「成熟期」の資金調達法

「減運の会社」にならないための3つの方法成長期は右肩上がりだった売上も、成熟期では緩やかに下降していくため、新しい商品・サービスを開発し、売上を補わなければなりません。
予測していた利益が出なくなり、ときには赤字に転落するなど、資金繰りも徐々に苦しくなっていきます。

そのような状況で新事業を始めると、仕事を受けるほど会社の現金が減っていく「減運の会社」になってしまう可能性が高いです。

「減運の会社」にならないための3つの方法

「減運の会社」を回避する方法は、3つあります。

1つめは「外部から資金を調達すること」。
しかし、銀行融資を申し込んでも、売上が落ちてきた、赤字になる月が出てきた会社では、かなり困難です。そのため成熟期は、銀行融資ではなく、助成金や補助金の活用がオススメです。これはのちほど詳しくお話しします。

2つめは「経費を削減すること」。
銀行融資を獲得するためには「黒字であること」が大前提です。外部から資金調達すると同時に余分なコストを削って黒字化しなければなりません。

3つめは「前受金を増やすこと」。
第1章で述べたように、黒字でも資金繰りに問題があり、資金ショートのリスクがあると、銀行は融資をしてくれません。
経費を削減して黒字化し、かつ前受金を増やして資金繰りを改善する。
そうすることで銀行から再び融資が受けられるようになり、成熟期に入っても生き残る、強い会社になれるのです。

黒字のために「経費削減」から考えよう

まずは、経費の削減についてご説明します。
経費には、売上に影響を与えない「固定費」と売上に影響する「変動費」があります。
売上を維持しつつ経費削減を実現したいなら、ターゲットは当然、固定費になります。固定費といえば、テナントの賃料、駐車場代、水道光熱費、リース代金、保険料、人件費などです。
テナントの賃料は、たとえば一年ごとの契約ではなく、長期入所の契約に変更する代わりに値下げをお願いすることができます。
従業員が作業するだけの事務所なら、思い切って家賃が安い場所に移転するという手もあります。交通の便が悪い場所、建物が古い場所ほど安くなり、ときには信じられないほど安い『お得物件』があります。
従業員は嫌がるかもしれませんが、元の事務所に戻れるかどうかは、これからのビジネスにかかっていると鼓舞すれば、やる気を出してくれるでしょう。
同じように、駐車場も場所を変えることで月々の代金を下げることができます。
水道光熱費、インターネット回線は契約プランを見直せば、いまよりも安くなるかもしれません。微々たる差かもしれませんが、積み重なれば無視できない金額になります。

また、ずるずると契約を続けていた「リース代金」は必ず整理しましょう。
お金があるときは「あまり使わないけど、解約手続きが面倒臭いし」「付き合いが長いし」と、放置していて問題なかったかもしれません。
しかし、資金繰りが悪くなったときは、業務を遂行するうえで「なくなったら困る」というもの以外は、すべて解約しましょう。

生命保険については、第5章で述べますが、銀行融資を申し込むのであれば、加入していたほうが有利です。
ただし、成長期に加入したプランは保険料が大きいものが多く、それ以前にも「付き合い」で加入して、そのまま払い続けているものもあるでしょう。不要なものは解約し、資金繰りを圧迫しないプランに変更することをオススメします。
最後に、人件費です。
リストラをすると一時的に出金は減りますが、現場の人材が不足すると、ほかの従業員への負担が大きくなったり、生産性が落ちる可能性があります。
そのため、「残業代を減らすためにノー残業デーを設ける」「フレックスタイム制を導入する」「副業を解禁して推奨する」など、収入減の幅をなるべく抑え、従業員が納得できる方法を模索しましょう。

「前受金」を増やす効果とは?

たとえば、スポーツジムでは、まず1カ月分の利用料を払い、その後は何回も利用できるという仕組みになっています。エステティックサロンでは「脱毛10 回分」などのチケット制を取っているところが多く、英会話教室では半年分や1年分の授業料を前払いで払うシステムもあります。

