税務調査で通帳を見せろと言われた!税務調査はなぜ行われている?

株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
会社設立支援や資金調達支援など、これから起業を検討している方やすでに起業している経営者の皆さんを様々な角度からサポートしています。

税務調査をされて楽しい気分になる事業主はいないはずです。なぜ税務調査をされるのか身に覚えがない時でも、なぜか不安になってしまいますよね。

今回の記事では、税務調査の際に通帳の提示を求められたらどうすればいいのか、というお話を中心に、税務調査が行われている理由について解説していきます。

1.税務調査が年間で行われている件数

突然ですが、税務調査は日本で年間どのくらい実施されているでしょうか?平成28年度の場合、実施件数はなんと97,000件もありました。もう少しで10万件です。その中で、実際に申告された税額と異なった件数(非異があった件数)は72,000件もありました。非常に多いですよね。但し、その中の52,000件はいわゆるワザと改ざんしたとはみなされず、不正申告以外として認識されています。詳細は、以下の国税庁による文書をご確認ください。

【発表資料】平 成 28事務年度 法 人 税 等 の調 査 事 績 の概 要|国税庁

※上記URLをクリックすると、国税庁作成の文書(PDF)へリンクします

こちらの文書によると、申告漏れの所得金額は8,267億円でした。こちらも、とてつもない数字です。税務調査が行われている背景としては、この非常に多額の未申告の所得があるからと言えるのではないでしょうか。

2.通帳は何のために確認するのか?

①明細で大きな金額の動きから「課税が正しいか」を確認するため

税務調査で事業主が「通帳を見せてください」と税務調査官に求められることはよくあります。これはなぜか?通帳明細は改ざんしづらい事業の証拠となるからです。

通帳明細は金融機関によって個人のアカウント(口座)が作られており、口座に対して「預入」や「支払」すると明細の「お預り金額」欄と「お支払い金額」欄に数字が自動的に印字されます。個人的に付けられている帳簿よりも第三者である金融機関が間に入っているため、預け入れや支払いの事実は動かせません。そのため、通帳は税務調査でも証拠としての十分な要素を満たしていると考えられています。ちなみに、意外かもしれませんが、事業融資を受ける場合も通帳は重要な役割を果たし、通帳コピーが融資の申請手続き書類の一つとなっています。

さて、税務調査官が通帳で確認したいのは以下2点です。

  • 怪しいと思われる期間に大きなお金の動きがないか
  • 定期的に得ている所得はないか

事業者のホームページなどを見ているとかなり景気が良さそうなのに、確定申告では書かれている所得がずいぶん少ない。在庫がかなり余ってそうなのに、在庫計上がずいぶん少ない。税務調査官は税務のプロですから、この例のように怪しいと思われるポイントがいくつかある事業所には、この期間にこれだけの所得があったのではないか、などの推測を立てて調査します。

通帳を見せてくれ、と言う場合は、調査の対象年で大きな金額の動きがないかをまずは隈なくチェックします。場合によっては、過去の通帳もさかのぼって見せてくれ、と言われる場合もあります。また、通帳では大きな期間でのお金の動きも把握できますが、定期的な記録も確認できます。定期的な収入はないか、あるのに申告漏れはないか、と通帳から確認することが可能です。

②怪しいと思われる事業者がシッポを出すかもしれないから

税務調査をする際に、必ずこの事業主が怪しいと明らかに分かっている場合とそうでない場合があるようです。事実、税務調査をされても結果的に「シロ」であるケースも多々あります。

しかしながら、税務調査官が税務調査を事業者に対し定期的に行う事は正確な納税につながる大切なアクションと考えられています。例えは悪いですが、学校の授業でも、抜き打ちテストをする先生とそうでない先生では、生徒たちが普段の授業を真剣に受けるかどうかはかなり変わってくるのではないでしょうか。

3.通帳を見せろと言われた時の対処法は?

①事業用の通帳の場合

税務調査の際に事業用の通帳を見せなければいけないという法的根拠があります。それは、国税庁のホームページで以下のように記載のある国税通則法第74条の2です。

第1章 法第74条の2~法第74条の6関係(質問検査権)

※上記URLをクリックすると、国税庁の公式ページへリンクします

(質問検査等の対象となる「帳簿書類その他の物件」の範囲)

1-5 法第74条の2から法第74条の6までの各条に規定する「帳簿書類その他の物件」には、国税に関する法令の規定により備付け、記帳又は保存をしなければならないこととされている帳簿書類のほか、各条に規定する国税に関する調査又は法第74条の3に規定する徴収の目的を達成するために必要と認められる帳簿書類その他の物件も含まれることに留意する。(注) 「帳簿書類その他の物件」には、国外において保存するものも含まれることに留意する。

事業用の通帳については、提示を求められた場合は見せることです。ちなみに、上記の国税庁のリンクページ全体では「自発的」という言葉が頻発しています。「もしかして、あの部分が間違っていたかも?!」と思われる場合は自発的に見直しをして修正版を提出することができます。その方が、追徴課税になった場合は支払う税金は安く(追徴課税が15%のところ5%)なります。

ちなみに、税務調査には事前通知ありと事前通知なしの場合があり、事前通知ありの場合に慌てて自主申告してもそれは「自発的に」見直しをしたとはみなされません。ご注意ください。

②個人の通帳の場合

個人の通帳は事業の税金額を確認するための資料には該当しません。但し、個人用と事業用の資金の出し入れを個人口座でごっちゃにしている場合は、個人の通帳も見せなくてはいけません。

税務調査が長引かないよう、事業用と個人用の通帳と口座はあらかじめしっかりと分けておきましょう。

4.税務調査対策も融資の仲介も税理士がお役に立ちます!

日頃からしっかりと帳簿を付けていれば、税務調査でびくびくすることはありません。けれども、日頃の業務で忙しく、記帳もままならない。こんな方は、予算に応じて税理士に依頼することも一つの得策と言えます。

また、税理士によっては税務調査だけではなく、事業融資をする際のアドバイスや事業計画書の作成の代行も得意です。「餅は餅屋に」という言葉もあります。事業融資を失敗したくない場合は、ぜひ融資を通した経験の多い税理士に相談してはいかがでしょうか。

まとめ

税務調査で通帳の開示を求めらつことには法的根拠がありますので、じたばたせずに事業用の通帳のみを見せればOKです。

事業融資の際でも通帳は提出書類の一つです。いつでもだ誰にでも見せられるクリーンな通帳づくりを心がければ、追徴課税や融資の審査落ちは免れることでしょう。

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