合同会社設立|初めてでも3日でできる!自分で会社を作る為の全手順

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合同会社設立多くの方は、起業する時は株式会社の設立を視野にいれていると思います。しかし、個人事業からの法人成りの場合や、飲食店や何らかの商品販売などのビジネスを行う場合は、合同会社の方が良い場合が多々あります。

事実、合同会社はここ2、3年で急増している会社形態です。

そこで、本日は合同会社を自分で設立するための方法を詳しく具体的にご紹介します。合同会社の設立は株式会社と比べると、とてもシンプルなので、3日ほどで終わることでしょう。早い方なら1日で全てを用意する方もいらっしゃるぐらいです。

それでは、まずは、合同会社設立の手順の前に、まずはあなたがやろうとしている事業は「本当に合同会社が適しているかどうか?」を判断するための方法からお話させて頂きます。

はじめに:知っておきたい合同会社のメリットとデメリット

近年、右肩上がりに設立件数が伸びている合同会社ですが、設立の手続きを始める前に、そのメリットとデメリットはしっかりと把握しておきたいところ。最初にメリットとデメリットを把握して、あなたがこれから行う事業に本当に合同会社が適しているのかをしっかりと判断しましょう。

合同会社の5つのメリットと2つのデメリットとは?

早速ですが、下記は、株式会社や個人事業主と比べた時の合同会社のメリットとデメリットを簡潔にまとめたものです。

合同会社のメリット

  • 設立費用が安い
  • ランニングコストが安い
  • 利益分配・経営の自由度が高い
  • 資金調達の幅が広い社債発行が可能な他、創業融資の審査などで株式会社と比べて不利になることもありません。
  • 株式会社と税制が同じため節税ができる

合同会社のデメリット

  • 国内での知名度が低い合同会社が株式会社よりも地位として下という認識の方が多いため中小企業が相手のビジネスでは控えた方が無難。
  • 人的問題合同会社では基本的に社員(=出資者)全員が業務執行権を持ちます。そのため社員間で意見対立が起きてしまうと苦労してしまう可能性があります。

※さらに詳しく知るためには、『急増中!起業を考えているなら知っておきたい合同会社のメリット6つ』をご覧下さい。

合同会社にすべきかどうかを決める2つのチェックポイント

このように合同会社には、もちろん様々なメリットやデメリットがあります。それでは、どのような場合に合同会社を選ぶべきなのでしょうか?私はいつも、「以下の2つのポイントに当てはまるなら合同会社は非常に良いですよ」とお伝えしています。

ポイント①:BtoCビジネスの場合

日本国内では残念ながらアメリカと比べると合同会社の知名度はまだまだ低いのは事実です。そのため、企業向けのビジネスでは合同会社であることで不利になる可能性があります。例えば、合同コンペなどで、あなたの会社を含めて2つの会社が最終候補になったとします。提案の内容自体は、どちらも素晴らしいものであるのに、最終的に、「こちらは合同会社であちらは株式会社だから株式会社の方が何となく安心だ」ということになるかもしれません。

しかし、一般消費者を相手にしたビジネスの場合、一般の方は、「この商品を作っている会社は株式会社か、それとも合同会社か?」と調べたりはしません。良い商品なら自然と手にしてくれます。そのためBtoCビジネスの場合は、知名度が低いという合同会社の欠点が経営に響くことはないと言えるでしょう。

ポイント②:理性的に話し合える人がパートナーにいる場合

合同会社は経営の自由度が高く社員(出資者である業務執行責任者)の間で、何でも意思決定ができます。しかし、逆に言うと、業務を進めて行く上で、社員同士で意見対立が起きると収まりがつかなくなってしまう可能性があります。そのため、一緒に社員となるパートナーはしっかりと選ぶことが重要です。具体的には、社員それぞれが違う意見を持つのは当たり前のことなので、意見が違うことを前提とした上で、生産的な話を理性的に行えるかどうかがカギとなります。同じ意味でワンマン経営を行いたい場合は、株式会社が無難です。 

これらのポイントを満たすなら合同会社を設立しよう

いかがでしょうか?これらの点を踏まえて、合同会社があなたのビジネスに適していると判断したら、早速合同会社の設立を始めましょう。それではまずは合同会社設立の流れを抑えるところから始めましょう。

0.合同会社設立の流れ

合同会社の設立の流れは非常にシンプルで、株式会社と比べても遥かに簡単だと言えます。具体的には、下記の6つのステップを踏むだけです。

合同会社設立の流れ

用意する書類も株式会社の場合に必要な書類と比べて、遥かに手間がかからないですし、事前に考えておく項目にも「株主構成をどうするか?」などと頭を悩ませるようなものはありません。また、当ページでは、合同会社設立に必要な書類の雛形や、記入項目の解説、合同会社を設立する上での最低限の知識なども、出来るだけ詳しくご紹介していますので迷わずに進めて頂けるでしょう。

0.1 合同会社の設立に必要な実質的な日数は?

