仕事の業種や形態で変わる!起業に必要な資金はいくら?

株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
会社設立支援や資金調達支援など、これから起業を検討している方やすでに起業している経営者の皆さんを様々な角度からサポートしています。

起業を行おうと考えている人にとって最も悩ましい問題の一つが資金計画についてでしょう。

しかし、業種や事業形態によって必要な資金も変わってきます。業種別に一般的に必要な資金がいくらなのか見ていきましょう。

 

1.まずは自分の起業する会社の業種を明確にしましょう

起業して自ら事業を起こす場合、起業と言っても主に3つの種類があります。

(1)独立開業

  • コンサルタント系

例)コンサルタントとして企業で働いていたが、独立して個人でコンサルタント業を行う

弁護士として法律事務所で経験を積んでいたが、この度独立して自分の事務所を持とうと思っている

大学病院の精神科に勤めていたが、町のカウンセラーとして新たに医院を開くetc.

  • 技術職系

例)整体院で数年間技術を磨き、独立して開院をする

ネイルサロンで働いていたがネイリストとして独立し、自分の店を持つことにした

企業のデザイナーとして働いていたが、フリーランスとして活動することにしたetc.

  • 販売支援業

例)広告代理店でコピーライターとして活躍していたがフリーランスになることを決めた、プロデュース業をやりたくて個人でプロデューサーとして活動を始める、etc.

(2)個人事業主

例)居酒屋をやりたくて脱サラし、店舗を開店する

父親の代から八百屋を受け継いだ

大学卒業後田舎の使われていない建物を使い、古民家カフェを開いたetc.

(3)法人・企業の設立

例)大手IT会社で勤めていた経験を生かして、新たにITベンチャー企業を設立するetc.

 

自ら起業をする場合、以上のように「独立開業」「個人事業主」「法人・企業の設立」があり、それぞれの業種で必要となる資金額も違います。

2.起業に必要な資金はいくら?

(1)独立開業の場合

独立開業は3つの形態の中でも最も資金を抑えて起業行える可能性があるものです。

独立開業にかかる資金としては以下があります。

  • 名刺や印鑑などの購入費:3,000円~20,000円程度
  • 文房具やソフトウェアなどの購入費:5,000円程度
  • チラシ印刷代、webサイト作成費:(チラシ)20,000円~30,000円、(web)250,000円~1,000,000円程度
  • オフィス契約関連費用:200万円程度(オフィスが不要な場合は0円)

などであり、主に30万円前後の資金が必要です。

(2)個人事業主の場合

①居酒屋の場合(渋谷区駅周辺・12坪の例)

  • 設備資金:約1,180万円(店舗物件取得費60万円、内外装工事費600万円、什器・備品費400万円、仕入費用・広告宣伝費等120万円)
  • 運転資金:約500万円(毎月の売り上げをどの程度見込んでいるのかによります)

②カフェの場合(渋谷区駅周辺・20坪の例)

  • 設備資金:910万円(店舗物件取得費180万円、内外装工事費500万円、什器・備品費200万円、仕入費用・広告宣伝費等30万円)
  • 運転資金:200万円

③美容院の場合(渋谷区表参道駅周辺・30坪の例)

  • 設備資金:640万円(店舗物件取得費90万円、内外装工事費350万円、什器・備品費150万円、広告宣伝費等50万円)
  • 運転資金:150万円

 

個人事業主として起業を考える時も、どんな事業内容にするのかや起業する場所によって用意する資金が変わります。上記の例を見てみると、居酒屋の場合は約1,600万円、カフェの場合は約1,100万円で、美容院の場合は約800万円と居酒屋やカフェよりも少ない資金で企業をすることが出来ます。

(3)法人・企業の設立の場合

①会社登録に係わる諸費用

  • 登録免許税:15万円
  • 定款認証料:5万円
  • 会社印鑑製作料:2万円

②不動産に係わる諸費用

  • 物件をレンタルする場合(東京・渋谷区30坪の例):約200万円(ひと月の家賃35万円、仲介手数料35万円、敷金・保証金50万円程度、礼金50万円、家賃前払い35万円程度)
  • シェアオフィスを借りる場合(東京・渋谷区の例):11万~45万円程度(入会金11万円、初期費用5万円程度、月額利用料2万円)
  • バーチャルオフィスで住所だけ借りる場合(東京・渋谷区の例):25,000円~56,000円程度(初期費用1万円程度、月額利用料15,000円程度、専用ロッカー3,000~15,000円程度、郵便受け取り・転送サービス1,000~4,000円程度、会議室利用料1,000円程度、fax回線3,000円程度、電話代行・秘書サービス1,500円程度)

