確定申告ってどういうこと?ポイント2 所得税は「収入→所得→税額」の順に計算していく

LINEで送る
Pocket

所得税は「収入→所得→税額」の順に計算していく

所得税は、その名の通りに個人の所得に対してかかってくる税金です。
ですから所得税を出すには、まず所得がいくらになるかを知る必要があります。
では「所得」とは何なのでしょうか。それからやはりよく聞く言葉である「収入」と「所得」とは違うものなのでしょうか。
もしかすると、所得と収入は同じと考えている人も結構いるかもしれません。
しかしこの二つは同じではありません。

所得は収入とは違うもの?

簡単に言えば、仕事をしたりものを売るなどして入ってきたお金が収入で、そのお金を得るためにかかった経費を引いて手元に残ったのが所得です。
会社でいえば、収入は売上にあたり、所得は売上から経費を引いた利益にあたると考えるといいでしょう。

ですから収入と所得の関係は次のようになります。

収入-経費=所得 … 人の場合
売上-経費=利益 … 会社の場合

確定申告の書類でも、「収入金額等」と「所得金額」を書き込む欄が別々にあります。
このサイトでも、「収入」と「所得」という言葉はこれから何度も出てきます。
その違いを覚えて混同しないようにしてください。
なお「経費」の代わりに「費用」や「必要経費」などと言うことがありますが、基本的にどれも同じものと考えてかまいません。

所得額が分かったら次はどうするか

所得税は、所得額に応じて一定の税率を掛け算することで算出されます。
ただし、収入から経費を引いて出てきた所得の全額に課税されるのではありません。
そこからさらに各種の「所得控除」を差し引いて「課税される所得金額」を出します。
この「課税される所得金額」に決まった税率を掛け算すると税額が出てきます。
実はまだこの後も計算することが残っているのですが、その前に「所得控除」と「課税される所得金額」について説明しておきましょう。

所得控除は、「経費ではないけれども、個人が生活する上で必要なので税金をかけないことにしたお金」と考えるとよいでしょう。
具体的には、次の14種類があります。

【給与所得者でも確定申告が必要となる控除】

●医療費控除
●雑損控除
●寄付金控除

【保険料などの控除】

●社会保険料控除
●小規模企業共済等掛金控除
●生命保険控除
●地震保険控除

【自分や家族の状況に応じて控除されるもの】

●配偶者控除
●配偶者特別控除
●扶養控除
●寡婦(夫)控除
●勤労学生控除
●障害者控除

【誰でも控除されるもの】

●基礎控除

個人事業主や自営業者、フリーランス、不動産所得がある人などは、これらの控除のうち該当するものがないかどうかを確認する必要があります。
もし確定申告のときに控除の欄に記入し忘れていても、誰も教えてくれないからです。
サラリーマンなどの給与所得者は、通常は最初の「医療費控除」「雑損控除」「寄付金控除」以外は年末調整の時点で計算してあるはずです。
ですからまずはこの3つだけを覚えておいてもいいでしょう。

さて、所得から所得控除を差し引いて「課税される所得金額」が分かりました。
もし課税される所得金額が「0」になったら、所得税はかかりません。
課税される所得金額が大きくなるほど所得税額が増えるのは当然ですが、実は税率も段階的に上がっていきます。
一番低い税率は5%ですが、課税される所得額が1,800万円以上ある人は最も高い40%になります。
あなたの課税される所得金額に該当する税率に従って計算をすると、課税される所得金額に対する税額が出ます。

「所得控除」より「税額控除」の方がメリットは大きい

「課税される所得金額に対する税額」という回りくどい言い方をしたのは、まだこれから「税額控除」を差し引く計算が残っているからです。
所得税の確定申告で認められている控除は、大きく分けてすでに説明した「所得控除」と「税額控除」の2つがあります。
所得控除は税額を出す前の所得から差し引きますが、税額控除は算出した税額から直接差し引くのでより節税効果が大きいといえます。

税額控除には、次のようなものがあります。

住宅に関する控除

●住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)
●住宅耐震改修特別控除
●住宅特定改修特別税額控除
●認定長期有料住宅新築等特別税額控除

寄付金に関する控除

●政党等寄付金特別控除
●認定NPO法人等寄付金特別控除
●公益社団法人等寄付金特別控除
●特定震災指定寄付金特別控除

配当所得に関する控除

●配当控除

災害に関する控除

●災害減免額

その他

●外国税額控除

なお所得控除および税額控除の個別の内容については「ポイント5 多いほど所得税額が減らせる「控除」とその種類」で解説します。

最後に源泉徴収された金額を引く

課税される所得金額に対する税額から税額控除の合計を引くと、ようやく「申告納税額」が出てきました。

ただ「申告納税額」が出ても、まだ終わりではないのです。
「申告納税額」は、あなたが1年間の所得に応じて納めるべき所得税の金額です。
ところが実際には、確定申告をする前に所得税をすでにある程度払っていたり、払い過ぎている場合が多くあります。
給料や配当、報酬などが支払われた時点で、源泉徴収税として国に納めているからです。

源泉徴収票を見ると、所得税および復興特別所得税としていくら払ったのかが書いてあります。
その金額を合計して、申告納税額から差し引きます。
こうして確定申告に伴って納める税金の額が出ます。
源泉徴収で払い過ぎていた場合は「申告納税額-源泉徴収税額」がマイナスになります。このマイナス分は還付される税金となり、確定申告をすることによって戻ってきます。

こうしてみると所得税額を出す計算は複雑なようですが、基本的には次のようにどんどん引き算をしていくだけです。

  1. 「収入-経費」で所得を出す
  2. 「所得-所得控除」で「課税される所得金額」を出す
  3. 「課税される所得金額」をもとに所得税額を計算する
  4. 3.で出た所得税額から税額控除を引いて「申告納税額」を出す
  5. 「申告納税額-源泉徴収税額」で納める税額を出す。マイナスになった場合はその額の還付金が戻ってくる

以上、所得税を計算するおおまかな流れを、まずはここで頭に入れておいてください。

LINEで送る
Pocket