集中してスムーズに行えば、あなたがやるべき作業は、1〜3日で全て終えることができるでしょう。(※設立の申請が法務局で処理される時間で会社が法的に設立されるまで、プラスで1週間ほどかかります。)

0.2 合同会社設立の費用

合同会社の設立には最低限以下の費用が必要です。こちらもあらかじめ用意しておきましょう。

合同会社の設立に最低限必要な費用

  • 定款に貼る収入印紙代:4万円(※注1:電子定款の場合は不要)
  • 登記手続きに必要な定款の謄本手数料:約2,000円(250円/1ページ)
  • 登記手続きの際の登録免許税: 最低6万円(※注2:厳密には資本金の額×0.7%)
    合計:約10万2千円

それでは早速、一つ一つのステップを見て行きましょう。

1.設立項目の決定

具体的に合同会社の設立手続きを始める前には、基本的な設立項目を決めておく必要があります。設立項目と言うと、何だか難しそうですが、「会社の名前は誰にするか」「会社の場所はどこにするか」など基本的なことばかりです。また株式会社の設立と比べると、決めておく項目が少なく、遥かにシンプルなため、ほとんど時間はかからないでしょう。

具体的には下記の項目を決めておく必要があります。

  • 商号(会社名):一目見ただけで覚えられるぐらいの分かりやすい商号を付けましょう。
  • 事業目的:会社で「どのような事業を行い収益を得るのか」を決めます。
  • 本店所在地:会社の住所は定款作成や登記申請の際に記入が必要になります。
  • 資本金の額:同上。最低半年程度の運転資金を用意しておきましょう。資本金は、創業融資を受ける際にも重要ですし、取引先も必ず確認する部分ですので1円会社設立はオススメしません。
  • 社員構成の決定:誰が代表権を持つのか・誰が業務執行権を持つのかなどを決めます。
  • 事業年度:事業年度は節税や創業後の消費税の免税機関の特例など様々な側面から合理的に決めましょう。
  • 会社印鑑の作成:合同会社の設立書類に押す印鑑や、設立後に業務で使う印鑑など合計4種類の印鑑を最初に揃えておきましょう。
  • 印鑑証明書の取得:印鑑証明書は法務局で登記を行う際に必要です。あらかじめ取得しておきましょう。
  • 設立費用:合同会社を自分で設立する場合の費用は約10万2千円ほどです。あらかじめ確保しておきましょう。

下記のページで、各種項目の具体的な説明と、決定する時の判断基準などをご説明していますので、確認しておきましょう。

> 『会社設立の手続きを始める前に用意しておくべき10の項目

2.定款の作成

設立項目を決めて、手続きに必要な印鑑などを用意したら次に行うのが定款の作成です。合同会社では、株式会社のように「定款の認証」というステップがないため、手順は遥かに簡素になっています。また定款の作成自体も簡単で、1時間もあれば作れてしまうことでしょう。

それでは、早速、定款の作成方法をご説明します。

2.1 合同会社の定款作成法:穴埋めするだけで作れる雛形と項目の解説

合同会社の定款は株式会社の定款と比べて、株や株主総会がなく機関設計もシンプルです。

そのためとても簡単に作成することができます。具体的には先ほどの設立項目を記載していく他、会社運営開始後の社員間でのトラブルを避けるために、新しい社員が入社したり退社したりする時の取り決めを書いたり、社員の間での利益の分配に関する取り決めなども書いておきます。

下記のリンク先ページで、今まで会社設立に関して学んだことがない方でも、穴埋めするだけで安全な定款を作ることができるように記載事項を詳しく解説させて頂いています。また、定款の雛形のダウンロードもできるようになっていますので、ぜひご活用下さい。

> 『合同会社の定款作成法:穴埋めするだけで作れる雛形と項目の解説

2.2 電子定款について

株式会社と同様に、合同会社でも定款を紙ではなくPDFの電子定款にすると、登記申請の際に定款に貼る収入印紙代4万円が不要になります。しかし、実際に電子定款を作るには、専用の電子機器やソフトウェアを揃える必要があります。

もし、必要な機器を既に持っている場合は、電子定款の方が金銭的に遥かに得です。電子定款の作り方は下記ページでご説明していますので参考にして下さい。

> 『電子定款を半日で完成させるための5つのステップ

3.登記書類の作成

定款を作成したら、次は登記書類の作成に移ります。合同会社では登記書類の作成も非常に簡単です。当ページの手順通りに進められた方は、以下の5つの書類を揃えるだけです。全てシンプルな書類ですので、さっと作成してしまいましょう。

  • 設立登記申請書(申請書+登記すべき事項を記した用紙+登録免許税貼付台紙)
  • 払込証明書
  • 印鑑届出書
  • 代表社員就任承諾書
  • 本店所在地及び資本金決定書

設立の際に現物出資がある場合、別途2つの書類の作成が必要となりますが、手続きが煩雑になりますし現物出資をされる方はとても少ないので、ここでは省かせて頂いています。