③事務用品・通信費関連

  • パソコンおよび周辺機器:20万~40万円前後
  • シュレッダー:1万~3万円程度
  • 電話機:1万円程度
  • 文房具・コピー用紙:1万~5万円程度
  • 通信費:3,000円~4,000円程度

以上のように法人・企業の設立を考える場合、250万円以上の資金が必要になります。

3.起業後の資金も考える

起業時に必要な資金の目安として考える際の注意点として、起業して事業を始めるための実費にだけ注意を向けていては起業が失敗する確率が跳ね上がってしまいます。起業した後は当然、運営をしなければいけませんが、起業当初は売上が無く赤字が続くことがほとんどです。ですから売り上げが赤字でも半年から1年ほどは事業を維持できるだけの運転資金が必要です。

 

また、会社の運転資金とは別に自身が生活するために必要な資金も用意しておきましょう。もし、サラリーマンとして会社に勤めていた時の収入が月30万円であり、そのくらいの収入を起業後も維持したいのであれば、あらかじめ半年間の180万円、あるいは1年間分の360万円を生活資金として作っておくようにしましょう。

4.みんなはどれくらいの資金で起業をしているの?

起業に必要な資金は立ち上げる事業の種類や環境によって人それぞれです。ではどのくらいの資金で起業に踏み切る人の割合が高いのでしょうか?

日本政策金融公庫の「2019年度新規開業実態調査」によると開業資金500万円未満という人が最も多く、全体の40.1%を占めています。次いで500万円~1,000万円未満というのが27.8%と2番目に占めています。

開業資金の平均は1,055万円となっています。この額は調査が始まって以来最も低い額となっており、全体的に開業費用の少額化の傾向がみられています。

5.起業資金の調達方法

資金を集める方法としてまずは時間をかけて自身の貯蓄を蓄えるという方法があります。ですが起業するだけの資金を蓄えるには時間が掛かりすぎてしまうかもしれません。その場合、親族などから融資してもらうという方法もあります。

ですが自身の貯蓄や親族などの融資でも限りは在りますので、公的な金融機関から融資を受けることを検討しましょう。

例えば以下のようなものが融資先の例としてあります。

(1)日本政策金融公庫

日本政策金融公庫とは政府が100%出資する政府系金融機関です。主に個人事業主や中小企業を対象に融資を行っており、一般の銀行などでは融資の審査が通りにくい創業前や創業間もない会社などにも積極的に融資を行っています。

日本政策金融公庫についてもっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

日本政策金融公庫とはどんな金融機関なの?創業時でも融資が受けやすいってホント?

(2)信用金庫

信用金庫は地域の資金を循環させることを目的として設立されました。そのため主な融資先はその地域の小中企業に限定されています。また信用金庫は協同組合の一つになります。そのため信用金庫から融資を受ける際には地域の組合員に入会する必要があります。

信用金庫についてもっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

信用金庫や信用組合から融資を受けるための基礎知識

(3)助成金・補助金

助成金や補助金は融資とは違い返済する必要がありません。ですが助成金・補助金を受けるには一定の条件が設定されていることもあるので、自分が受けることが出来るのかどうか確認する必要があります。

また、助成金や補助金は支払った金額の一部が後から返ってくるので、起業するための資金調達手段としては向いていません。

助成金・補助金についてもっと詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

助成金を理解しよう。そもそも助成金って何ですか?

今さらだけど聞きたい。補助金ってなんですか?

まとめ

起業に係る資金は事業内容、環境によって人それぞれです。独立開業でフリーランスなどの仕事を始めて、オフィスも自宅で済んでしまう場合には開業資金は安く済みますが、個人事業主として飲食店などを経営しようと思っている方は店舗などが必要になり、起業に必要な資金は1,000万円ほど必要でしょう。

法人・企業の設立の場合もオフィスを借りれば200万円以上資金が必要になりますが、シェアオフィスあるいはバーチャルオフィスなどを利用した場合は資金を安く抑えることが出来ます。

 

どういった形態で企業をするのかは状況によっては変わります。時には見込んでいたよりもさらに多くの資金が必要になることがあるかもしれません。

そのようなときは日本政策金融公庫などの金融機関を頼りにし、融資を受けながら起業後に資金不足に陥らないようにしましょう。

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