税務調査とは?調査内容と流れについて

株式会社SoLabo 代表取締役 田原広一
この記事の監修
株式会社SoLabo 代表取締役 / 税理士有資格者
資格の学校TACで財務諸表論の講師を5年行う。税理士事務所勤務を経て、平成23年より個人で融資サポート業務をスタート。
平成27年12月、株式会社SoLabo立ち上げ。
会社設立支援や資金調達支援など、これから起業を検討している方やすでに起業している経営者の皆さんを様々な角度からサポートしています。

ご自身で事業を経営する人が「税務調査」と聞いたらドキッとする方もいるかもしれません。

税務署の職員が会社にやって来て会社のあれこれを丸裸にされて、悪くすれば捕まってしまう、などと思っている方も中に入るかもしれません。

しかし実際の税務調査のことを知ればそこまで恐れる必要がないことが分かるでしょう。

今回は、税務調査の流れと税務調査で指摘を受けやすい項目について説明します。

1.税務調査とは

税務調査とは国税庁の管轄下にある税務署などが、毎年行われる確定申告(税金の申告)の申告内容が正しいかどうかを調査することです。

日本の法人税は申告納税制度であり、納税者が所得を申告し、それによって確定した税額を納税者が支払います。この制度の機能を維持するためには、すべての納税者が法律に従い、適切な納税を行う必要があります。しかし、中には脱税などで納税額を減らそうとする人々もいます。そのような脱税などの不正な行為を防ぎ、納税者が正しい納税を行うために第三者がチェックを行うことが税務調査の目的です。

そのため、税務調査の主な目的は「指導」となります。誤った申告をしていれば、それを正すために適切な計算方法などを納税者に指導するのです。

なので税務調査で申告内容に間違いがあったからと言って即刻逮捕されるなどということはありません。たいていの場合は申告内容を修正すればそれで済むのです。万が一にも逮捕されることがあるとすれば、それは規模の大きな大会社でよほど悪質な場合でしょう。

2.税務調査の対象になるのは?

税務調査は年20万件実施されています。調査の対象となったからと言って不正が行われていると断定されていることはありません。中には事前に不正をしているという確信をもって調査が行われる場合もあるかもしれませんが、そういう例はわずかです。むしろ何も情報がない状態で調査にやってくるケースがほとんどです。

では税務調査とは無作為に行われているのでしょうか?

税務調査が行われる会社に明確な基準があるわけではありませんが、調査を受けやすい会社というものはあります。

①継続管理法人

過去の税務調査で不正が発覚した法人

②循環接触法人

不審な点が多い法人や不正への加担が疑われる法人

③周期対象除外法人

申告や納税額に問題はないが、経営者が変わり事業規模が変化し、申告内容を検める必要のある法人

 

また、上記の3つ以外にも「消費税の還付を受けた」「利益が急増している」「多額の常識を逸脱した額の経費が計上されている」などの要素を持つ法人も調査の対象となりやすいと考えられています。

3.税務調査の連絡はいつ来るのか

税務調査が最も多い時期は秋だといわれています。9月か12月がピークでその後減少していきます。

税務調査が行われる場合、「任意調査」と「強制調査」の2つに分類することが出来ます。任意調査と強制捜査では捜査のやり方に違いがあります。

まず、明らかにしておかなければならないのは大抵の会社が税務調査を受ける際は「任意調査」となります。

(1)任意調査を受ける際は日程調整から始まる

任意調査の場合、税務署がいきなり会社にやって来て調査を行うなどということはありません。通常は事前に連絡があります。実際に調査にやってくるどれくらい前に事前連絡があるのかは一律に示すことが難しいですが、調査開始日までに会社側が必要書類等を用意するのに十分な時間が取られます。

また、税務署から「○月○日に調査に行く」などと調査日の指定を受けますが、この調査日は会社都合で変更をお願いすることが出来ます。税務署としても調査に行って会社の責任者が出張などで不在であれば調査が滞ってしまうからです。日程を変更したからといって、調査が会社にとって不利なものになるなどということもありません。

(2)強制調査は突然にやって来る

強制調査とは任意調査とは違い、強制的です。強制調査は任意調査とは異なり、税務署ではなく国税庁の査察部の管轄となります。

査察部は一般的な税務調査では動きません。主に「経済取引の中枢を占める大法人を調査するとともに、悪質な脱税者を摘発し、検察当局に告発する」ことを目的としているからです。そのため、査察部の調査対象は原則として資本金1億円以上の法人及び外国法人で、脱税の隠蔽工作などが悪質である場合に行われます。そのような会社は証拠の隠滅などを図る恐れがあるので、事前連絡なしに突然やって来て調査を行います。

4.税務調査の流れ

ここでは多くの会社が受けるだろう任意調査時の対応について紹介します。

全体の流れは以下の通りです。

1事前連絡
2事前準備
3税務調査初日
4税務調査2日目
5税務調査の後日

(1)事前連絡

税務署から事前連絡があります。ここで調査の日程を決めます。

顧問税理士がいる場合は、税理士を通して調査実施の連絡が来ます。もし顧問税理士がいるのに直接事前連絡を受けた場合は顧問税理士に税務調査が来る旨を伝え、相談しましょう。

