人を雇うときに活用できるおすすめの助成金

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人を雇うときに活用できるおすすめの助成金「助成金」は、主に厚生労働省から給付され、申請が通れば基本的には給付されます。

ここでは、厚生労働省の助成金のなかから、人を雇うことを予定している経営者に該当しそうな6つの助成金をご紹介します。

 

1. キャリアアップ助成金

人材育成コース厚生労働省には、キャリアアップ助成金という助成金があります。
これは皆さんにとって、たいへん利用しやすい制度です。
この助成金には、8つのコースがありますが、ここでは人材育成コースについて説明します。
この助成金は、パートやアルバイトの従業員に対して、①一般職業訓練(以下OFF-JT)、または、②有期実習型訓練(「ジョブ・カード」を活用したOFF-JT+OJT)などを行った場合に支給されるものです。

①のOFF-JTとは、「生産ラインまたは就労の場における通常の生産活動と区別して業務の遂行の過程外で行われる職業訓練」と定義されています。
飲食店でたとえると、普段レストラン内でお客様の応対をする従業員に対して、社内の別の会議室などにおいて、オーダーの聞き方、料理やお皿の出し方などの基本を教えるための講習をする、あるいはそのための社外の研修に参加するということです。
現場で営業時間内にお客様と直接対面しながらする指導は含まれません。

事務職ならば、電話の応対の仕方を教える、名刺の渡し方・受け取り方を教える、敬語の使い方を教える、専門業種に必要な知識を教える、といったことを、業務以外の場所で、簡単な冊子や資料を設け、講師がカリキュラムに沿って行う講習会などが該当します。
訓練終了後に、中小企業に対しては賃金助成として1時間当たり760円、経費助成としては最大30万円が支給されます。

②有期実習型訓練のジョブ・カードとは、個人の職業能力を証明する履歴書のようなものです。
・キャリア・プランシート
・職務経歴シート
・職業能力証明〈免許・資格、学習歴・訓練歴、訓練成果・実務成果〉
の3種類のシートで構成されています。

ハローワークにいる「ジョブ・カード作成アドバイザー」と従業員が面接(キャリアコンサルティング)し、その結果を記入したうえで、従業員に渡されます。
履歴書では書き切れないその人物についての情報が記載されているため、職業能力などを客観的に評価することができます。
つまり、有期実習型訓練は、このジョブ・カードを使用したOFF-JTと、実際の現場での指導(OJT)を組み合わせた職業訓練のことをいいます。

訓練期間は、3カ月以上6カ月以内が設定可能で、実施する場合、企業の規模や業種に制限はありません。
訓練の終了後には、OFF-JTと同じく、中小企業に対しては賃金助成として1時間当たり760円、経費助成としては最大50万円が支給されます。

OJTの実施助成としては1時間当たり760円が支給されます。
ただし、一般職業訓練と比べて実施の難易度は少し上がりますので、都道府県労働局、ハローワークのほか、地域の商工会議所の窓口を訪ねることをおすすめします。

専門のアドバイザーが、訓練実施計画の作成や、ジョブ・カードの作成、助成金支給を申請するためのサポートやアドバイスなどを行ってくれます。

2. キャリアアップ助成金 正社員化コース

優秀なパート・アルバイトを正社員に昇格させたい─そう思ったときに助成金を申請できる制度です。
通算で雇用期間が6カ月以上であり、無期雇用労働者、有期契約労働者、派遣労働者が対象となります。
支給対象の企業となるには、

①キャリアアップ計画書を提出す
②管轄の労働局長の認定を受ける
③就業規則に正社員への転換制度を盛り込み運用する

の3点をクリアしなければなりません。
管轄の労働局長の認定を受ける際には、①③を「事前に」準備しておかねばなりません。
あとで提出するというのは認められませんので、注意してください。
正社員にしたい従業員がパートやアルバイトのときに、基本となる就業規則をしっかりつくっておき、実際に運用してから届け出るようにしましょう。

また、申請後、審査結果が出るまで、3〜4カ月かかる場合がほとんどです。
審査通過後、助成金が入金されるまで、さらに3〜4カ月の時間がかかります。
つまり、就業規則をつくり運用し、届け出て、助成金が支給されるまで、ざっと1年ぐらいの長期スケジュールを立てておく必要があるということになります。
なお、助成金には申請期限があります。
申請期限を過ぎてしまうと助成金は支給されません。
期限は「正社員登用後、6カ月分の賃金を支払った日の翌日から起算して2カ月以内」です。
1名につき57万円が、15人分855万円まで受給可能です。
生産性要件を満たせば、1名につき72万円、15人分1080万円まで受給可能です。

支給までの流れをまとめるとつぎのようになります。

○助成金計画申請と計画認定
平成28年4月1日 Aさんをアルバイトとして雇用(就業規則も同時作成しておく)

○就業規則の変更
平成28年10月1日  Aさんを正社員として雇用(雇用契約書を交わす)
平成29年4月~  Aさんの助成金申請可能期間
平成29年6月  申請期限締め切り
平成29年8月~9月  助成金支給の決定
平成29年12月~平成30年1月  助成金支給

以下にキャリアアップ計画書の作成例を掲載しました。
例を参考に、皆さんの会社に合う内容で作成しましょう。

キャリアアップ計画書の作成例
キャリアアップ助成金を受給するまでの流れ
3. 特定求職者雇用開発助成金(三年以内既卒者等採用定着コース)

