いい税理士の条件とは? その3

いい税理士の条件とは? その3起業したばかりの経営者ほど税理士が必要といえます。
税理士を雇うとさまざまなメリットがありますが、雇いたくなる税理士にはどのような条件の人がいいのかを、前回に引き続きご説明します。

 

 

条件その⑤
経理・会計処理をすべて担ってくれる

本業に集中できず時間に追われる日々

いまの日本では、毎年10万社が新規創業しますが、20年後に残っているのは2~3パーセント、つまり2000~3000社程度に減ってしまうということです。

その理由は何でしょうか。

いろいろな理由が考えられますが、1つには「本業に専念できなかった」ということが原因にあるでしょう。

起業家の多くは、会社員時代に「仕事がよくできた人」がほとんどのはずです。

勤めている間に、取引先などのネットワークも増え材料を安く仕入れられるルートが確保できた。部下からも「先輩が独立したらついていきます」という言葉をもらい、優秀な人材を確保できた。自分の貯金と親兄弟からある程度の資金援助を受けることができて資金繰りの目処が立った。

いわゆるヒト、モノ、カネが揃ったわけです。
そうなると誰でも、独立したら成功間違いなし、と思い込みます。

ですが、独立したら、意外なことに驚きます。
それは本業以外の間接業務の多さです。

請求書・納品書の発行、部下の給与計算、社会保険業務……。
会社員時代には、経理や総務が裏方で何もいわず、作業してくれていたことを経営者が全部、やらねばなりません。

これらに四苦八苦しているぐらいならまだましです。サービスに満足してもらえなかったお客様から再三再四にわたってクレームを受けた、店に暴力団関係者がやってきてみかじめ料を請求された、近くの同業他社からあからさまな営業妨害を受けた、などという経営者もいます

さらに、結婚している場合、パートナーとの関係が微妙になることもあります。
「必ず儲かるから……」
といってムリヤリ納得させてスタートしますが、数カ月、半年経っても、儲かる気配は出てこない。生活費は苦しくなる一方で、明日の食費にさえ困るようになる。
「創業して3年が踏ん張りどころ。ここを耐えしのげば、あとはラクになるはずだ」と自分ではわかっていても、パートナーは理解してくれず、そのため夫婦関係は冷め切ってしまった──
という経験をした人もいることでしょう。

「仕事の仕訳」で業務スピードの改善にも

このように、じつにさまざまなことに手を煩わされるのが経営者です。
そこで、大切になるのが「自分の仕事の仕訳」です。

①自分でないとできないこと
②他人にまかせられること

自分の業務を①と②に分けてノートに書き出し、②の業務は、思い切って部下に任せるか、外部委託を考えるのです。

多くの会社をみてきた経験上、1つだけ言えるのは、「自分の仕事の仕訳」ができる経営者は、今後伸びていくということ。

仕事の仕訳ができない経営者は、いつまでも同じ規模でギリギリ食いつないでいくか、倒産してしまうかのどちらかです。

②の代表的なものが経理・会計処理です。

経営者が請求書を書いたり、伝票をつけたりしていると、○○Pでも述べたように、時給計算した場合、大変な損害を会社に与えてしまうことがわかります。

そこで、最近にわかに注目を集めているのが、クラウド会計システムです。

日々の売上、経費をネット上の画面に打ち込むだけで、自動的に税理士事務所に報告があがり、仕訳され、試算表ができあがる仕組みになっています。

領収書の整理など、間接業務にまどわされることなく、毎月月初めには、正確な月次決算を知ることができます。前月の経営状況を反省したうえで、今月の経営計画も立てられるのです。

クラウドですから、新たにコンピューターシステムを購入し、設置する手間はかかりません。大元のデータを保管するコンピューターサーバーは、別の安全な場所におかれ、多くの顧客と共用できるので、費用も安く済むというメリットがあります。

もちろん、すでに会計ソフトを導入している場合でも、クラウド会計システムとの連動が標準でOKなので、これまで慣れ親しんだ操作方法を変える必要はありません。

他人に任せられる仕事はすべて任せる

会社を成長させたい経営者がなすべきこと。

それは、自分の仕事の仕訳をし、部下や外注に回せる仕事は、思い切って任せてしまう決断をすることです。

原点に戻ってよく考えてみてください。

会社とは、人と「会う」ための「社やしろ」です。

部下や取引先など優秀な人と出会い、お互いに成長し、売上をあげていくことで社会貢献していくための組織です。

一人でなんでもできるという小さなプライドをもち、仕事を他人に任せられない人は、せいぜい従業員5人以下の零細企業で終わってしまいます。
「会社を大きく伸ばしていきたい、大きな収入を得たい」と考えるならば、経営者だけができる仕事に没頭しなければいけませんし、クラウド会計システムなどを提供してくれる税理士と付き合わねばなりません。