(2)事前準備

ここでいう事前準備とは調査で必要な書類を整理しておくことです。調査に必要な書類は以下のようなものです。

  1. 申告書
  2. 総勘定元帳(PCの会計ソフト等)
  3. 通帳
  4. 給与関係書類
  5. 請求書
  6. 領収書の控え
  7. 契約書
  8. 議事録
  9. 稟議書

早めに用意をして、調査の始める前に事前に自分でチェックをすれば、仮に不備があった際に税務署から指摘される前に修正が出来れば余計な罰金を支払うことがなくなります。

税務調査で誤りが見逃されるということは極めて低いです。例えどんなに小さな間違いであっても面倒くさがらずに修正しておきましょう。

(3)税務調査初日

税務調査は1日~2日に渡って行われることが多いです。

初日の午前中は挨拶がてらの雑談と事業概要と会社の近況の説明(取引先の範囲や役員などの情報など)を求められます。税務署は調査する会社と会社の代表のことを事細かに調べてやってきます。「知らないから教えてほしい」という体で質問をしてきたとしても、実際には「よく知っている」などということもあります。なので聞かれた質問に対しては下手に誤魔化したり、濁したりせずに正直に答えるようにしましょう。

帳簿などの調査は午後から始まります。

(4)税務調査2日目

午前中から帳簿などの調査が行われます。夕方に調査結果の報告を受けます。

(5)税務調査の後日

会社での調査が終わっても、税務調査自体が終わったわけではありません。会社での調査でコピーを取った請求書や総勘定元帳などを税務署に持ち帰り、税務署側で改めて精査をします。その後、税務署から契約書の内容や何に支払った金額なのかを確認されます。

その結果として、帳簿などに不備があった場合は指摘を受け、追徴される税額の納付書を渡されます。

5.税務調査で指摘を受けやすい項目

税務調査では、会社が計上すべき収益が漏れていないか、費用として計上された項目の中に不適切なものが入っていないかどうかを重点的にチェックされます。これらは会社の計上する所得に影響し、場合によっては納付すべき税額が大きくなるからです。

具体的にチェックされる項目は以下のようなものがあります。

(1)売上の期ズレ

会社は業種に合った売上計上基準を設定する必要があります。その基準に従って売上が処理されていれば問題ありませんが、「決算日前に計上すべき会計が決算日後に計上されている」と問題です。

なぜなら年度内計上されるべきものが次年度に計上されると、年度の「所得」の金額と税収の金額が変わるからです。そのため税務調査では特に厳しくチェックされます。

(2)売上の計上漏れ

売上の期ズレとは異なり、こちらは売上の計上自体が抜け落ちているかどうかを確認されるものです。

売上の期ズレには2パターンあり、故意によって過少申告される場合と過失によって計上漏れが起こる場合です。

故意に過少申告を行った場合、これは脱税にあたる行為であり、罰則を科されます。

過失によるものであっても内部の仕組みに問題があるということです。計上漏れは取引先への反面調査などでも明らかになるケースもあります。取引先の信用を失う可能性もあるので、ミスを防ぐ仕組みを構築し、再発の防止が必要です。

(3)仕入れの処理

仕入れたものが税務上の損金として処理することが出来るのは、会計期間に売上が発生したものに限ります。そのため、仕入れと売上の対応関係が見られます。

(4)棚卸資産の計上漏れ

棚卸資産は仕入れに計上されているもののうち「棚卸資産の払い出し」が行われておらず、経費に計上できないものが棚卸資産となります。本来であれば棚卸資産として計上すべきものが経費の中に含まれていないかどうかを確認されます。

実際仕入れたものが手元にない場合でも、他の場所に仕入れたものが保管されていて仕入れ自体が発生しているケースでは棚卸資産として計上しなければなりませんので、計上漏れがないように注意しましょう。

(5)損金の計上が正しいか

定期同額給与・事前確定届出給与・利益連動給与以外の役員給与は損金にはなりません。

しかし中には「役員報酬」や「役員賞与」などが損金として算入されている場合があります。税務署はそう言った間違いがないかどうかを確認します。

(6)架空人件費が計上されていないか

架空人件費を損金として計上するという方法で脱税を図る人物がいます。このような行為を防ぐため、税務署は勤務の実態のない人物に費用が支払われていないかを確認します。

(7)外注費が正しいか

一般的に人件費として計上するよりも外注費とした方が、支払う税金が少なくなり会社にとって有利になります。そのため人件費として計上されるべきものが外注費として計上されていないかどうかを確認されます。

(8)私的に利用されたものが経費で計上されていないか

会社の経費として認められるのは、事業に関わる費用のみです。私的に利用した飲食代や雑費、交通費などはもちろんですが経費として計上することはできません。

そのため、経費のなかに私的経費が含まれていないか確認されます。

最近はSuicaなどで買い物をするケースも増えているため、交通費として処理された費用で私的な買い物がないか「Suicaなどの利用明細」なども確認されるケースもあります。

税務調査で追及されてもいいようにSuicaなどの利用明細を取っておいたほうが今後のためにもいいでしょう。

まとめ

税務調査の目的はあくまで指導です。必要以上に怯える必要はありません。間違いがあっても、それが悪意を持って行われていない限り注意で済みます。間違っているのなら正して申告しなおせばいいのです。

税務調査で税務署が会社にやってくるのは1日~2日ですが、調査後にも帳簿の記載などについて細かく聞き取りを行われます。税務署は会社のことや社長や役員などのことを詳しく調べています。尋ねられたことに正直に答えていればいいのです。

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