会社設立したけど社会保険は未加入!払えない場合って催促や方法はある?

株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
会社設立支援や資金調達支援など、これから起業を検討している方やすでに起業している経営者の皆さんを様々な角度からサポートしています。

会社設立したけど社会保険は未加入!払えない場合って催促や方法はある?会社設立は最安値で6万円からできますが、設立したあとにも税金の支払いという費用が発生します。

忘れがちな点ですが、会社設立をした場合は社会保険(雇用保険・社会保険・厚生年金etc)に加入しなくてはいけません。

社会保険の対象となっているにも関わらず、社会保険料を未納のまま放置していると、行政からの指導対象やさかのぼっての強制加入等のキビシイ試練が待ち受けています。

今回の記事では、会社設立したけど社会保険にまだ加入していない方のために、未加入のリスクや社会保険料が払わない場合の対処法をご紹介します。

1.社会保険とは?今さらだけど、再確認!

社会保険のことをよく「社会保険+厚生年金基金」の2つのことを指すと思われている方は多いようです。(実は、筆者もそうでした、、)

確かにその2つも社会保険に含まれているのですが、実際には以下の5つの総称を「社会保険」と呼んでいます。

 

社会保険とは、上記で挙げた①健康保険②厚生年金基金③介護保険(40歳以上のみ対象)④雇用保険⑤労災保険の5つの総称です。

この中で、③の介護保険は40歳以上の人のみが対象であり、雇用保険と労災保険については軽微な負担のため、事業者にとってはそれほど負担が大きいわけではありません。

例えば、月給が30万円の従業員の雇用保険の場合、会社負担額は1,800円(30万円×0.006)です。また、労災保険の場合も年収総額が550万円の従業員(事務職)の場合は年間で16,500円です。(※550万円×0.03)

2.健康保険+厚生年金基金(厚生年金)の支払いが事業者にとっては負担だ

しかし、社会保険の中で健康保険と厚生年金の負担は企業に事業者にとって重荷となっています。例えば、東京都の場合は平成31年度の健康保険料と厚生年金保険の保険料率は以下となっています。

健康保険
9.90%(会社負担率は4.95%)
公正年金保険料
1.73%(会社負担率は9.15%)

平成28年度の協会けんぽ東京都の保険料表によると、健康保険の月額最低保険料は、40歳未満で2,888.4円、40歳以上64歳までは3,346.6円、厚生年金は8,735.72円となっています。(金額はいずれも会社と折半した金額)

例えば、月給20万円の従業員を10名雇っているとして、事業主が負担する健康保険料と厚生年金保険料は、以下の計算で求められます。

【健康保険】200,000円×0.0495=9,900円 9,900円×10名=99,000円

【厚生年金】200,000円×0.09.15=18,300円 18,300円×10名=183,000円

合計:282,000円

事業でしっかり利益を出せていれば大きな負担に感じないと思いますが、事業の調子の悪い時期にはとてもこの額を払えないという事業主も出てくることでしょう。

ちなみに、健康保険と年金は必ずセットでの請求となり「年金だけ払いたい」「保険だけ払いたい」というのは残念ながらできません。

3.今さらだけど、社会保険の加入条件をおさらい!

「全国民の公的医療保険への加入」という政策に基づき、わたしたち日本人は国民健康保険または社会保険などの公的医療保険のいずれかに必ず加入しなければいけません。

【公的医療保険の種類】※他に、後期高齢者医療制度があります。

公的医療保険の名称提供元
健康保険全国健康保険協会(協会けんぽ)、各種健康保険組合(関東百貨店健康保険組合など)
共済組合公立学校共済組合、国家公務員共済組合など
船員保険全国健康保険協会
国民健康保険市区町村

ちなみに、アメリカの場合だと州によって加入する保険プランや保険料にかなり差があるそうです。

私たちはこれらの保険に加入していることで、病気になった際の医療費が3割負担で済むという恩恵を受けています。公的医療保険の加入は、基本的に「企業などの仕事先で加盟できない場合は国民健康保険に入る」というルールで成り立っています。

①社会保険の加入対象者とは

では、事業所での社会保険の加入対象をみてみましょう。法人(会社や一般法人など)の場合は、雇っている従業員の数に限らず社会保険の加入は必須です。

これに対し、個人事業主の場合は正社員5名以上の場合に加入が義務となります。但し、最近ではアルバイト・パートの方も社会保険の加入対象となるように法律が変わっています。

【参照:政府広報オンライン|パート・アルバイトの皆さんへ 社会保険の加入対象が広がっています。

社会保険
国民保険
加入対象
【企業(法人)の場合】
・従業員の数や属性(正社員ORアルバイト・パート)に関わらず絶対に加入する
・社会保険や共済組合に入っていない方すべて。
【個人事業主の場合】
・正社員5名以上で加入する
・勤務時間および日数が正社員の3/4以上のアルバイト・パートも1名としてカウントする
・5つの条件を満たす者は勤ム時間および日数が正社員の3/4未満の場合でも1名としてカウントされる
加入する団体
・協会けんぽ(中小企業)
・健康保険組合(大企業)
・市区町村(例、東京都北区)

