日本政策金融公庫の面談で必ず聞かれる質問とは

株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
会社設立支援や資金調達支援など、これから起業を検討している方やすでに起業している経営者の皆さんを様々な角度からサポートしています。

金融機関で融資を受けるとなると、融資の是非を決めるともいえる融資面談が待っています。

融資面談とは、融資担当者が融資希望者へ対して様々な質問を行い、本当に融資を行っていいのかどうかを見極めるものです。そこで、必ず聞かれる質問の対策をするということは、試験の前に過去問を解くのと似ています。

各試験に出題の癖があるように、融資面談にも傾向があります。そのため、質問に対して回答を用意しておくだけで、何を聞かれるのか分からない不安よりも、自信をもって面談に臨むことができます。

この記事では、面談時に必ず聞かれる質問をご紹介しつつ、何を聞かれているかを質問の意図を見抜くポイントをご紹介していきます。

1.融資面談で聞かれる質問の意図を見抜く

融資面談のときのよくある質問、必ず聞かれる質問についてご紹介する前に、融資担当者が、面談でなぜ質問するのかを考えてみましょう。融資担当の質問の意図が見抜ければ、質問の意図にあった回答を行うことが出来、融資の成功率はあがります。

まず、融資面談の質問の意図は大きく2種類に分かれます。

第一に「融資担当者が融資希望者の事業内容を理解できず、よくわからないので、わかるように説明してほしい」というもの、第二に「融資担当者はある程度、事業内容の理解ができているので、融資希望者が当事者としてちゃんと説明できるかを確かめ、信頼できるかをチェックしたい」というものです。

「質問」というと、前者の「疑問を解消する質問」のイメージが強いですが、「必ず聞かれる質問」は、後者の意図の方で、融資希望者がよどみなく説明できるかをテストするものなのです。

面談で対策の難しい前者の質問は、その場での臨機応変な回答が求められるため、専門用語や専門的知識の説明、作成した創業計画書を第三者に確認してもらう、等の事前に対策できる部分を対策しておくだけで、焦らずに対応できるはずです。

また、融資担当者によっては、どれくらいわかりやすく説明できるか、融資希望者の資質を確認するため、理解できない風を装って質問をする可能性があります。

質問内容が細かく、矛盾を指摘するようなものだったり、「ここは、こういう認識であっていますか?」という確認をするようなものだったりする質問には、対応を誤らないように注意が必要です。

2.日本政策金融公庫の融資面談で必ず聞かれる質問

融資の種類や金融機関によって変わりますが、多くのケースで、面談の際に指定のテンプレートでの書類を提出するようになっています。

例えば、低金利かつ無担保の公的融資で人気の日本政策金融公庫の創業融資の面談の場合、用意されたフォーマットの創業計画書を作成し、提出します。

面談で必ず聞かれる質問は、特別な事情がない限り、その書面に記載されている順番で聞かれます。就職やバイトなどの面接で、氏名や年齢などの確認の前に、いきなり資格欄や特技欄について聞かれることがまずないのと、同じような理屈です。

この記事では、日本政策金融公庫の創業計画書の例で説明していきますが、他の金融機関の融資でも、大体似たようなことが聞かれます。ただし、質問される項目の順番は変わる可能性がありますので、融資書類の書面を見ながらどの順番であっても回答出来るようにシミュレーションしておくとよいでしょう。

次のウェブサイトに創業計画書のテンプレートがありますので、ご参照ください。

日本政策金融公庫HP 創業計画書テンプレート

創業計画書の項目は、大きく8つに分かれていますので、質問とそれに対する回答も8つになります。

(1)創業の動機

(2)経営者の略歴

(3)取扱商品・サービス

(4)取引先・取引関係等

(5)従業員

(6)お借入の状況

(7)必要な資金と調達方法

(8)事業の見通し(月平均)

