことが賢明です。
万一、調査官が強引に調べようとしたら、毅然とした態度で拒否してください。

4.税務調査では、何かしら「お土産」を渡したほうがいい。

ここでの「お土産」とは、税務調査で何も問題点が見つからないと、調査官は業績を残せず帰りづらいので、納税者があらかじめ帳簿上に適度な間違いをしておくことを指します。

お土産こそ、都市伝説化しているまったくの誤解です。
お土産を用意している納税者は、税務署にとって税金を取りやすい「カモ」になってしまいます。
一度でもお土産を渡すと、税務署はその会社を「調査すれば何か出る」と思うようになり、コンスタントに調査に入るようになります。

御社の経理が間違っていなければ、お土産なんて一切用意する必要はありません。

5.税務調査では、調査官を社長室や応接室に通し、ありのままを見てもらうようにする。

何も悪いところがないので、ありのままを見てもらいたいという気持ちは素晴らしいです。
しかし、普段の姿を見せると、調査官はいろいろ詮索をするものです。

調査官が調査当日注目するのは、室内にあるカレンダーです。
金融機関や企業からもらったカレンダーがあると、調査官は決算書の内訳書に載っている名前と一致するかをチェックします。

普段通りの社長室や応接室では、調査官に「もっと疑ってください」とアピールするようなものです。
税務調査は不要なものを一切片付けた、ガランとした部屋で実施するようにしましょう。

6.調査官は納税者に対して戦闘的なスタンスで臨んでいる。

税務署員も人の子です。
大半の調査官は、決して納税者を懲らしめてやろうとは思っていません。
むしろ、納税者からは嫌われ、税理士とは言い合いになるので、調査に行くのが辛いとストレスを感じている調査官もいるくらい。
女性や若手の調査官の場合、相手から見下されることに過敏になっている例が多いそうです。

特に経験年数が浅い若手職員は不安がいっぱい。
調査に関して決定権もなく、税務署に戻ると上司である統括官に一から十まで復命しなければなりませんので、隅々まで調べる必要があるのです。

 

LINEで送る
Pocket