会社設立するならどちらがいい?株式会社と合同会社の違い

株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
会社設立支援や資金調達支援など、これから起業を検討している方やすでに起業している経営者の皆さんを様々な角度からサポートしています。

会社を設立しようと考えた時、一般的に知られているのは株式会社ですよね。

ですが色々と調べていくと合同会社というものも存在する……。

一体何がどう違うのか? 株式会社とどちらがいいのか?

と疑問に思う方もいらっしゃるかもしれません。

そこで今回は株式会社と合同会社の違いやそれぞれのメリット・デメリットについて解説します。

1.会社を設立するときに注意すべき株式会社と合同会社の違い・共通事項

法務省が公表している登記統計の株式会社及び合同会社の登記推移によると、平成30年度に設立された株式会社の数は91,073社であり、これは前年度から4.9%減少しています。一方で合同会社の設立された数は29,243社であり、この数は前年度から6.6%増加しています。また、合同会社の設立数は年々増加しています。(参照:会社及び登記の種類別 会社の登記の件数|法務省

このように、まだまだ株式会社の総数の方が多いですが、近頃では会社を設立する際に合同会社を選ぶ傾向が高まっています。

株式会社と合同会社の違いは事業内容ではなく、「経営や出資の関係」と「組織のあり方」で区別されています。

◯株式会社と合同会社の主な違い

株式会社項目合同会社
株主総会最高意思決定機関出資者
取締役・取締役会経営者(業務執行機関)出資者
2年~10年取締役任期制限なし
20万2,000円~設立費用6万円~
高い信用度株式会社に比べると広く認知されておらず低い
出来る株式公開出来ない
株式発行が出来る資金調達株式が無いため、融資の形になる
あり決算公告の義務なし
出資の範囲内(有限責任)責任範囲出資の範囲内(有限責任)

(1)株式会社の場合

株式会社は、株式を発行して資金を集めて作られる「会社」の代表的な形態です。株式会社は「社員・経営者」と「出資者(株主)」に分けることが出来ます。

株主総会という言葉をよく耳にしますがこれは株式会社の最高意思決定機関であり、出資者(株主)が取締役や監査役を選出し、事業方針を決める場です。

一方で出資者(株主)は会社の所有者ですが経営には携わりません。経営を行うのは取締役などの経営者になります。これを「所有と経営の分離」と言います。

「所有と経営の分離」をするメリットとしては会社の出資者(株主)と経営者を分けることにより、客観的な視点での経営がしやすくなる事です。

しかし、出資者(株主)の意見に左右されることが多く、柔軟な会社経営が難しくなる場合があります。

(2)合同会社の場合

合同会社は経営者と出資者が同一です。

つまり「所有と経営の分離」の形態をとっていないので、経営者は必ず出資者です。

そのため、柔軟な経営を行うことが可能です。

(3)株式会社と合同会社の共通事項

株式会社と合同会社の出資者はどちらも「有限責任」を負っています。

有限責任というのは、会社が倒産し、債務を抱えた場合でも出資額以上の責任を負わなくてもよいことを言います。

反対に会社に負債があった場合はその負債総額を、みずからの財産を用いてでも債権者に返済しなければならない合名会社や合資会社などは「無限責任」という形態をとっています。

2.株式会社と合同会社、会社設立するならどちらがいいの?メリットとデメリット

株式会社と合同会社の特徴を見比べた際、設立するならどちらの方がいいのでしょうか。

現在日本の会社のおよそ9割が株式会社であるといわれています。

株式会社にするメリットには以下のものがあります。

(1)株式会社にした際のメリット

①株式会社で行えない業務はない

個人事業を法人化した会社から、世界的な大企業に至るまで、株式会社ならあらゆる業務を行えます。

②資金調達に選択肢が多い

金融機関からの融資以外にも株式会社は株式上場を行い、多くの人に株式を発行することで多額の資金を集めることが可能です。

③出資者(株主)は有限責任

株式会社の出資者は自分の出資した額以上の責任を負いません。そのため、出資額を仮に失ったとしても、それ以上の損失を負わないので、出資者を募りやすいです。

(2)株式会社にした際のデメリット

①株式会社を設立するには費用が多く掛かる

例えば会社を設立の登記の際にかかる国税に「登録免許税」というものがあります。株式会社の場合、最低課税額は15万円~になります。

また、その他にかかる費用として、

  • 定款に貼る収入印紙4万円(電子定款の場合は0円)
  • 定款認証手数料5万円
  • 定款の謄本手数料2千円(電子定款は300円)

