会社設立で使う登記簿謄本の種類・手数料・閲覧・登記事項証明書との違い

株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
会社設立支援や資金調達支援など、これから起業を検討している方やすでに起業している経営者の皆さんを様々な角度からサポートしています。

会社設立をする時の手続きとして、法務局で行う「登記」があります。現在では登記はデータ化され、紙で記録されることはなくなりました。それに伴い、現在では「登記謄本」ではなく、「登記事項証明書」という言葉を使うようになっています。

今回の記事では、登記簿謄本と登記事項証明書という言葉で違いはあるのか、登記簿謄本を取得するための手数料や閲覧方法をわかりやすく解説いたします。

なお、登記をする際の注意点については当サイトで以下の記事もご用意しています。ぜひ併せてご覧ください。

会社登記の具体的な手順と必ず抑えておくべき6つの注意事項

1.登記簿謄本は会社設立時に必ず必要な添付書類

あなたが会社設立をしたならば、税務署や市区町村役場へさまざまな書類を提出しなければいけません。登記簿謄本はこの際に必ず必要になる添付書類のひとつです。

【会社設立の届出で必要な添付書類一覧】

提出先書類の種類提出期限
税務署登記簿謄本

・定款の写し

・設立時の貸借対照表

・株主名簿の写し

・現物出資があるときは出資者の氏名・出資金額等を記載した書類

設立から2ヶ月以内
税務事務所・定款の写し

・履歴事項全部証明書(登記簿謄本

設立から1ヶ月以内
市区町村役場・定款の写し

・履歴事項全部証明書(登記簿謄本)

設立から2ヶ月以内

※ひとり社長の場合

※従業員を雇う場合は労働基準監督署とハローワークへの提出書類もあり

そもそも「登記」とは、新しく設立する会社や不動産などの権利や所属を明らかにする必要がある情報を「登記簿」という公的な台帳に登録する手続きのことを言います。登記簿謄本は法務局で請求すれば「登記簿謄本」として紙に印刷されたものを取得できます。

登記簿謄本の提出先は税務署・税務事務所・市区町村役場と複数ありますが、税務署や市区町村役場では登記簿謄本の原本(請求して手に入れたもの)ではなくコピー可の場合があるので、まずは1部を取得すればOKです。

会社設立以外にも、登記簿謄本は以下の場面で使います。

  • 登記した内容を変更するとき
  • 補助金や助成金を申請するとき
  • 融資を受けるとき
  • 決算申告するとき

2.登記簿謄本・登記事項証明書・履歴事項全部証明書の違い

登記についての手続きや法務局の窓口では登記簿謄本ではなく「登記事項証明書」という言葉も使われています。また、関連する言葉で「履歴事項全部証明書」という言葉もあります。

わかりやすくするために、これらの言葉の意味を以下の表でまとめてみました。

【登記簿謄本・登記簿抄本などの言葉のちがい】

言葉意味
登記簿謄本(=登記事項証明書)

 

・登記簿の謄本をすべて複写した紙の書類。昔は縦書き・手書きで記入されていた。

・登記簿とは、会社や不動産などの所有者などの情報が書かれた分厚い帳簿のこと。

・登記簿の種類には「法人」「不動産」「商業」の3種類がある。

登記事項証明書(=登記簿謄本)・登記簿謄本をデータ化したものをコピーしたもの。

・登記簿の種類は登記簿謄本と同じ。

履歴事項全部証明書・登記事項証明書の中の重要項目(全16項目)は変更履歴をすべて複写またはコピーした書面。
登記簿抄本(=一部事項証明書)

 

・登記簿謄本の中の一部のみを複写した紙の書類。
一部事項証明書(=登記簿抄本)・登記事項証明書の中の一部のみをコピーした書面。

登記簿謄本と登記簿抄本という言葉は登記簿を複写した紙の書面を指しますが、近年ではパソコンやインターネットの普及によりデータ化が進んでいます。そのため、現在は登記簿謄本や登記簿抄本という言葉の代わりに登記事項証明書や一部事項証明書のように「証明書」という言葉を使っています。

しかしながら、登記簿謄本と登記事項証明書という言葉はまだ混在している状態です。役場に行って「登記簿謄本が欲しいのですが」と言ってもまだ話は通じます。その代わり、窓口での表記は「登記簿謄本」ではなく「登記事項証明書」に切り替わっています。

上記は岐阜地方法務局のホームページの一部ですが、Q&Aの中で「登記簿謄本、又は登記事項証明書」という表現を使っています。

2.登記事項証明書は全部で4種類

登記事項証明書にはコピーする内容により以下の4つに分けられます。

全部事項証明書

(※履歴事項全部証明書のこと)