面談の時間は30~60分と限りがあるので、1回の面談で全てを聞かれることはないかもしれませんが、どれを聞かれても問題ないように対策しておく必要があります。

正しい回答の仕方

可能な限り、一問一答にならない方がよいでしょう。

融資担当者によっては、質問の仕方が下手な場合があります。

例えば「競合相手はどこですか?」という質問をされて「A社とB社です」というような一問一答の答え方はあまり良いとは言えません。その回答を聞いた融資担当者は「競合相手がいるならば、起業しても負けてしまうのでは?」という思いを持たせてしまいます。

理想的なのは「A社とB社です。なぜなら、自社の強みは〇〇ですが、経営課題として〇〇があり、今後〇〇していく必要があると考えているからです。」というように、単純な質問でも、その奥にある質問の意図を意識しての回答です。

自分の考えがうまく伝わるよう、単語ではなく文章での回答を心がけましょう。

複数の要素を説明するプラスアルファの回答を文章で用意すると、その一文を覚えておけば、どういう質問が来てもその回答文を添えて説明でき、便利です。

また、自然と〈質問→回答〉のやり取りする回数が減るため、融資担当者に短時間で深く理解してもらえることにもつながります。

3.創業計画書の項目別質問例

1:創業の動機を通して、社会にどう影響を与えたいか、経営理念を教えてください。

その上で、なぜ、この場所で創業する必要があるのかも説明してください。

2:事業経験を通して、創業者の強みを教えてください。
3:取り扱う商品やサービスを通して、事業内容と事業の強み、他社と差別化できる点を教えてください。

競合相手や懸念、経営課題、将来はどうしたいかといった成長戦略を説明してください。

4:取引先や取引関係などを通して、売掛金の入金、買掛金の支払いサイクルを教えてください。

仕入れ先、得意先や販売先について詳しく教えてください。

5:従業員を通して、どんな社員教育をするか教えてください。

後継者候補がいれば、どう教育しているか教えてください。

6: 借り入れ状況などを通して、通帳の入出金やクレジット、カードローンなどの残高を含め、自己資金をどう用意したかを説明してください。
7: 資金調達を通して、在庫の管理方法や回転などを含めた資金繰り計画を説明してください。
8:売上と経費の根拠、ターゲットや潜在顧客の根拠を説明し、ビジネスモデルを教えてください。

今期・来期の目標があれば、それも教えてください。

各項目の質問と回答の例を、もう少し詳しく見ていきましょう。

1:創業の動機

融資担当者は、融資希望者の人柄や、創業を成し遂げる意志の強さ・本気度を、この質問で判断します。

経営理念がしっかりしている会社の方が失敗する確率が低いと言われております。

融資希望者が社会でどうありたいか、どのような立ち位置を目指すかを表した行動指針のようなものなので、かっこいい言葉で飾らなくても構いませんので、自分らしさの伝わるものを考えましょう。

なぜ、この場所で創業するのかについては、例えば「生まれ育った街をもっと盛り上げたい」であれば、創業の本気度につなげられます。

この地で創業することが必然である、というイメージを持たせられるようにするとよいでしょう。

2:事業経験を通して、創業者の強みを教えてください。

「過去の経験や実績をもとに、スタートするのだ」というイメージが伝わるよう、回答を考えましょう。

事業に役立つ資格を保有しているのであれば、事業がうまくいくためのプラス要因となりますので、しっかりアピールするとよいでしょう。

3:取り扱う商品やサービスを通して、事業内容と事業の強み、他社と差別化できる点を教えてください。競合相手や懸念、経営課題、将来はどうしたいかといった成長戦略を説明してください。