なぜ、このような「先払い」のシステムが流行っているのでしょうか。
それは資金繰りを良くするためです。
仕事をすると、必ず経費がかかります。経費の支払いよりも先に売上が入っていれば問題はありませんが、売上よりも経費の支払いが先になってしまうと、たちまち資金繰りは厳しくなります。
「苦しいのは経費を支払ってから、売掛金が入るまでの間だけでは? 売掛金が入れば資金繰りは正常に戻るのだし」
そう思う人がいるかもしれませんが、それは「売掛金が100%入金される」
という前提の話です。
現実では、取引先が突然倒産したり、顧客が行方不明になったり、支払いの延期をお願いされたりすることもあります。そのような不運に見舞われて売掛金が回収できなくなれば、従業員への支払いができなくなったり、買掛金の支払いが滞ってしまったり、銀行への借入金返済に支障がでてしまいます。
そうなると、まとまった売掛金が回収できても、すべて溜まっていた支払いに費やされることになり、会社に現金が残らないようになってしまいます。
そのような会社は、まさに「減運の会社」です。
リフォーム会社を例にあげると、「工事完了時に全額受け取る」という方針で仕事をしていたため、工事中はつねに資金繰りが苦しい状態にありました。
もし銀行から融資を受けられたとしても、金利が高めに設定されるなど、条件はかなり悪いものであったと推測できます。
それが、契約時に工事代金の3分の1を前受金として受け取るようになってから、劇的に変わりました。材料費や人件費の支払いがラクになり、設備投資による従業員の作業の効率化が実現し、顧客満足度も高まりました。
トータルで受け取る金額が同じであっても、そのタイミングが異なるだけで、資金繰りは劇的に変化するのです。
さきほどの英会話教室が、1年分もの授業料を先払いで受け取っているのも同じ理由です。

1年分の授業料をプールしておき、講師たちに毎月確実に1カ月分ずつの講師料を支払うため……だけではありません。そのお金で新しい教室を開講し、生徒を集めて、また1年分の授業料を獲得するために使っているのです。
この方法をうまく続けていけば「増運の会社」で在り続けることができます。
もちろん前受金は、受け取った時点ではまだ売上として計上できず、返金を求められたら応じなければいけないため、あまり当てにしすぎると、リスクが高くなってしまいます。
それでも前受金を増やすことによる「資金繰り改善効果」は、非常に大きなものなのです。

「早期経営改善計画」で補助金を手にしよう

早期経営改善計画策定支援」という制度があります。
これは経営改善を求める中小企業や小規模事業者が受けられる補助制度です。
認定支援機関(※1)の専門家からサポートを受けて「早期経営改善計画」を策定し、計画書を金融機関に提出して経営改善に取り組むことで、認定支援機関の専門家に支払う費用の3分の2(上限20万円)を、中小企業庁の「経営改善支援センター」が負担してくれます。金融支援が目的ではなく、経営者が普段から資金繰りや採算の管理をできるように目指した制度です。
専門家の支援を受けて早期経営改善計画書を作成することにより、自社の経営課題の発見や分析、資金繰りの把握などが可能になるとともに、会社の将来像を金融機関に知ってもらえるメリットもあります。
3分の1の費用で専門家から経営アドバイスが受けられる、非常に有益な制度です。ぜひ活用してください。
そのほかにも、成熟期にオススメの助成金・補助金には、以下のようなものがあります。
(※1 中小企業・小規模事業者の経営相談等に応えられる専門知識や実務経験が一定レベル以上に達していると国が認定した公的な支援機関)

助成金【人事評価改善等助成金】
人事評価制度と賃金制度を整備することにより、生産性の向上、賃金の向上、離職率の低下、人材不足の解消を目的としています。
人事評価制度の整備を行うことで支給される「①制度整備助成」と、1年経過後に目標を達成した場合に支給される「②目標達成助成」があります。

①制度整備助成(50万円)
生産性向上のための人事評価制度と2%以上の賃金アップを含む賃金制度の整
備計画を作成し、管轄の労働局の認定を受け、実際に制度を整備して正規労働者
等に実施することによって支給されます。

②目標達成助成(80万円)
1年後に以下の条件を満たしたときに支給されます
◦生産性の向上(3年前と比較して6%以上伸びているなど)
◦賃金の増加(2%以上)
◦離職率の低下(従業員1~300人までは現状維持、300人以上1%ポイント以下)

補助金【海外展開戦略支援事業補助金】
国内の中小企業で、販路拡大のため海外展開を計画している事業が対象です。
対象となる事業は「①海外ビジネス戦略推進支援事業」と「②地域ネットワーク活用海外展開支援事業」の2つがあります。

①海外ビジネス戦略推進支援事業
日本を除くTPP加盟予定国における海外事業展開計画をもつ中小企業であり、中小企業基盤整備機構を通じて事業計画などを策定したうえで、外国向けWebサイトの作成や、実現可能調査を行う場合にかかる費用が補助されます。
補助率は2分の1、上限金額は280万円です。

②地域ネットワーク活用海外展開支援事業 
中小企業4社以上で構成されたグループが地域ネットワークの支援を受けて行う実現可能調査、バイヤーや有識者の招聘、海外企業とのマッチング、展示会や商談会への出展等にかかわる費用が補助されます。
補助率は3分の2、上限額は1000万円です。(※平成29年12月現在)



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