それぞれの書類の解説や、作成方法に関しては、下記のページで詳しく説明させて頂いています。もちろん雛形も用意してありますのでご活用下さい。

> 『合同会社の設立に必要な書類のリストとそれぞれの書類の作成手順

4.法務局で設立登記

必要な書類を用意したら、後は法務局で登記を行うだけです。実際に法務局へ行く前に、株式会社と同じく、法務局で書類の申請をした日が会社の設立日となります。法務局での設立登記の流れや具体的な手順、注意事項は下記のページでご紹介していますので、あらかじめ確認しておきましょう。

> 『会社登記の具体的な手順と必ず抑えておくべき6つの注意事項

5.税務署等に開業の届出

合同会社自体は、法務局で申請書を提出するだけで設立となりますが、実際に会社の運営を始めるにあたって株式会社と同じように、税務署や都道府県に対して、以下のような様々な届出を行う必要があります。

  • 法人設立届出書
    設立した会社の概要を税務署に知らせるための書類。都道府県や市町村にも地方税を納めるために開業届として必要。
  • 青色申告の承認申請書
    税制上、大きなメリットのある青色申告をするために提出しておくべき書類
  • 給与支払事務所等の開設届出書
    役員賞与や従業員の給料を会社の費用として計上するために必ず出しておくべき書類
  • 源泉所得税の納金の特例の承認に関する申請書
    源泉徴収を毎月ではなく年2回の納付にして創業後の負担を軽くするために提出する書類
  • 棚卸資産の評価方法の届出書(任意)
    会社の在庫商品の計算方法を届け出る書類。必要ない場合も少なくないが、業種によっては節税のために非常に重要
  • 減価償却資産の償却方法の届出書(任意)
    同上
  • 労働保険 保険関係成立届
    従業員を雇う場合に必要。労働保険に関する届出
  • 労働保険 概算保険料申告書
    同上
  • 雇用保険 適用事業所設置届
    同上
  • 雇用保険 被保険者資格取得届
    同上
  • 健康保険・厚生年金保険新規適用届
    従業員を雇う場合に必要。社会保険に関する届出
  • 健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
    同上
  • 健康保険被扶養者(異動)届
    同上

従業員を雇う予定がない場合でも、『法人設立届出書(税務署用・都道府県税事務所用・市町村役場用)』『給与支払事務所等の開設届出書』『青色申告』『健康保険・厚生年金保険新規適用届出書』は必須とお考え下さい。また従業員を雇う予定がある場合は、全ての書類を提出しておきましょう。

それぞれの書類の解説や具体的な作成法は、下記のページで詳しく説明しております。しっかりとご確認するようにして下さい。

> 『会社設立後に必ず届出しなければならない書類とその作成法まとめ

最後に:合同会社の設立後に経営者がやるべきこと

以上で合同会社の設立は完了です。

設立自体が株式会社と比べても非常に簡単なので、合同会社は株式会社と比べて少し劣るというように勘違いされている方も世の中にはいらっしゃることでしょう。しかし法的にも税務的にも、合同会社も株式会社も社会的責任は全く変わりません。そのため、経営者がやるべき仕事も全く同じです。

社会やお客様に対して価値を届けることはもちろんのこと、経営者には以下のような仕事も待っています。

  • 資金調達:会社経営には思わぬところで資金が必要となるものです。融資制度や銀行での資金調達法、エンジェル投資などあらゆる選択肢を持っておきましょう。一例として、『創業融資|設立直後の会社でも無担保で1500万円を借りる為の方法と手順』も参考にして頂けると嬉しく思います。
  • 社内のマネジメント:利益をあげて行くための最重要事項は社内のマネジメントにあります。会社の理念やビジョンを社内で共有し、従業員に気持ちよく働いてもらえるような環境づくりも経営者の仕事と言えるでしょう。
  • 社外でのパイプ作り:ビジネスは人と人との出会いで成長していきます。社外の優秀な人間にも、あなたの会社の協力者になってもらえるようだと先行きは明るいでしょう。また、優秀な士業の方を雇って、会社の財務や労務、税務面を整備していくことも大切です。『税理士の選び方|顧問契約の前に絶対に確認しておくべき8つのポイント』などを参考にして頂けると嬉しく思います。
  • 会社の運営資金の管理、把握:起業間もない会社の社長、経営者は経理や帳簿づけも自分自身で行わないとなりません。できれば、会計、経理にかける時間を必要最低限にして、本業のビジネスに多くの時間を充てたいところ。信頼できるパートナー会社に記帳業務をアウトソーシングするもよし、会社の数値をかんたんに把握できるようなクラウド会計ソフトを活用するのも一つの手段です。いろいろ調べてみてご自身にあった方法で効率化するのも検討してみましょう。
  • 事業計画や利益計画の策定:プレゼンテーションの機会はいつ訪れるか分かりません。そのためにも、事業計画書や利益・行動計画書を常に持ち歩いていたいものです。これらの書類の作成方法等に関しても、今後、当ブログでご紹介する予定です。楽しみにお待ち下さい。

当ページが、これから起業独立をしようとお考えのあなたのお役に立つと幸いです。

 

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