高校、大学、専門学校の既卒者や中退者で、これまで1つの職場に1年以上雇用されなかった人を採用する場合は、この助成金を申請できます。
これらの若者を採用する利点は、彼らが「危機感」をもっていることです。
卒業後3年以内の若者は「第二新卒」と呼ばれています。
希望をもって就職したにもかかわらず、上司や職場環境などに恵まれなかったり、本人に学生時代の甘え癖が残っていたことから「こんなはずじゃなかった」と1回目の就職に成功しなかった若者のことをいいます。
彼らはたまたま運に恵まれなかっただけで、つぎの会社ではもう失敗したくないという強い危機感があり、モチベーションが高くなっています。
こういった若者のなかには、原石のような才能をもっている人がきっといるはずです。
そんな彼らを見つけ、一人前の社会人に育てることで、皆さんの会社を発展させることに大きく尽力してくれるのではないでしょうか。
この助成金には、2種類のコースが設置されています。

①既卒者等コース
②高校中退者コース

①の場合、1年間勤務を継続できればその時点で50万円、その後2年目、3年目で10万円ずつとなり、最大で70万円となります。
②の場合、1年間勤務を継続できればその時点で60万円、その後2年目、3年目で10万円ずつとなり、最大で80万円となります。
採用までの手続きのすすめ方としては、まず、既卒者が応募可能な新卒求人の募集を行います。
つぎに採用選考を行い、対象者を雇います。1年間定着後に第一期の支給申請を行い、さらに1年後、2年後の3度にわたって支給申請を行うという流れになります。
なお、この助成制度は、平成31年3月末までに募集を行い、同年4月末までに雇用をしたケースが対象となっています。
また、前項のキャリアアップ助成金と同様に、申請の締め切り期限を過ぎると支給はされませんので、充分注意してください。
経営者の3親等以内の親族を雇用した場合、過去3年間に会社と何らかの雇用、就労の関係があった場合には適用されません。

4. トライアル雇用奨励金

仕事が長続きせず、安定的な就職が困難になっている人について、ハローワークなどの紹介により、一定期間試行雇用した場合に助成が行われるものです。
たった一度の面接で適正を見抜くのは難しいでしょう。
また、試用期間を設けても、その試用期間にも賃金が発生するため、雇用自体をあきらめようとする経営者は多くいます。
トライアル雇用奨励金は、賃金の一部を助成することで、経営者に常用雇用を促すことを目的とした制度なのです。

受給するためには、雇い入れ予定者の属性のほかに、

①ハローワーク・紹介事業者等に提出された求人に対して、ハローワーク・紹介事業者等の紹介により雇い入れること。求人の際にはトライアル雇用である旨を記載すること
②原則3カ月のトライアル雇用をすること
③1週間の所定労働時間が通常の労働者と同程度であること(1週間の労働時間が30時間以上であること)
④事前に内定がないこと

などを満たすことが条件になります。
奨励金は、支給対象者1人につき月額4万円、3カ月の合計額がまとめて1回で支払われます。
なお、対象者が母子家庭の母等、または父子家庭の父の場合、1人につき月額5万円となります。
ほかにも細かい要件が多々ありますので、詳しくは厚生労働省のホームページをご覧ください。

5. 障害者トライアル雇用奨励金
6. 特定求職者雇用開発助成金(障害者初回雇用コース)

障害者を雇用した場合、助成が行われるものです。
障害者を雇用することによって、彼ら自身が自立した生活を実現するとともに、障害者でも働けるような会社の設備を整えることが、結果的に企業を成長させることにつながります。
障害者でも不自由なく働ける優良企業づくりを支えるため、本助成金が存在します。
障害者関連の助成金は、「障害者トライアル雇用奨励金」「特定求職者雇用開発助成金(障害者初回雇用コース)」の2種類が利用しやすいでしょう。

障害者トライアル雇用奨励金
この助成金は、ハローワークなどの紹介により、就職が困難な障害者を一定期間雇用する事業主に対して助成されます。
これは、
①障害者トライアルコース
②障害者短時間トライアルコース
に分かれます。
①について期間は原則3カ月、週20時間以上の労働時間が定められています。
②については週10時間以上20時間未満、3カ月以上12カ月以内です。
1人につき、月額最大4万円、はじめて精神障害者を雇う場合は月額最大8万円、障害者短時間トライアルの場合は、1人につき月額最大2万円が助成されます。
申請の手続きとしては、まずハローワークまたは民間職業紹介事業者の紹介により雇用し、雇用後2週間以内にトライアル雇用の計画書を、紹介を受けたところに提出、その後、管轄の労働局に提出します。

特定求職者雇用開発助成金(障害者初回雇用コース)
障害者雇用の経験のない中小企業がはじめて障害者を雇用した場合に助成されます。
助成金額は、120万円です。
障害者雇用義務制度の対象となる労働者数50〜300人の事業主が、ハローワークなどの紹介によりはじめて障害者を雇い、法定雇用率を達成した場合に助成されます。
注意しなければならないのは、対象となる障害者を、一般被保険者かつ継続して確実に雇用する必要があること、1人につき120万円助成されるのではなく、あくまで最初の一度きりであるということです。

 

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