個人事業主の場合の5つの条件とは、以下の通りです。

【これに当てはまったら社会保険の適用者!5つの条件】

  1. 週の所定労働時間が20時間以上
  2. 賃金が月8万8千円以上であること
  3. 1年以上使用されることが見込まれること
  4. 従業員501名以上の勤務先で働いていること
  5. 学生でないこと

これに当てはまる方はパート主婦の方や大手企業のコールセンター勤務のフリーターの方など、対象者は多そうですね。

②社会保険の強制加入適用事業所とは

「社会保険に入ろっかな~、どうしよっかな~」というレベルではなく、法律(健康保険法第3条と厚生年金保険法第9条)により社会保険の加入を強制的に義務付けられている会社は以下の通りです。

株式会社、有限会社、合同会社、一般社団法人、NPO法人、従業員が常時5名以上いる個人事業所

最近流行っている合同会社は会社設立コストが低いことで人気ですが、節税目的で会社をつくっても、社会保険料の支払いで節税効果が消えてしまうこともあり得ます。

4.ひとり社長の場合も強制的な加入対象です

最近ではインターネットの普及を背景に、自宅を事業所にしたネットビジネスなどをされている「ひとり社長」の方が多いと思います。

ひとり社長の場合は、その社長が「会社設立」をしているか、そうでないかで強制加入の対象となるかが異なります。

【ひとり社長の場合】

会社設立している→
社会保険の加入対象である
会社設立していない→
社会保険の加入対象ではない

しかし、以下の場合は社会保険に加入することを断られるケースです。

  • ひとり社長が会社から給与・報酬をもらっていない(役員報酬ゼロの場合)
  • ひとり社長の給与・報酬が社会保険料の額よりも低い

5.社会会保険の任意加入対象事業所とは

社会保険の加入を必須としない「任意加入」の対象の事業があります。手っ取り早く言うと、農林水産事業であり常時雇用の従業員数が5名未満の個人事業所がそれに当たります。

(イ)次に掲げる事業(いわゆる農林水産の事業)であること。

a 土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽植、栽培、採取若しくは伐採の事業その他農林の事業(いわゆる農業、林業と称せられるすべての事業)

b 動物の飼育又は水産動植物の採補若しくは養殖の事業その他畜産、養蚕又は水産の事業

(口)常時5人以上の労働者を雇用する事業以外の事業であること。

上記の条件に当てはまる事業主で社会保険への加入を希望しない場合は、管轄の都道府県に労働局長に「任意加入申請書」を提出することにより強制的な加入対象から外れることになります。

5.お金がなくて社会保険払えない会社の場合、どうすればいい?

①対象なのに社会保険料の支払いを滞納し続けるとどうなるのか

社会保険に加入したいのはやまやまだけど、何しろ売上がなくてどうしても社会保険料が払えない。こんな状況にある事業主の方もたくさんいらっしゃると思います。

特に、最近では感染症の影響で経済が非常に不安定な状況です。(2020年3月現在)

しかしながら、会社設立をしたのに社会保険に未加入のままであれば、以下のような試練が待ち受けています。

  • さかのぼって強制加入させられる
  • ハローワークに求人を出せない
  • 助成金・補助金を受けられない
  • (社保に入りたい従業員がいる場合)インターネット上のSNSに悪口を書き込まれる(かも、、?!)

この中で最も厳しいのは、さかのぼっての強制加入ではないでしょうか。社会保険料を支払っていれば病院での3割負担という恩恵が受けられますが、

病院に行かず市販薬で乗り切っていたのにさかのぼり請求をされてしまっては、病院に行かなかった苦労が水の泡ですね。

②では、どうすればいいのか

社会保険料と国民保険の負担額を比較し、国民保険の方が払えそう!な額なのであれば、まずは国民保険(国民健康保険+国民年金保険)に加入しましょう。

  • ①健康保険

国民健康保険か協会健保の任意継続をする

  • ②年金

国民年金保険に加入

「国保も高くて払えない~!」という場合は、納税緩和制度を利用してみましょう。納税緩和制度とは、主に①災害や震災で困っている事業者②それ以外の事業者向けに納税期間を延長したり延滞料を免除したりする制度です。

