こんな勘違いをなくそう! お金に困る経営者ほど「感覚」で判断する

9%_s1_mainあなたは自分の会社が「あと○年は生き続けられる」と自信をもって言えますか?
いきなり縁起でもない質問をするな、期限付きで会社を興したり経営をしている人間がいるものか──と思ったかもしれません。
もちろん経営者であれば、できるだけ会社を存続させたい、繁栄させて子どもや孫の代まであとを継がせたい、と考える方がほとんどでしょう。

起業した会社、5年後の「生存率」は何%?

しかし、すでに多くの方々が痛感しているように、会社の存続を実現することは容易ではありません。
起業した中小企業の5年後の「生存率」が何%か、ご存じでしょうか。
ある調査によれば、創立から5年以上存続している会社の割合は、次のようになっています。

5年後:14.8
10年後:6.3
20年後:0.4

毎年12万5000件以上の会社が新たに設立されていますが、そのうち20年後まで生き残るのは500件しかないということです。500件というとそれなりの数に見えてしまうかもしれませんが、もし、同じ年度に起業した会社が100
社あるとすれば、その会社は20年後には(あなたの会社も含めて)ほぼ全滅している、ということです。

倒産する経営者には「共通点」がある

中小企業が5年以上生き延びるのはたいへん難しく、20年以上生き残る確率はわずか1%未満です。
ただ可能性はゼロではありません。
ここで、もうひとつ質問をします。
あなたは、次の数字を把握していますか?

  • 会社の総収入
  • 顧客1件あたりの平均収入
  • 個々の経費

これらの数字を大まかにでも即答できなければ「生き残れない会社」の可能性が高いです。

なぜなら、生き残れない会社には、いくつか共通点があり、そのひとつが「経営者が会計の数字に疎い」ということだからです。
極端なケースでは、通帳の残高を見て「マイナスになったから気を引き締めなければ」「プラスに戻ったから安心だ」などと大雑把な判断しかできない経営者もいます。それでも会社が潰れずに存続できれば「会計の数字が理解できなくても、大した問題ではない」と思い込んでしまうことがあるのです。

ですが、それは、たまたま運が良かっただけ。
会計の数字とは、経営状態を示す重要な指針です。本来なら、それを理解せず会社を運営すること自体が「ありえない」行為なのです。
たとえば、飛行機のコックピットにはさまざまな計器が取り付けられています。
パイロットはその数値の一つひとつを確認して、速度や高度、風向や風速、エンジンや燃料の情報などを把握し、「いま、安全な飛行ができているかどうか」を判断しています。ベテランのパイロットなら数値の異常を察知した時点で、できる限りリスクの発生を回避するでしょう。

このように計器の数字を把握しながら操縦するからこそ、パイロットは「安全なフライト」ができるのです。
そして、これは経営者も同じです。

「安定した会社経営」をするためには、会計の数字に目を光らせ、会社の現状を把握し、リスクが発生する前に手を打たなければいけません。

経営者が会計の数字を把握しないまま会社運営するというのは、パイロットが計器を見ずに「いまは調子がいいから大丈夫」「少し高度が下がった気がするから上げていこう」などと、感覚だけで飛行機を操縦しているのと同じです。
そのような操縦では、いつ目的地に到着するのか、安全に到着できるのか、燃料があとどれだけ残っているのか、そもそも自分がいまどこを飛んでいるのかもわかりません。
そのため「会計の数字に疎い経営者」は5年、20年と生き残ることが難しくなるのです。

発想力よりも情熱よりも「大事なこと」

会社が5年以上存続するには、経営者が会計の数字を理解することが必要です。
しかし残念なことに、経営者で「会計が得意」という人は、多くありません。
「経営者に必要な資質は何ですか?」と質問をすると、多くの場合、次のような回答が返ってきます。
「イノベーションを生み出す発想力」
「豊富な人脈とコミュニケーション力」
「人間力、リーダーシップ」

たしかに、これらは会社の発展に必要な能力です。
ただ、誤解してほしくないのは、それ以上に「会社を黒字化し、黒字を維持する力」がなければ、発展する前に潰れてしまうということです。

経営者は会計の専門家になる必要はありません。

ただし、決算書を見て「赤字の原因はどこか」「何をすれば黒字が増えるのか」という戦略を立てる、経営の専門家になる必要はあります。

倒産寸前、絶体絶命の状況から、経営者が常識破りの発想と決断力で奇跡的に会社を立て直した、というドラマチックなエピソードは世の中にたくさんありますが、それは決して、発想力や決断力だけで成し遂げられたわけではありません。
なぜなら「こうすれば打開できる」という発想を現実のものにするには、資金が必要だからです。

すぐれた人材がいても無給では働いてくれませんし、画期的な商品を思いついても設備や材料を揃えられなければ、この世に生み出すことも、宣伝して知ってもらうことも、流通させることもできません。
会社を黒字にして、その状態を維持する。
それこそが経営者に求められる、もっとも重要な仕事のひとつなのです。

黒字にできる経営者は「お金の流れ」を知っている

では、どうすれば黒字になるのか。
簡単に言えば、入金(入ってくるお金)が、出金(出て行くお金)よりも多くなればいいのです。
入金には「集める」と「増える」、出金には「減らす」と「変わる」というお金の動きがあり、最後に現金や預金という形でお金は会社に「戻る」のです。順番に説明しましょう(図❶)。

①集める
仕入債務、借入金、純資産など事業を行うために集めるお金のこと。

②増える
商品・サービスを顧客に提供し、売上を生み出して、お金が増えること。

③減らす
売上から原材料費や人件費などの経費、借入金などの返済、次の商品をつくるための費用を支払うこと。売上は減る。

④変わる
売上が一時的に売掛金(売上債権)に変わったり、商品や材料が在庫(棚卸資産)
として残ったり、設備投資をして機械や建物などの資産に変わったりする。

⑤戻る
①と②で入ったお金よりも、③〜④で出たお金のほうが少なければ、現金や預金として、お金は会社に戻ってくる。

赤字になったとき、経営者が真っ先に思いつくのは「経費削減」でしょう。
つまり③を圧縮します。設備投資や棚卸資産の発生といった④も抑えます。
ムダをなくし、必要以上の投資をしないことは、経営を立て直す際の基本です。
ただし、出金を減らすには限界があります。どれだけ頑張っても、最初の入金自体が少なければ、会社に多くのお金を残すことはできません。
そのためここでは、①の「お金を集める方法」、資金調達の方法をメインにお教えします。

 

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図❶ 会社のお金の流れ



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