年末調整の時期がやってきました。フリーランスで働かれている方は年末調整が関係なく、年度末に確定申告をして税金額を明らかにします。
さて、せっかく自分で稼いだお金ですので、できるだけ税金で持っていかれないようにしたいですよね。
1.どうしたら税金を低くできるのか?
税金はあなたが稼いだ年収から経費を差し引いた「所得」をベースに計算されます。そのため、できるだけ多く経費をきちんと計上し、できるだけ多くの控除を受けるという2つの作業をすれば必然的に税金は低くなります。
税金=年収-経費×税率-控除
2.知っておきたいフリーランス向けの5つの控除とは?
①青色申告特別控除:65万円または10万円
確定申告の際、白色申告と青色申告という2種類の申告方法があります。白色の方は簡易版で、青色申告では貸借対照表と損益計算書を提出しなくてはいけないので、人によっては苦手意識があるかもしれません。
けれども、青色申告をすれば税金の控除を受けられるという特典があります。毎年2月ぐらいには確定申告書の書き方講座を各税務局で開いてくださるので、是非参加しましょう。
控除額が10万円の場合は単式簿記、65万円の場合は複式簿記で提出します。単式簿記は単にお金の出入りを通帳記入するだけでラクですよ。
②配偶者控除・扶養控除(所得控除):38万円
この所得控除は条件を満たしていれば誰でも使える控除です。それぞれの条件は以下の通りです。
- 配偶者控除→あなたに配偶者(妻または夫)がいて年間の合計所得が38万円以下(給与所得の場合は150万円以下)の場合に38万円の控除が適用となります。
- 扶養控除→あなたに6親等以内の扶養親族がいる場合に38万円の控除が適用となります。
この二つの控除は、夫婦どちらか一方の収入が高い方(主な生計者)が記入します。あなたが妻で月に10万円程度の稼ぎであれば、配偶者控除・扶養控除は夫側が記入します。
③【白色申告者のみ】専従者控除
フリーランスで働かれている方は、家族に仕事を頼むことも多いのではないでしょうか。家族に給与明細を渡して給与を支払っているのであれば、専従者控除を利用できます。但し、専従者控除を使うと配偶者・扶養控除は利用できなくなります。
- 白色申告をしている方が専従者控除を受けるには、以下の2つのうちいずれか低い方が控除額となります。
・専従者(あなたの事業の手伝いをしてあなたからお金を受け取る家族)が事業主(あなた)の配偶者であれば86万円、配偶者でない場合はひとりにつき50万円
・この控除を行う前の事業所等の金額を専従者の数に1を足した数(例.2)で割った数
→事業所得500万円で専従者1名の場合:500万円÷2=250万円→控除額は86万円または50万円
④【青色申告者のみ】専従者給与
青色申告をしている方は専従者控除が受けられません。その代わりに、専従者給与という税制があります。専従者の給与を経費として差し引いてよいよ、という制度です。
専従者控除を受けるには、以下のような条件があります。
・給与を支払う者が「青色事業専従者給与に関する届出書」をあなたの納税を管轄する自治体に提出している
・給与は上記の届出書に記載された支払い方法と金額の範囲内で支払っている(10万円以内ぐらい)
⑤社会保険料控除:全額控除
あなたが加入している生命保険や社会保険があれば、そこから毎年11月ぐらいに控除証明書が郵送されてきます。それを大切に保管し、確定申告の社会保険料控除の控除欄に記入しましょう。全額控除されます。
⑥小規模企業共済等掛金控除:全額控除
他にフリーランスの方が加入していそうなものとしては国民年金基金や小規模企業共済があります。これらの指定された個人年金などに支払った掛金も控除の対象です。国民年金基金はフリーランスの方向けの老齢年金で、加入している方も大変多いです。
また、少し前に話題になったiDeco(確定拠出年金)も控除対象です。iDecoでは投資または国際などの購入だけでなく定期預金コースもあります。お金を老後のために預けているだけで、所得税や住民税が安くなるなんてオトクですね。
⑦医療費控除:10万円
個人の場合と同じく、医療費控除もフリーランスの方は利用できます。医療費で10万円以上の利用分がある場合は、レシートや領収証を確定申告書に添付して申請しましょう。
セルフメディケーション税制だと、年間1万2千円分以上の対象品のレシートや領収書で控除を受けられます。どちらか片方のみの申告となりますので、注意しましょう。
⑧基礎控除:38万円
万人に使える基礎控除枠があります。これは確定申告書では向かって左側の扶養控除の下の欄に書かれています。忘れた場合はおそらく税務署の方からチェックが入りますが、ご自身でも忘れずに申告しましょう。
まとめ
フリーランスの向けの税制での控除の種類をご紹介致しました。この他にも障害がある場合や寡婦の場合などに使える控除があります。
正当な控除を記入し、引かれる税金はできるだけ少なくできるよう頑張りましょう。