震災や災害で財産の損失を受けたため払えない【国税の支払いの期限前】

震災や災害により財産の損失を受けた方が税務署長に申請して認められることにより、1年以内の納税の猶予期間を与えられる制度です。

【国税の支払いの期限後】

納税期限を過ぎても払えない場合、税務署長に申請して認められることにより追加で1年間の期限を付与されます。

上記以外の理由で払えない誠実に納税しようとしているにも関わらず、事業の継続や生活の維持の困難の恐れがあると認められる方については、滞納処分の停止・延滞税の免除などの措置を与えることがあります。

いずれも、税務署への申請と認定が必要です。ご不明点は、最寄りの税務署の徴収担当の方に確認してください。

6.社会保険の加入率は徐々に増えている

事業者の中には「社会保険って従業員たくさん雇ってるちゃんとした会社が入るものでしょ?」「こんな小さな会社だったら入る必要ないよ」このような認識をしている法人の経営者が昔は結構いたようです。

しかし、最近では徐々に事業所での社会保険の加入率は増えています。

【引用:最近の社会保険の加入状況等|国土交通省】

上記は、国土交通省が平成28年度にまとめた建設産業・不動産業を営む企業の社会保険の加入状況を示すグラフです。右側の表では平成23年の時点で健康保険86%、厚生年金は86%と9割をきっていますが、

4年後の平成27年ではいずれも97%、96%と10%以上も加入割合を増やしています。

【引用:最近の社会保険の加入状況等|国土交通省

上記は、建設業許可行政料により社会保険未加入業者へ行われた加入指導の件数です。これを見ると、加入しないことにより「指導」や「通報」などの措置が取られることがわかります。

まとめ

会社設立をされて事業をしている方は社会保険加入は必須の手続きです。

社会保険を払うことができない場合は国保の手続きをし、どうしても支払いができない状態であれば市区町村の役場へ相談をしましょう。

そのまま滞納にしておくと、あなた自身が損をしてしまう可能性があります。

 

◆融資って何?

そもそも「融資」って何ですか?融資が何か詳しくご紹介します!

 

◆融資って経営・独立に必要?

融資って経営・独立に必要?

 

◆初めて融資を受ける場合は、何をすればいいの?

はじめての融資!融資を受ける準備は何をすればいい?

 

◆多くお金を借りるためにはどうしたらいい?

日本政策金融公庫から融資で1円でも多く、融資金額を引き出す方法とは?!

 

◆金利は何パーセントになるの?

日本政策金融公庫の金利計算をシミュレーション!金利が0.1%変わると返済金額はどう変わるのか?

 

◆返済期間はどれくらい?

創業時に日本政策金融公庫でお金を借りる場合の返済期間は、5年以上!?

 

◆政府系金融機関の日本政策金融公庫って借りやすいの?

日本政策金融公庫を利用する8つのメリット1つのデメリット

 

◆制度融資って何?

低金利融資で資金調達!「制度融資」ってなに?

 

◆保証協会付の融資って何?

創業者にとっても味方である、信用保証協会とは?

 

◆創業時はどの融資制度が良い?

創業融資なら日本政策金融公庫か信用保証協会の制度融資のどちらが良い?

 

このようなお悩みを解決するために、創業融資ガイドでは、1つ1つ丁寧に資金調達について開設しております。

ぜひ、皆様の創業・独立開業・経営にご活用ください。

 



会社設立を安く最短でミスなく行いたい方へ

月間問合件数200件 会社設立全部おまかせ

下記の条件に1つでもあてはまる方は、ぜひお気軽にご相談ください。

  • いつ起業、会社設立するか、具体的な日時が決まっている (3ヵ月以内)
  • すぐにでも事業を始めたい
  • どんなサービスで事業を始めるか、ある程度決めている
  • 合同会社と株式会社、どちらにするか迷っている
  • 正直、書類作成はなるべくやりたくない、やる時間がない
  • 経営、会計について相談できる人が身近にいない

会社設立サポートサービスには以下のようなメリットがあります。

  • 100件/月以上の相談に対応する専門コンサルタントが
    無料相談でヒアリングの上会社設立に必要な手続きや、適した会社形態をアドバイスします。
  • 自分でやると80時間以上かかる手続きが、
    1~2時間のヒアリングと、打ち合わせ場所への移動時間で完了します。
  • 専任担当者が代理として手続きするので、法務局に行かなくてすみます。 
    (※一部地域を除く)
  • 電子定款で手続きをするので、収入印紙代などの約3万円以上を節約できます。
  • 専門コンサルタントが会社設立後も全力でサポート!節税のポイントを伝授します。

会社設立は最安値で6万円からできますが、設立したあとにも税金の支払いという費用が発生します。忘れがちな点ですが、会社設立をした場合は社会保険(雇用保険・社会保険・厚生年金etc)に加入しなくてはいけません。 社会保険の対象となっているにも関わらず、社会保険料を未納のまま放置していると、行政からの指導対象やさかのぼっての強制加入等のキビシイ試練が待ち受けています。

起業者支援の専門家に相談してみませんか?