どんな会社でも経営課題があります。

資金繰りや人材不足など、今の課題が何で、どう解決していくつもりかを表現した回答を用意しておきましょう。

ネガティブな質問には、現状を受け止めていること、将来のビジョンも踏まえて、前向きに対処するつもりであることが伝わるように回答しましょう。

4:取引先や取引関係などを通して、売掛金の入金、買掛金の支払いサイクルを教えてください。仕入れ先、得意先や販売先について詳しく教えてください。

入ってくるお金、出ていくお金をきちんと認識しているかが判断される質問です。

末締め末払いなど、現金の入出金サイクルをきちんと回答できるようにしておきましょう。

また、仕入れ先、得意先や販売先では、どうやって優良なものを見つけるのかも、見られます。

新たに得意先や販売先を獲得するためには、何をする必要があるか、どのように仕入先を選定しているか、などを回答できるようにしておきましょう。

5:従業員を通して、どんな社員教育をするか教えてください。後継者候補がいれば、どう教育しているか教えてください。

会社の成長は、従業員の質に左右されます。

よい従業員を採用し、しっかり教育できる会社は確実に成長します。どんな教育を行うかを回答できるようにしましょう。

また、シニアであれば創業と同時に後継者がいるか、どんな後継者教育をしているかを問われるケースが多いです。

会社の経営権を譲る事業承継をしっかり考えていることが伝わるような回答を考えるとよいでしょう。

6: 借り入れ状況などを通して、通帳の入出金やクレジット、カードローンなどの残高を含め、自己資金をどう用意したかを説明してください。

融資担当者は、税金・公共料金・家賃などの通帳の入出金を見て、アナタの資金管理能力や金銭感覚に問題がないかをチェックしています。

融資を他の金融機関の借金返済に使うような不届き者ではないか、貸してすぐ倒産してしまうようなリスクがないかもチェックしています。

また、融資希望者がどのようにして自己資金を貯めたのかも見ています。

回答では、創業のために計画的に貯金をしていた、というストーリーが求められています。まともな金銭感覚を持ち、思いつきの創業ではないのだと訴え、創業に誠実であることを示しましょう。

7: 資金調達を通して、在庫の管理方法や回転などを含めた資金繰り計画を説明してください。

本当に実行できるのかという事業の実現可能性を判断しています。

ここでは特に現実的であること、矛盾がないことに注意し、回答を考えましょう。

8:売上と経費の根拠、ターゲットや潜在顧客の根拠を説明し、ビジネスモデルを教えてください。今期・来期の目標があれば、それも教えてください。

珍しい業種・業態や、複雑なビジネスモデルの場合、図解して添付資料として持参することがお勧めです。

融資の面談担当者が事業内容を理解できなければ、融資の決裁権を持っている課長や支店長などはなおのこと事業内容を理解するのが難しくなりますので、融資の成功確率が格段に低くなってしまいます。

また、今期や、来期の目標を聞かれることがあります。これも業績の数字の根拠を示す資料を作成し、視覚的にわかりやすい回答を心がけましょう。

これに関連して「事業がうまくいかなかったら、どうするのか」と質問されることもあります。

計画書通りに進まなかった場合のアドリブ力、対応力だけでなく、ある程度、事前に予想される対策を検討しようとする先読みする力、リスク管理能力が問われています。

事業内容からどのようなトラブルがあるかを想定し、リスクとして洗い出して、対策を検討しておくとよいでしょう。

まとめ

試験対策で過去問を解くことでスムーズに回答できるようになるのと同様、必ず聞かれる質問に対して、回答を事前に用意することで、余裕のある面談となります。

念入りに準備しても、全く予想していなかった質問で、言いよどむ場面もあるでしょう。

面談で質問されたときに最もよくない対応は、「ごまかし」です。

うまく説明できない場合、現時点でうまく説明できないことを認め、更なる成長の機会を与えてもらった相手に感謝を述べるなど、誠実に対応するようにしましょう。

融資担当者が時間をかけて、たくさんの質問を投げかけて、一番見極めたいと思っているのは「経営者が信頼に足る人物か」なのです。

資金繰りの妥当性やビジネスモデルに不備がないかは二の次、信頼性があれば、多少荒削りでも融資は通るでしょう。

創業の夢を掴みとるのに必要なのは、あなたの誠実さ、真摯さなのです。

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