登記記録のすべてが記載されている証明書。歴が長い法人の場合は膨大な量になる
現在事項証明書変更履歴は含まず、現在の所有者や権利だけが記載されている証明書
一部事項証明書一部の登記記録のみが記載されている証明書
閉鎖事項証明書登記事項がデータ化される前の手書きで書かれていた時代の項目が記載されている証明書

【参照:法務局

会社設立時に届け出る登記事項証明書は全部事項証明書です。全部事項証明書に書かれている事項は、以下の通りです。全部事項証明書にも有効期限があり、3年前の1月1日~現在までが有効期間です。

  • 会社所在地
  • 会社名
  • 法人番号
  • 商号 / 内容変更年月日 / 登記年月日
  • 本店所在地 / 移転年月日 / 登記年月日
  • 公告方法
  • 会社設立の目的(事業内容)
  • 発行可能株式総数
  • 発行済株式の総数並びに種類及び数
  • 株券を発行する旨の定め
  • 資本金額
  • 株式の譲渡制限に関する規定
  • 役員に関する事項 / 役職 / 氏名 / 重任年月日 / 登記年月日
  • 取締役会設置会社に関する事項
  • 監査役設置会社に関する事項
  • 登記記録に関する事項

3.会社の登記簿謄本または登記事項証明書の請求方法

会社設立後に登記簿謄本または登記事項証明書を取り寄せる方法は2種類あります。

①法務局の窓口で申請して取得する

登記簿謄本または登記事項証明書は全国に8か所ある法務局・42か所ある地方法務局、そしてその支局・出張所で申請できます。

  • 法務局・地方法務局所在地一覧
  • 手続き時間:月~金曜日の午前8時30分~午後17時15分まで
  • 申請書:交付申請書を記入します。(ダウンロードはこちらから)→B5またはA4縦で印刷して使用しましょう
  • いつ取得できる?→基本的に即日

法務局のホームページでは、申請書の記入例も掲載されています。

登記事項証明書(代表者事項証明書を含む。)・登記簿謄抄本・概要記録事項証明書交付申請書の記入例

ちなみに、法務局・地方法務局では登記だけでなく国籍・人権擁護など法に係る幅広い手続きを行います。登記のみをされる場合は、支局・出張所での手続きが便利です。

②オンライン申請で取得する

法務局ではオンラインの申請を推奨しています。(窓口混雑回避のためかもしれません)ネット環境とPCとブラウザさえあれば、いつでもどこでも気軽に登記簿謄本または登記事項証明書を請求できます。

  • 手数料の支払い方法→インターネットバンキングかコンビニATM(Pay-easy対応)で支払う
  • いつ取得できる?→郵送の場合は翌日。窓口の場合は即日

オンラインでの登記簿謄本の請求は、オンラインの確定申告(国税庁)やマイナンバー(総務省)のオンライン手続きのように電子証明書が必要ないので、比較的とっつきやすいといえます。

【参照: 登記事項証明書の請求にはオンラインでの⼿続が便利です

4.登記簿謄本または登記事項証明書の取得時にかかる手数料

手数料は窓口で取得するかオンライン申請で取得するかで手数料は以下のように異なります。

窓口請求・窓口交付オンライン請求・送付オンライン請求・窓口交付
600円500円480円

【参照:法務局|不動産登記,商業・法人登記における主な登記手数料

5.あの会社を訴えたい!登記簿謄本は誰でも閲覧できる?

フィッシング詐欺などで架空の住所の書かれた会社からショッピングをしてしまった方などは、会社の登記簿謄本を閲覧して内容証明を送り付けたい!という場合もあるかもしれません。

結論から言って、法人の登記簿謄本またはおつき事項証明書は手続きさえ踏めば誰でも閲覧が可能です。また、そんな物騒な話ではなく不動産の登記簿謄本を閲覧したい場合も誰でも閲覧は可能です。ただし、手数料がかかります。

登記事項証明書の閲覧に係る手数料全部事項:334円

所有者事項:144円

地図等の情報提供:364円

登記簿謄本の取得方法は①窓口に出向く②オンラインで請求して窓口に出向く③オンラインで請求して郵送してもらう、の3種類でした。閲覧の場合はこれに一つ方法が追加され、④オンラインで請求してオンラインで閲覧する、という全部で4つの方法となります。

閲覧申請時の申請書は登記簿謄本の取得の申請書とは異なり、以下の様式を使います。

登記事項要約書交付・登記簿閲覧申請書

4つ目の方法は法務局では「登記情報提供サービス」と呼んでいます。

登記情報提供サービスのご利用は以下のリンクから可能です。

一般財団法人 民事法務協会|登記情報提供サービス

まとめ

登記簿謄本とは手書きで縦書きの登記簿を使っていた時代のことばですが、登記事項証明書と共にいまだ役所では健在です。

登記簿謄本(登記事項証明書)は会社設立時に必ず必要となる書類ですので、忘れずに申請しましょう。

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