本業に専念させてくれる税理士、これがいい税理士の5つめの条件です。

条件その⑥
経営者にメリットがある提案をしてくれる

最低1つ、多ければ5〜6個の提案が望ましい

いい税理士の最後の条件は、税理士から経営改善の提案が多くあるかどうかです。

顧問税理士と契約すると、毎月1度は会うことになります。
その毎月1度の訪問時に、最低1〜2つの提案があるべきでしょう。
税理士ですから、税改正の最新の動向にはじまり、昨月の実績に応じた節税策、新たな資金繰り方法、社員の教育方法、業務の合理化など、経営の多種多様な範囲についてのものがあってしかるべきです。

たとえば、5カ月連続で赤字がでているとします。
ダメな税理士は「赤字が続いていますね〜」で終わり。

これではただの“感想”ですから、誰にでもできます。改善指導ではありません。

いい税理士は「赤字が続いていますが、原因はおわかりですか」とまず、社長自身にその原因を尋ねてくるはずです。そこで社長が原因を把握していなければ、改善策を教えてくれます。
「社長。赤字の原因は、これまでチラシ一辺倒で、新規顧客を集客していたことではないでしょうか。広告費は毎月多額の支払いがあるのに、広告による来店客がずっと減少傾向です。新聞広告の世界ではよく言われますが、若い人は新聞広告の折り込みチラシを見ません。現状のままでは中高年に対するアプローチとなってしまいます。社長の店は、若い人が対象ですから、広告媒体を変えてみてはいかがですか」
「でも新規顧客を得ようとすれば、それぐらいしか思い浮かばないし……」
「最近の若い人は、スマートフォン(スマホ)であらゆる情報を得ています。ですから、スマホ向けのIT戦略を練り直してみてはいかがでしょうか。たとえば、ラーメンを食べたいときは、若い人は、スマホの地図アプリで、ラーメンと打ち込みます。すると、現在地の近くのラーメン店が地図上にずらりと表示され、行きたいお店を選択すると、そこまでルート案内してくれます。地図アプリで業種検索したとき、御社は表示されていますか?」
「……」
「ですよね。まずは、地図アプリに御社を登録することから、はじめてみてはいかがでしょうか。無料なので、チラシよりコストはかかりません。よろしければ、詳しい
方法を後ほど、事務員からお知らせするように伝えておきますか」

時間にして5分。

税理士が訪問してくれば、最低30分の時間はあると思います。いい税理士なら、この程度の改善策は、多ければ5〜6個を提案して帰っていくはずです。

よく考えてみてください。

税理士とは、町医者のような存在です。

決算書という“カルテ”を1カ月に1度、作成しているわけですから、会社の“健康度”は社長よりも、客観的によく理解できているでしょう。

医者が患者を診断して、ガンであることがわかったら、ほうっておくでしょうか。

おそらく、すぐに精密検査をうけさせ、日常生活での運動方法、食事の改善指導、また手術が必要ならばその方法の検討に入るでしょう。

ところが、です。

悪い税理士は、会社がガンにかかっていることを知りながら、放置してしまいます。
毎月決算書の作成という健康診断をしておきながら、「赤字ですね……」では、放置しているのと同じです。赤字が2〜3期続けば、体力のない企業は倒産します。

倒産は「会社の死」ですから、死ぬとわかっていて、改善指導をせず、放っておく。
これでは毎月何のために顧問契約をしているのか、わかりません。

いい税理士は、毎月の訪問時に最低1つ、多ければ5〜6個の提案をすると覚えておいてください。

いい税理士は「紹介力」がある

ただ、経営者の皆さんに注意していただきたいのは、税理士のよしあしを測るときは、「1回限りの提案力の差」で判断しないことです。

先ほども申し上げたように、税理士はあくまでも町医者です。大学付属病院の専門医ではなく「地域のかかりつけ医」「主治医」的な役割です。

主治医には、ガンの切除手術をする設備や技術がなくてもかまいません。

大切なのは、個々の症状に対して「膵臓ガンなら、○○病院の先生が権威ですよ」「心臓疾患は△△先生の病院がいいですね」と橋渡しの役割が果たせることです。

人材教育がうまくいっていないならば
「コーチングの上手な教育コンサルタントがいます。ご紹介しましょうか」

資金繰りが悪化しているならば
「私の懇意にしている銀行が、中小企業への融資拡大キャンペーンをやっているようですが、よければ担当者とお引き合わせしますか」

と専門性の高い人々を紹介できる力があればいいのです。

いい税理士なら、弁護士、司法書士、中小企業診断士、不動産鑑定士など、外部の優秀な士業の人とネットワークをもっているはずです。いい税理士を見つけ、契約するのは、これらのネットワークを手に入れることと同じぐらい価値があるのです。



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