があります。

株式会社の設立費用に関してはこちらの記事で詳しく説明していますので、あわせてご参照ください。

株式会社の設立費用:企業のために準備しておきたい資金額の内訳とは

②株式会社には守らなければならないルールが多い

株式会社の設立から株式発行に関する手順、会計方法、取締役機関の設置や解散など、株式会社の経営に関する規定が会社法によって定められています。また、取締役の任期や決算公告義務などもあり、定期的に登記や公告の費用も発生します。

さらに、何か経営行動を取ろうとした場合、それを実行に移すためには多くの機関の承認が必要になり、実際に経営行動に取りかかるまでに非常に時間がかかってしまうこともあります。

③利益の配分が株式の枚数に左右される

株式は「1株あたり〇円」と決められており、株式数に応じて株主に還元されます。

仮に会社への貢献度が高い出資者に利益を多く配分したいと思っても、出資額が少なければ利益も少なく配分をしなければならなくなってしまいます。

(3)合同会社にした際のメリット

①会社設立にかかる費用が少ない

株式会社では15万円かかった「登録免許税」も、合同会社では最低6万円から設立することが出来ます。

合同会社の設立費用についてはこちらの記事で詳しく説明していますので、あわせてご参照ください。

合同会社の設立費用:法人登記をして会社運営をするために必要な額は?

②手続きが簡単で、意思決定が速い

合同会社は出資者=経営者なので、株主総会などを行うことなく経営方針などを決定できます。また、経営方針を実行に移す際も多くの機関を通す必要がないのでスピード感と柔軟性があります。

③利益の配分を自由に決められる

出資者の出資金額と関係なく利益を配分することができます。

例えば、出資金額にかかわらず出資者には利益を一律で配分してもよいですし、たとえ出資金額が少なくても利益に貢献した出資者に加重して利益を配分してもよいなど、会社の事情に応じて利益の配分を決められます。

④出資者は有限責任

合同会社の出資者も株式会社と同様に有限責任です。

(4)合同会社にした際のデメリット

①信頼性がないと思われてしまいがち

株式会社ほど合同会社という名前の認知度が低いということや、株式会社のように複雑な組織形態の基盤がないこと、意思決定が簡単に済みすぎてしまうことなどで信頼性がないと思われてしまい、取引で不利になる可能性があります。

②資金集めが難しい

合同会社には株式がありませんので、当然株式上場を行うことが出来ません。そのため資金を集める手段が限られてきます。

ですが日本政策金融公庫などの金融機関から融資を受けるという手段もあるので、合同会社での会社設立が途方もなく困難ということはありません。

③人間関係の維持が必要

合同会社の場合、出資者と社員が同一であるため、社員が退社をしてしまうと出資額の払い戻しをしなければならなくなることがあります。

その結果、会社の資金が減ってしまうということが起こります。

そのため、出資者との関係を良好に保つための努力をすることが必要にもなってきます。

3.株式会社と合同会社どちらがいい?会社設立するときに考えるべきポイント

重要なポイントとして将来的に株式上場を考えているかどうかがあります。もしあなたが株式上場を考えているのであれば、選ぶべきは株式会社になるでしょう。

株式を発行しない会社は上場できないからです。

例えば以下のようなことを想定しているのなら、資金調達の選択肢の多い株式会社を選ぶべきでしょう。

  • ベンチャーキャピタルなどを用いて資金調達をする場合
  • 研究開発を必要とし、多くの資金を集める必要がある事業の場合

反対に上場を考えていない場合、設備投資などで多くの資金を必要としてない場合は会社を設立するために掛かる費用を安く抑えられる合同会社を選んでもいいでしょう。

例えば、

  • 特定の技術やデザイナー、コンサルタントなどが中心となる場合
  • BtoCの事業(理美容、飲食など)
  • 資金や法人格の知名度があまり必要ない分野の事業

などです。

また、出資額に関わらず利益を分配することが出来るので、フラットなメンバーシップを持ちたいと考える場合などにも合同会社の仕組みは有力な選択肢です。

まとめ

株式会社には複雑な組織形態や守らなければならないルールなどが多いですが、そのために信用度は高いです。

一方で合同会社は株式会社よりも組織形態が簡単で、守らなくてはいけないルールも少なく自由度が高いですが、株式会社に比べると信用度は低くなりがちです。

株式会社であっても合同会社であっても、会社を設立する際には、会社の将来を想像することが必要です。

会社運営に多くの資金が必要で、知名度や信用が欲しいと思うものなら株式会社にするべきでしょう。

反対に多くの資金が必要なく、知名度も問題になりにくい場合は設立費用を抑えられる合同会社を選択してもいいでしょう。

いずれにしても自分の起業したい会社が、どちらの形態に合っているのか適切に選択して会社社設立することが大切です。

こちらの記事では株式会社と合同会社を設立する方法を解説していますので、あわせてご参照ください。

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